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第二章 俺は好きかどうかわからないって答えたからそういう意味ではあるんじゃないの。
第十三話 …光ならすぐ気づけると思うよ。
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「…それで一般的にはyの係数を1にした形で左辺に移行させた形、それ以外を右辺に移行させる事が多い。中学校数学ではこの定数項をbで表すことが多いんだけどこれを切片って呼んで…」
「ねぇ…伊織くん…。」
「何?」
「どうして…yが左辺でそれ以外が右辺なの…?xを左辺にしてもグラフは作れるんじゃないの…?」
「もちろん作れる。さっきも言ったけどxとyは別にその文字に制限される必要がないし実際に高校に入って逆関数って考え方ができればそんな非対称的な考え方をしないケースもあるけど、これだけ単純な一次関数のグラフを書くことだけが目的ならその方がいいってだけ。実際それを要求されることは中学校の段階では多い。」
「伊織くんってやっぱり説明が分かりやすくて話してて楽しい…。私の質問に何でも答えてくれるんだね…。とりあえず今の段階ではその中学校で習う手順で我慢すればいいんだよね…。」
光はこれから先の事に期待をしているためかとても先の事を楽しみにしているようだった。
「そういう事。勉強していくうちにそういう制限もなくなっていくし、その先に別の世界がある事に橘ならすぐに気づけると思うよ。」
「違うよ…伊織くん…。」
光が楽しそうな明るかった表情から一変して暗い表情になり俯きながら呟く。
「何が?」
「タチバナ…じゃなくて…ヒカル…だよ…。」
「…光ならすぐ気づけると思うよ。」
光がそれを聞いて再び笑顔を取り戻す。
「うん…ありがと…。私も伊織くんの勉強に早く追いつきたいな…。」
「そう。それじゃあ分からないことがあったらまた声かけて。」
「うん…わかった…。」
そうして2人はお互い勉強に打ち込んだ。
……………
「タチバナヒカル…ね…黒田くん…あなたはやっぱり隅に置けないわね。でも私立南ヶ丘中学の特待生君…あなたの手に負えるのかしらね?」
……………
そして1限目の授業が終わった。
「ねぇ…伊織くん…。」
「何?」
「ママから入塾していいよって連絡きた…。」
「いやお前は入塾しないとだめだろ。」
「そうだよね…。伊織くんに殺されちゃうもんね…。」
光は不吉な事を言いながらもなぜか嬉しそうな表情を浮かべていた。
「そうだよ。入塾しないと殺すよ。」
「嬉しい…。」
「どっち?殺されたいの?」
「ううん…殺されるのは嫌だけど…それだけ私…大事にされてるって事だよね…。」
「…どうなんだろうね。」
2人の会話が聞こえていた他の塾生は2人の事を気味悪がっていた。
『黒田くんは元々怖いけど…なんか橘さんもちょっと気味悪くない?』
『うん…なんでさっきあんなに怖がってたのに今あんな嬉しそうなの?』
塾生の間で2人には聞こえないようにそんなやり取りが交わされていた。
そして2限目が始まる。
「はい、皆ー。授業始めるよー。」
そして次の講師は女講師で橘の方を見た。
「橘さんだよね。体験授業は1限で終わりになっちゃうんだけど…」
「正式に入塾しますので…このまま続けさせてください…。」
「え?でもまだ手続きとかが…」
「親からの了承は得ているので大丈夫です…。」
「そ、そうなのね。そしたら、テキストのプリント印刷してくるね。」
そう言って女教師は一度教室を後にする。
次回 第十四話 そう。それじゃあこれ、この塾の授業料。
「ねぇ…伊織くん…。」
「何?」
「どうして…yが左辺でそれ以外が右辺なの…?xを左辺にしてもグラフは作れるんじゃないの…?」
「もちろん作れる。さっきも言ったけどxとyは別にその文字に制限される必要がないし実際に高校に入って逆関数って考え方ができればそんな非対称的な考え方をしないケースもあるけど、これだけ単純な一次関数のグラフを書くことだけが目的ならその方がいいってだけ。実際それを要求されることは中学校の段階では多い。」
「伊織くんってやっぱり説明が分かりやすくて話してて楽しい…。私の質問に何でも答えてくれるんだね…。とりあえず今の段階ではその中学校で習う手順で我慢すればいいんだよね…。」
光はこれから先の事に期待をしているためかとても先の事を楽しみにしているようだった。
「そういう事。勉強していくうちにそういう制限もなくなっていくし、その先に別の世界がある事に橘ならすぐに気づけると思うよ。」
「違うよ…伊織くん…。」
光が楽しそうな明るかった表情から一変して暗い表情になり俯きながら呟く。
「何が?」
「タチバナ…じゃなくて…ヒカル…だよ…。」
「…光ならすぐ気づけると思うよ。」
光がそれを聞いて再び笑顔を取り戻す。
「うん…ありがと…。私も伊織くんの勉強に早く追いつきたいな…。」
「そう。それじゃあ分からないことがあったらまた声かけて。」
「うん…わかった…。」
そうして2人はお互い勉強に打ち込んだ。
……………
「タチバナヒカル…ね…黒田くん…あなたはやっぱり隅に置けないわね。でも私立南ヶ丘中学の特待生君…あなたの手に負えるのかしらね?」
……………
そして1限目の授業が終わった。
「ねぇ…伊織くん…。」
「何?」
「ママから入塾していいよって連絡きた…。」
「いやお前は入塾しないとだめだろ。」
「そうだよね…。伊織くんに殺されちゃうもんね…。」
光は不吉な事を言いながらもなぜか嬉しそうな表情を浮かべていた。
「そうだよ。入塾しないと殺すよ。」
「嬉しい…。」
「どっち?殺されたいの?」
「ううん…殺されるのは嫌だけど…それだけ私…大事にされてるって事だよね…。」
「…どうなんだろうね。」
2人の会話が聞こえていた他の塾生は2人の事を気味悪がっていた。
『黒田くんは元々怖いけど…なんか橘さんもちょっと気味悪くない?』
『うん…なんでさっきあんなに怖がってたのに今あんな嬉しそうなの?』
塾生の間で2人には聞こえないようにそんなやり取りが交わされていた。
そして2限目が始まる。
「はい、皆ー。授業始めるよー。」
そして次の講師は女講師で橘の方を見た。
「橘さんだよね。体験授業は1限で終わりになっちゃうんだけど…」
「正式に入塾しますので…このまま続けさせてください…。」
「え?でもまだ手続きとかが…」
「親からの了承は得ているので大丈夫です…。」
「そ、そうなのね。そしたら、テキストのプリント印刷してくるね。」
そう言って女教師は一度教室を後にする。
次回 第十四話 そう。それじゃあこれ、この塾の授業料。
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