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第二章 俺は好きかどうかわからないって答えたからそういう意味ではあるんじゃないの。
第十二話 『代入法』なんて教えてないよ?
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「うん…でもなんか…」
光が少し恥ずかしそうにしてる。
「ん?何?」
「こんな楽しい気持ちになったの…久しぶり…。ありがとう…。」
「…俺は別になんにも…」
「してくれたよ…。今日色々な事教えてもらえて…凄く新鮮だった…。」
光が伊織に笑顔を見せる。
伊織は自分に心の底から笑顔を見せられたのが初めてだったのではないかと思ってしまった。
「…そう。じゃあ俺、自分の勉強するよ。」
「あ…うん…わかった…。ありがとね…。」
「わからないことあったら聞いていいから。」
「わかった…。その時はお願いするね…。」
そうして2人は自分の勉強に集中することにした。
そして暫く授業をしている時の事だった。
「えー、であるからして、こういう形の式の時は…」
講師が話をしていると、
「先生…!それ…もしかして…yをそのまま先に代入してみるといいんじゃないでしょうか…!?」
と1人の女子生徒の声がする。
「橘、さん、だよな?ここ、学校でまだやってないんだよな?なんでわかったんだ?」
「黒田くんに教わって…その…上の式と下の式が『且つ』で結ばれてるので…上の式のyをそのまま下の式に代入できるのではないかと思いました…!」
伊織はその言葉に驚いた。
「橘、俺がお前に教えたのは加減法だけで、『代入法』なんて教えてないよ?」
「教えてくれたよ黒田くん…勉強は自分から進んでやらなきゃ意味がないって…。だから私…考えてみたの…ちょうど同じところやってたから…もしかしたらって思って…。」
「橘さん、その通りだ。ここでは代入法を使ったほうが圧倒的に早い。」
「お前しかも…もうそんなに進んだの?」
「うん…あとね…これ…黒田くんに確認してほしくて…」
伊織が見た光のノートには何やらグラフのようなものが書かれていた。
「お前…気づいたの?」
「…気づいた…?うーん…なんか…上手くいくかなって思ったけどできなくて…。でも…黒田くんは文字が1つ決まるともう1つ決まるって言ってたからもしかしたらって思って…」
「お前の思ってる通りだよ。」
「私の…思ってる通り…?」
「方程式っていうのは関数としてグラフにする事ができるんだよ。連立方程式も例外じゃない。でもまだそんな…」
「知りたい…。」
「は…」
「黒田くん言ってたから…好奇心を失うなって…。黒田くんさっき言ってたよね…?わからなかったら聞いてもいいって…。」
「わかったよ。」
「それとさ…。」
「何?」
「これからは下の名前で呼び合わない…?私達…。」
「は?何で?」
「嫌なの…?」
「別にどっちでもいいよ。」
「それじゃあこれからよろしくね…伊織くん…。」
次回 第十三話 …光ならすぐ気づけると思うよ。
光が少し恥ずかしそうにしてる。
「ん?何?」
「こんな楽しい気持ちになったの…久しぶり…。ありがとう…。」
「…俺は別になんにも…」
「してくれたよ…。今日色々な事教えてもらえて…凄く新鮮だった…。」
光が伊織に笑顔を見せる。
伊織は自分に心の底から笑顔を見せられたのが初めてだったのではないかと思ってしまった。
「…そう。じゃあ俺、自分の勉強するよ。」
「あ…うん…わかった…。ありがとね…。」
「わからないことあったら聞いていいから。」
「わかった…。その時はお願いするね…。」
そうして2人は自分の勉強に集中することにした。
そして暫く授業をしている時の事だった。
「えー、であるからして、こういう形の式の時は…」
講師が話をしていると、
「先生…!それ…もしかして…yをそのまま先に代入してみるといいんじゃないでしょうか…!?」
と1人の女子生徒の声がする。
「橘、さん、だよな?ここ、学校でまだやってないんだよな?なんでわかったんだ?」
「黒田くんに教わって…その…上の式と下の式が『且つ』で結ばれてるので…上の式のyをそのまま下の式に代入できるのではないかと思いました…!」
伊織はその言葉に驚いた。
「橘、俺がお前に教えたのは加減法だけで、『代入法』なんて教えてないよ?」
「教えてくれたよ黒田くん…勉強は自分から進んでやらなきゃ意味がないって…。だから私…考えてみたの…ちょうど同じところやってたから…もしかしたらって思って…。」
「橘さん、その通りだ。ここでは代入法を使ったほうが圧倒的に早い。」
「お前しかも…もうそんなに進んだの?」
「うん…あとね…これ…黒田くんに確認してほしくて…」
伊織が見た光のノートには何やらグラフのようなものが書かれていた。
「お前…気づいたの?」
「…気づいた…?うーん…なんか…上手くいくかなって思ったけどできなくて…。でも…黒田くんは文字が1つ決まるともう1つ決まるって言ってたからもしかしたらって思って…」
「お前の思ってる通りだよ。」
「私の…思ってる通り…?」
「方程式っていうのは関数としてグラフにする事ができるんだよ。連立方程式も例外じゃない。でもまだそんな…」
「知りたい…。」
「は…」
「黒田くん言ってたから…好奇心を失うなって…。黒田くんさっき言ってたよね…?わからなかったら聞いてもいいって…。」
「わかったよ。」
「それとさ…。」
「何?」
「これからは下の名前で呼び合わない…?私達…。」
「は?何で?」
「嫌なの…?」
「別にどっちでもいいよ。」
「それじゃあこれからよろしくね…伊織くん…。」
次回 第十三話 …光ならすぐ気づけると思うよ。
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