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第二章 俺は好きかどうかわからないって答えたからそういう意味ではあるんじゃないの。
第九話 お前が初めてだよ。俺と一緒にとか言ったの。
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「はい…ごめんなさい…。」
「気をつけますから…許してください…。」
2人の言葉に伊織は黙って勉強を続けていた。
2人は静かに各々の席に座る。
そこで光が教室に戻ってきて伊織の隣の席に行く。
「…も…戻りました…。」
「見たら分かるけど。」
「ごめん…なさい…。」
「お前さ、」
「は…はい…!」
その頃、先程の2人の女子生徒は伊織には分からないようにスマホのメッセージでやり取りしていた。
『あの子、黒田くんと同じ学校の制服着てる…黒田くんって私立だよね?』
『凄く可愛いけど、黒田くんが塾に誘ったのかな…?』
『今までそんなことなかったのにね…』
『でも、私達みたいに黒田くんに怯えてそうだよ…』
「意味もなく謝ってばかりいると、殺すよ?」
「キリキリキリキリキリキリキリ」
伊織が筆記用具のカッターを取り出して刃を伸ばす。
「ガタンッ!」
伊織が立ち上がる。
「いや…!!いやです…!!やめでぐだざい…!!お願いでず…!!」
光は泣きながら懇願し目を瞑る。
『え!?殺すってやばくない!?』
『うちらそこまで言われたことないよね!?それにカッター出してる!!』
「待っで…!!待っでぐだざい…!!ぞじだらおじえでぐだざい…!!わだじどうずればいいんでずが…!?」
『女の子ガチで泣いてる…!ヤバすぎでしょ…!』
『謝っただけで悪いことしてないのに…怖すぎるでしょ…!』
「は?そんなの好きにすればいいだろ?」
光は伊織の性格を知らなかった上に恐怖とパニックも重なって伊織の言っている事の意味が分からなかった。
「………どういう…こと…?」
「俺はお前に言うこと聞けって言ったけど別にそれ以外は何をしようがお前の勝手だろ。お前の人生なんだからお前が決めてお前が行動するんだよ。」
「………でも…黒田くん…私のこと殺すって…。」
「生きる意味のない人生を生きてるなんて死んだやつらに失礼だろ。だからお前がそんなことするぐらいなら俺はお前を殺すんだよ。お前が今たった1人こうして生きてこれてる背景には多くの人間が死んでんの。そんなの歴史の勉強しなくたって想像つくだろ。」
「………。」
「それでお前、生きたいんだろ?生きたいんだったら死に際までに後悔しないように生きろよ。生きてるお前の時間で生きてるお前の世界についてお前はどれだけの事を知ることができるんだ?それは生きてるこの瞬間にしか知ることができねーんだよ。好奇心を失うな。」
「キリキリキリキリキリ」
伊織がカッターナイフの刃をしまう。
「…ごめんなさい…。」
「だから何で謝…」
「私、黒田くんにもっと色々な事な教えてもらいたい…。」
光は震えながらも涙で赤くなった目は真っ直ぐ伊織に向けられた。
「………。」
「私が今謝ったのは…自分の今までの生き方を反省したいと思ったから。私…黒田くんと一緒なら…自分が変われる気がするの。」
「お前…俺と一緒にとか、本気で言ってるの?」
「うん…本気だよ…。」
「…嘘だったら…」
「殺すよ…でしょ…?」
「………。」
伊織は自分の言おうとした言葉を光に先取りされて言葉を失う。
「私は黒田くんに殺されないように…自分の人生を後悔がないように生きる…。だから…黒田くんは私が道を間違えそうになったら…その…」
「約束したからな。」
「…え…?」
「お前が道を踏み外しそうになったらお前を殺せばいいんだろ?」
「そ…!それはちょっと…!あの…!違う…!」
「違うの?」
「殺そうとする前に…私にまた教えて…。」
「………わかった。それにしても…」
伊織は参考書に目を向ける。
「お前が初めてだよ。俺と一緒にとか言ったの。」
伊織は小声で呟く。
「え…?今…なんて言ったの…?」
「いや、参考書に書いてあることを音読しただけ。」
次回 第十話 彼女にとっての先生の授業が勿体なくありませんか?
「気をつけますから…許してください…。」
2人の言葉に伊織は黙って勉強を続けていた。
2人は静かに各々の席に座る。
そこで光が教室に戻ってきて伊織の隣の席に行く。
「…も…戻りました…。」
「見たら分かるけど。」
「ごめん…なさい…。」
「お前さ、」
「は…はい…!」
その頃、先程の2人の女子生徒は伊織には分からないようにスマホのメッセージでやり取りしていた。
『あの子、黒田くんと同じ学校の制服着てる…黒田くんって私立だよね?』
『凄く可愛いけど、黒田くんが塾に誘ったのかな…?』
『今までそんなことなかったのにね…』
『でも、私達みたいに黒田くんに怯えてそうだよ…』
「意味もなく謝ってばかりいると、殺すよ?」
「キリキリキリキリキリキリキリ」
伊織が筆記用具のカッターを取り出して刃を伸ばす。
「ガタンッ!」
伊織が立ち上がる。
「いや…!!いやです…!!やめでぐだざい…!!お願いでず…!!」
光は泣きながら懇願し目を瞑る。
『え!?殺すってやばくない!?』
『うちらそこまで言われたことないよね!?それにカッター出してる!!』
「待っで…!!待っでぐだざい…!!ぞじだらおじえでぐだざい…!!わだじどうずればいいんでずが…!?」
『女の子ガチで泣いてる…!ヤバすぎでしょ…!』
『謝っただけで悪いことしてないのに…怖すぎるでしょ…!』
「は?そんなの好きにすればいいだろ?」
光は伊織の性格を知らなかった上に恐怖とパニックも重なって伊織の言っている事の意味が分からなかった。
「………どういう…こと…?」
「俺はお前に言うこと聞けって言ったけど別にそれ以外は何をしようがお前の勝手だろ。お前の人生なんだからお前が決めてお前が行動するんだよ。」
「………でも…黒田くん…私のこと殺すって…。」
「生きる意味のない人生を生きてるなんて死んだやつらに失礼だろ。だからお前がそんなことするぐらいなら俺はお前を殺すんだよ。お前が今たった1人こうして生きてこれてる背景には多くの人間が死んでんの。そんなの歴史の勉強しなくたって想像つくだろ。」
「………。」
「それでお前、生きたいんだろ?生きたいんだったら死に際までに後悔しないように生きろよ。生きてるお前の時間で生きてるお前の世界についてお前はどれだけの事を知ることができるんだ?それは生きてるこの瞬間にしか知ることができねーんだよ。好奇心を失うな。」
「キリキリキリキリキリ」
伊織がカッターナイフの刃をしまう。
「…ごめんなさい…。」
「だから何で謝…」
「私、黒田くんにもっと色々な事な教えてもらいたい…。」
光は震えながらも涙で赤くなった目は真っ直ぐ伊織に向けられた。
「………。」
「私が今謝ったのは…自分の今までの生き方を反省したいと思ったから。私…黒田くんと一緒なら…自分が変われる気がするの。」
「お前…俺と一緒にとか、本気で言ってるの?」
「うん…本気だよ…。」
「…嘘だったら…」
「殺すよ…でしょ…?」
「………。」
伊織は自分の言おうとした言葉を光に先取りされて言葉を失う。
「私は黒田くんに殺されないように…自分の人生を後悔がないように生きる…。だから…黒田くんは私が道を間違えそうになったら…その…」
「約束したからな。」
「…え…?」
「お前が道を踏み外しそうになったらお前を殺せばいいんだろ?」
「そ…!それはちょっと…!あの…!違う…!」
「違うの?」
「殺そうとする前に…私にまた教えて…。」
「………わかった。それにしても…」
伊織は参考書に目を向ける。
「お前が初めてだよ。俺と一緒にとか言ったの。」
伊織は小声で呟く。
「え…?今…なんて言ったの…?」
「いや、参考書に書いてあることを音読しただけ。」
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