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第二章 …アキ…本当に…好きになっても…いいの…?
第十二話 …私は…アキの…大親友だから…
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「お前なんのつもりだ!」
「べっつにぃ~?でも、1年3組の男子達と連絡先交換しちゃった~。中尾君に~、山縣君とかぁ~?」
「そんな…どうして…」
「でもぉ~、アキ君と離れてくれるなら~、あたしもこれからは大人しくしといてあ~げる~。」
「アキ…どうしよう…。」
「直巳、言っただろ。お前を巻き込む事になるって。」
「…え…?」
「こいつは松崎由美加で俺の事をしつこく追い回してくる奴だ。」
「………そっか…この人がアキの事をずっと苦しめていたんだね…。」
直巳が松崎の方にゆっくり向かっていく。
「おい!直巳!」
「なになに~?ちょっとどうしたの~?」
「…私は…アキの…大親友だから…あなたに…な…なんて言われても…私は…アキの…アキの側を…離れ…な…」
直巳の声は震えていた。
「直巳!」
アキが直巳のもとに駆けつけて直巳の肩をおさえる。
「はぁ…はぁ…」
「無理すんなよ!ほら!こんなやつ放っておいて行くぞ!こいつに脅されても俺がどうにかすりゃいいだけだろ!」
「…ごめんね…アキ…。」
そう言って2人は松崎を置いてその場を後にする。
「ちょっと!あんた本当にどうなっても知らないから!」
……………
「はぁ…はぁ…」
直巳が胸に手を当てている。
「おい!大丈夫か!?」
「うん…大丈夫…。」
直巳はフラフラしながら歩く。
「全然大丈夫じゃねーな。鞄貸せよ。」
そう言ってアキが直巳の鞄を受け取る。
そしてその直後の事だった。
「…?」
直巳は意識が朦朧としていたからか足が宙に浮いたような気がした。
そして視界にはアキの制服の胸元、そして右肩から背中にかけてと膝下に人の腕が添えられた感触、そして左肩にはアキの胸元が当たる感触がした。
直巳はそのまま目を瞑ってしまった。
アキはそのまま真っ直ぐ直巳の家へと向かっていった。
そしてアキは直巳の家について指でインターフォンを鳴らす。
『「はーい?」』
「桑原です。昨日家に来た直巳の大親友の。」
『「あー!アキ君ね!なおちゃんはどうしたの?」』
「ちょっと体調が悪くなって寝込んでしまったみたいなので俺が今抱えてます。」
『「え!わかったわ!今行くわね!」』
そうして直巳の母が玄関から出迎えてくれた。
「なおちゃん!大丈夫!?」
「………ママ…?」
「とりあえず俺が部屋まで運びます。」
「アキ君…わざわざどうもありがとう…!」
そうしてアキは直巳を抱えて玄関に行き、直巳の母に直巳の靴を脱がせてもらって直巳を部屋まで連れて行き、ベッドに横たえる。
「今飲み物持ってくるわね。」
「ありがとうございます。」
直巳の母は一度部屋を後にする。
「………アキ…?」
「直巳。悪かった。全部俺のせいだ。」
「…アキは…アキは悪くないよ…。何も悪くないよ…。」
そして部屋に直巳の母がお茶の入ったコップを持って入ってくる。
「はい。これお茶ね。アキ君、今日はなおちゃんを連れてきてくれてありがとうね。」
「いえ、直巳がこうなったのは俺が原因なんです。」
「ママ違うよ…」
「大丈夫よ2人とも。アキ君、なおちゃんは生まれつき体が丈夫じゃなくて、こうやって体を壊してしまう事がよくあるの。だからずっと1人だったなおちゃんにあなたみたいな友達ができて本当によかったのよ。だから私はアキ君を信じたなおちゃんも、アキ君の事も信じてるわ。」
「………ママ…。」
「だから今日は、アキ君がなおちゃんの…側にいてあげてくれないかしら?」
「…もちろんです。お母さん、直巳が元気になるまで俺がずっと側にいます。」
次回 第十三話 助けてくれて…ありがとう。
「べっつにぃ~?でも、1年3組の男子達と連絡先交換しちゃった~。中尾君に~、山縣君とかぁ~?」
「そんな…どうして…」
「でもぉ~、アキ君と離れてくれるなら~、あたしもこれからは大人しくしといてあ~げる~。」
「アキ…どうしよう…。」
「直巳、言っただろ。お前を巻き込む事になるって。」
「…え…?」
「こいつは松崎由美加で俺の事をしつこく追い回してくる奴だ。」
「………そっか…この人がアキの事をずっと苦しめていたんだね…。」
直巳が松崎の方にゆっくり向かっていく。
「おい!直巳!」
「なになに~?ちょっとどうしたの~?」
「…私は…アキの…大親友だから…あなたに…な…なんて言われても…私は…アキの…アキの側を…離れ…な…」
直巳の声は震えていた。
「直巳!」
アキが直巳のもとに駆けつけて直巳の肩をおさえる。
「はぁ…はぁ…」
「無理すんなよ!ほら!こんなやつ放っておいて行くぞ!こいつに脅されても俺がどうにかすりゃいいだけだろ!」
「…ごめんね…アキ…。」
そう言って2人は松崎を置いてその場を後にする。
「ちょっと!あんた本当にどうなっても知らないから!」
……………
「はぁ…はぁ…」
直巳が胸に手を当てている。
「おい!大丈夫か!?」
「うん…大丈夫…。」
直巳はフラフラしながら歩く。
「全然大丈夫じゃねーな。鞄貸せよ。」
そう言ってアキが直巳の鞄を受け取る。
そしてその直後の事だった。
「…?」
直巳は意識が朦朧としていたからか足が宙に浮いたような気がした。
そして視界にはアキの制服の胸元、そして右肩から背中にかけてと膝下に人の腕が添えられた感触、そして左肩にはアキの胸元が当たる感触がした。
直巳はそのまま目を瞑ってしまった。
アキはそのまま真っ直ぐ直巳の家へと向かっていった。
そしてアキは直巳の家について指でインターフォンを鳴らす。
『「はーい?」』
「桑原です。昨日家に来た直巳の大親友の。」
『「あー!アキ君ね!なおちゃんはどうしたの?」』
「ちょっと体調が悪くなって寝込んでしまったみたいなので俺が今抱えてます。」
『「え!わかったわ!今行くわね!」』
そうして直巳の母が玄関から出迎えてくれた。
「なおちゃん!大丈夫!?」
「………ママ…?」
「とりあえず俺が部屋まで運びます。」
「アキ君…わざわざどうもありがとう…!」
そうしてアキは直巳を抱えて玄関に行き、直巳の母に直巳の靴を脱がせてもらって直巳を部屋まで連れて行き、ベッドに横たえる。
「今飲み物持ってくるわね。」
「ありがとうございます。」
直巳の母は一度部屋を後にする。
「………アキ…?」
「直巳。悪かった。全部俺のせいだ。」
「…アキは…アキは悪くないよ…。何も悪くないよ…。」
そして部屋に直巳の母がお茶の入ったコップを持って入ってくる。
「はい。これお茶ね。アキ君、今日はなおちゃんを連れてきてくれてありがとうね。」
「いえ、直巳がこうなったのは俺が原因なんです。」
「ママ違うよ…」
「大丈夫よ2人とも。アキ君、なおちゃんは生まれつき体が丈夫じゃなくて、こうやって体を壊してしまう事がよくあるの。だからずっと1人だったなおちゃんにあなたみたいな友達ができて本当によかったのよ。だから私はアキ君を信じたなおちゃんも、アキ君の事も信じてるわ。」
「………ママ…。」
「だから今日は、アキ君がなおちゃんの…側にいてあげてくれないかしら?」
「…もちろんです。お母さん、直巳が元気になるまで俺がずっと側にいます。」
次回 第十三話 助けてくれて…ありがとう。
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