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第一章 南ヶ丘区のマドンナ
第二話 自分のことは私って言うのが一番礼儀正しいと思うので…。
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「…え…2組の生徒が…どうしてここに…。」
「お前のクラスの方から怒鳴り声が聞こえて行ってみたら噂のお前が絡まれてるのを見つけたんだよ。」
「う…噂って…?」
「は?お前入学初日から自分が学年中で話題になってるの気づいてなかったの?」
「…全然…知らないです…。…っていうかどうして…私の事が話題になってるんですか…?」
「お前自分のこと『私』って言うの?」
「それはだってその…自分のことは私って言うのが一番礼儀正しいと思うので…。」
「真面目のつもりで言ってただけかよ…。っつうかお前廊下の方見てみろよ。」
アキの言うように直巳が廊下の方に目をやると廊下には多くの男子生徒が集まっており、その視線は直巳とアキに集中している。
「これは…一体何が起きてるんですか…?」
「皆お前の事見に来たに決まってるだろ。」
「そんな…どうして…」
「お前が可愛いからだろ。」
「そ…そんな…なんで…知らないですよ…!それにそんなことなら…共学の学校に行けば良かったじゃないですか…!そうすれば普通に女の子も沢山いるじゃないですか…!」
「まぁお前の言うことも最もだと思うけどお前普通の可愛い女子に負けず劣らず可愛いから思いの外人気者になったんだろ。」
「そんな…それじゃあ私…なんのために…」
直巳が泣き崩れてしまう。
「お、おい。大丈夫か?」
「私は…普通に学校生活を送りたいだけなのに…。」
「………わーった!わーったから!俺がどうにかしてやるから!そんな顔すんな!」
「…桑原さんが…?」
「アキでいいよ。」
「でも…そしたらあなたに迷惑かけてしまいます…。」
「気にすんなよ。新学期から目の前で困ってるやつがいてそんな悲しい顔されて黙ってられっかよ。ほら、立てるか?」
「………はい…ありがとございます。」
アキが差し伸べた手に直巳が伸ばして立ち上がる。
「今日はもう帰ろうぜ?お前んとこの担任もやられて寝込んじまってるみてーだし、野次馬はたむろしてるし、こんなところにいてもしょうがねーだろ?」
「でも…勝手に学校抜け出して大丈夫かな…。」
「お前本当に真面目なんだな…。なんでこの学校入ったんだ…?」
「私…女子から嫌われやすい傾向があるから男子校に入って…それで髪を切るのが面倒くさいから規律の厳しくない学校に入って、後は大学入試は自分で頑張ればいいかなって思ったからここにしたの。家からも近いし。」
「お前その髪…何の手入れもしてないんだ…。」
「トリートメントとかお風呂上がりのドライヤーとか、あとダメージを抑えるオイルとか最低限の事しかしてないよ。」
「ちゃんと女子じゃねーか!」
「そんなつもりないよ!私は自分の体を最低限大切にしてるだけだもん!男とか女とか関係ないもん!」
「お前…」
「あ…ご…ごめんなさい…つい…」
「怒ってる顔とか仕草も可愛いな…。」
「…どういうこと…?」
直巳が首を傾げる。
「天然なのか…?」
「自然は大切にするべきだと思うよ。」
「天然だな…。とりあえず帰るぞ。」
アキが直巳の腕を取る。
「え…あ…うん…でも…」
「ああ、野次馬の事なら心配するな。お前の荷物これだけか?行くぞ。」
「あ…ちょっと…!」
アキが片手で自分の鞄と直巳の鞄を持ち、もう片方の手で直巳の腕を引く。
アキが教室を出ようとすると野次馬はいっせいに道を開けてスムーズに廊下まで出ることが出来た。
次回 第三話 勉強してないと、それこそ生きてて飽きないの?
「お前のクラスの方から怒鳴り声が聞こえて行ってみたら噂のお前が絡まれてるのを見つけたんだよ。」
「う…噂って…?」
「は?お前入学初日から自分が学年中で話題になってるの気づいてなかったの?」
「…全然…知らないです…。…っていうかどうして…私の事が話題になってるんですか…?」
「お前自分のこと『私』って言うの?」
「それはだってその…自分のことは私って言うのが一番礼儀正しいと思うので…。」
「真面目のつもりで言ってただけかよ…。っつうかお前廊下の方見てみろよ。」
アキの言うように直巳が廊下の方に目をやると廊下には多くの男子生徒が集まっており、その視線は直巳とアキに集中している。
「これは…一体何が起きてるんですか…?」
「皆お前の事見に来たに決まってるだろ。」
「そんな…どうして…」
「お前が可愛いからだろ。」
「そ…そんな…なんで…知らないですよ…!それにそんなことなら…共学の学校に行けば良かったじゃないですか…!そうすれば普通に女の子も沢山いるじゃないですか…!」
「まぁお前の言うことも最もだと思うけどお前普通の可愛い女子に負けず劣らず可愛いから思いの外人気者になったんだろ。」
「そんな…それじゃあ私…なんのために…」
直巳が泣き崩れてしまう。
「お、おい。大丈夫か?」
「私は…普通に学校生活を送りたいだけなのに…。」
「………わーった!わーったから!俺がどうにかしてやるから!そんな顔すんな!」
「…桑原さんが…?」
「アキでいいよ。」
「でも…そしたらあなたに迷惑かけてしまいます…。」
「気にすんなよ。新学期から目の前で困ってるやつがいてそんな悲しい顔されて黙ってられっかよ。ほら、立てるか?」
「………はい…ありがとございます。」
アキが差し伸べた手に直巳が伸ばして立ち上がる。
「今日はもう帰ろうぜ?お前んとこの担任もやられて寝込んじまってるみてーだし、野次馬はたむろしてるし、こんなところにいてもしょうがねーだろ?」
「でも…勝手に学校抜け出して大丈夫かな…。」
「お前本当に真面目なんだな…。なんでこの学校入ったんだ…?」
「私…女子から嫌われやすい傾向があるから男子校に入って…それで髪を切るのが面倒くさいから規律の厳しくない学校に入って、後は大学入試は自分で頑張ればいいかなって思ったからここにしたの。家からも近いし。」
「お前その髪…何の手入れもしてないんだ…。」
「トリートメントとかお風呂上がりのドライヤーとか、あとダメージを抑えるオイルとか最低限の事しかしてないよ。」
「ちゃんと女子じゃねーか!」
「そんなつもりないよ!私は自分の体を最低限大切にしてるだけだもん!男とか女とか関係ないもん!」
「お前…」
「あ…ご…ごめんなさい…つい…」
「怒ってる顔とか仕草も可愛いな…。」
「…どういうこと…?」
直巳が首を傾げる。
「天然なのか…?」
「自然は大切にするべきだと思うよ。」
「天然だな…。とりあえず帰るぞ。」
アキが直巳の腕を取る。
「え…あ…うん…でも…」
「ああ、野次馬の事なら心配するな。お前の荷物これだけか?行くぞ。」
「あ…ちょっと…!」
アキが片手で自分の鞄と直巳の鞄を持ち、もう片方の手で直巳の腕を引く。
アキが教室を出ようとすると野次馬はいっせいに道を開けてスムーズに廊下まで出ることが出来た。
次回 第三話 勉強してないと、それこそ生きてて飽きないの?
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