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閑話 桃 始めて笑う
2 ※林視点
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久しぶりに帰ってきた家は、床は掃除はされているけど、なんとなく空気がよどんでいて、あちこちと窓を開けて回る。寒いけど、仕方ない。
今日は日曜だが、母さんは出かけたままのようだ。
俺がエアコンだけ点けて、軽く家の掃除を始めていると、玄関ドアがガチャッと回った。
「…………、おかえり」
「……ただいま、亮兵」
帰ってきたのは、スーツケースを引きずった親父で、お互いぎこちなく挨拶だけした。
この前ケンカ別れしたまま特に会話もなかったけど、今朝、俺が親父を呼び出したのだ。
俺が進路相談をしたときみたいに、今日も親父はする予定だったなにかを打ち切って、家に帰ってきているんだと思う。俺のために。
いつも通り、一旦自室に引っ込む親父の疲れたような背広の背中を見送って、俺は一通りの掃除を終えると、コーヒーを淹れる準備を始めた。
俺と親父が無言で向かい合ったのは、居間にあるソファとテーブルだった。
テーブルの上には、さっき俺が淹れたコーヒーがゆるゆるといい匂いの湯気を立てている。
俺とコーヒーの入ったマグカップを何度か視線で往復していた親父は、一口マグに口を付けてから、ようやく決心がついたように俺にまっすぐ視線を向けた。
「……体調、もう大丈夫なのか?」
「……ん。友達の家でお世話になったおかげで良くなった」
「……すまなかったな。……今まで……辛い時はどうしていたんだ」
そう聞かれて、頭の中がカッと赤くなるくらいには血が上ったけど、我慢してフーっと大きく深呼吸をした。3回。
ガッコから家に帰る途中、もしくは帰ってから近くのコンビニに行って、悪化した時に使うものを揃えた記憶。
症状が軽ければ、市販薬を買いにいき、悪化してしまったら一人で病院にも行った記憶。
熱が下がらなくて、水分も尽きてしまって、ほとんど這いずるようにして台所にいって水を飲んだ記憶。
一番つらかったのは、最初の頃だったと思う。
それまでは、具合が悪い時は、必ず両親のどっちかがちゃんと傍に居てくれた。
それが普段どころか、体調が悪い時にも誰もいなくなって。
小学生の体じゃ、大量に荷物を買っていっぺんに運ぶなんて芸当は出来なくて、少しずつ買っては運び買っては運びを体調の悪い体でした。
薬を用意しておくとか、ポカリを先に作っておくとか、寝込む準備をしておく、なんて最初は思いつかなかったから、一回寝込めば水しか飲めないみたいな状態で、熱で喉も体も辛くて、どうしていいかわからなくて、でもだれにも頼れなくて。泣きながら布団を引きずって歩いて、台所で力尽きたこともある。
それを淡々と、ポツポツと思い浮かぶままにゆっくり話した。
段々、親父の顔が俯いていくのは分かってたけど、あえて話した。
今までの親父がやってきた逃げがどういうものだったのか、向き合って欲しかったから。
「……でも、それはもういいんだ。 もうちょっとで俺も成年になるし、金さえ出して貰えるなら、俺は一人で何でもやっていく自信はある。今までだってずっと一人でやってこれたし。……ただ」
そこで、改めて俺は親父の姿を見た。
聞いていられないような辛そうな顔で、それでも耳を塞ぎはせずにちゃんと全部聞いてくれた親父を。
「……ちょっと、そのまま待ってて」
突然、席を立った俺を見上げる親父を尻目に、俺は親父の部屋に勝手に入った。
基本的にヒトがいないこの部屋は、生活感がずっとないままで、今はかろうじて、さっき親父が持ってきたスーツケースや仕事に使うだろう持ち物なんかが置いてある。
部屋の中を見回せば、それはひっそりと部屋の隅、仕事用っぽいデスクの上に、布をかけて置いてあった。
ずっしり重いソレと付属品を抱えて、急いで居間へと戻る。
真ん中のテーブルにドン、と置かれたソレと俺をチラと見て、親父が二度見したのに思わず笑った。
「……これ、一局付き合ってよ」
前回、親父と一局指した時と真逆で、今日は親父が穴熊になっている。
たぶん、さっきの俺の話を、自分の中でかみ砕く時間が欲しいんだと思う。
そういう時、俺も将棋を指すとしたらそうなるだろうから。
この前、俺が穴熊で籠っていた時は、親父は「と金攻め」という、歩を一歩ずつ進めて崩していくような手を指していた。
今日の俺は、「端攻め」という弱い所を切り崩すような手を使って指している。
パチン、パチ、と静かな部屋に駒を指す音が小さく響く。
「…………今世話になってる友達の親御さんから、父さん宛で連絡いってたはずなんだけど。……なんで母さんには連絡しなかったんだ?」
パチン。
俺が指した駒を見て、少しあごに手を当てた親父は俺が進めた歩を取った。
「…………仕事で忙しいだろうと……、いや、これは言い訳だな。……連絡したくなかったからだ。お前の事は伝える気ではいたが、話して揉めるのが嫌だった。……もしかして、母さんからも向こうに?」
「……うん。おかげで二回も向こうの親御さんに同じ説明させることになって……。別にいいって笑ってくれたけど、迷惑かけっぱなしですごく申し訳なかった」
パチン。
無言の親父の桂馬を取って、さらに歩を動かしやすくする。
「……まあ、それは今度、俺と一緒に謝りに行ってもらえばいいと思うけど。 ……俺はさ、父さん。もういい加減、ちゃんと母さんと話し合って、こんなただの箱に他人が雑居するみたいな感じじゃなくて、キッパリ他人になればいいと思う。 いつもみたいに逃げるだけで放置するんじゃなく、母さんとちゃんと話し合ってよ」
パチ、と駒を置こうとした親父の手を捕まえて、目を見る。
昔は遥か見上げるような差があったのに、もう今はほとんど対等に顔を見られる。
掴んでいる俺の手も、昔の小さなやわらかい物じゃなく、しっかり筋張って固い男の手だ。
……親父が放置している間に、俺はちゃんと一人で大きくなったんだよ。
口には出さずにそのまま顔を見ていれば、辛そうな親父の視線と目が合った。
「……そう、だな……。そうだな。……ああ、ちゃんと話をするよ」
俺から見る限り、普通の家族だった頃は親父はこんなに弱くなかった。
何もかもから逃げるように避けるようにし始めたのは、たぶん爺さんが死んでからで、その時に何があったのかは俺は全く何もわからない。
教えても貰えないうちに、家族がバラバラになってしまったから。
「……あと、俺の進学の話だけど……。今お世話になってる友達の絵の先生に会う機会があって、学芸員がいいんじゃないかって勧められてる。……俺、将棋もだけど、絵を見るのも結構好きなんだ。それを描いた人の背景を知ったり、筆跡で癖を知ったりするのもすごく楽しい。 だから、金を出してくれるなら、大学はそっちに進みたい」
続けてそう伝えると、親父は俺の顔をまっすぐに見て、二度瞬きをした。
そして、引き結んでいた口を解くと、決意したかのようにハッキリ俺を見て頷いた。
「……ああ。 亮兵が自分で考えて、やりたい事があるなら俺は反対しない。私学でも大丈夫なくらいの金は用意してある。 …………本当に、俺達がなにも出来ないでいるうちに、お前は大人になったな……」
掴んだ俺の手をしみじみとなぞるようにして親父の指が触れて、そのまま大事そうに手の内に包んだ。
そして、両手でしっかりと握られて、親父が俺に頭を下げた。
「すまなかった。 許してくれとは言わないし、いう気もない。ただ、お前が自分だけでこれだけちゃんと育ったのは嬉しい。……大人に、なったな」
「……うん。俺一人で、じゃないけどね。友達のおかげだよ。こんな俺でも受け入れてくれて、笑いかけてくれて、辛い時は励ましたり、家に迎え入れたりしてくれた。 俺が好きな人は今お世話になってる子だけど、その子だけじゃなくて。今、俺の周りを囲んでくれてる友達は、ホントにみんないい奴なんだ。 ……たぶん、こんな友達もう一度作ろうとしたって、無理だと思うくらいに」
俺が、みんなの顔を一つずつ思い出しながら笑うと、親父がまっすぐ俺を見ながら、微かに微笑んだ。
「そうか。 ……お前が今、一人ぼっちじゃなくて、良かった」
「……うん」
俺も、笑う。
そのまま将棋盤を真ん中に、俺達はゆっくり静かに冷めきった珈琲を飲みながら話をした。
親父の仕事のこと、今までの事、俺の今までの話、高校の話、好きな絵や好きな人の話。
思いつくまま全部伝えて、そのまま親父とモモの家に謝りに行ったりもした。
そして結局今の俺は、下宿としてモモの家にお世話になっている。
すっかり馴染んだモモの家の客間から、カバン片手に急いで部屋を出ると、玄関先で夏服の白い半袖シャツ姿のモモが、時計を横目に俺を呼んでくれていた。
外はもうすっかり七月の猛暑で、朝一なのに玄関から入ってくる熱気がむわりと暑い。
「ハヤシくん、そろそろ行くよー。近くてもそろそろ遅刻になっちゃう」
「ああ、まずいな、行こう。 ……じゃあ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい。 スバルもあんまり慌てすぎないでね、行ってらっしゃい」
「わかってるってば! いってきます! ……ハヤシくん、急いで!走って!」
ピョンピョン跳ねるように玄関から出ていくモモの忘れたクロッキー帳を慌てて拾いながら、俺は笑ってその頼りがいのある小さい背中を追いかけた。
今日は日曜だが、母さんは出かけたままのようだ。
俺がエアコンだけ点けて、軽く家の掃除を始めていると、玄関ドアがガチャッと回った。
「…………、おかえり」
「……ただいま、亮兵」
帰ってきたのは、スーツケースを引きずった親父で、お互いぎこちなく挨拶だけした。
この前ケンカ別れしたまま特に会話もなかったけど、今朝、俺が親父を呼び出したのだ。
俺が進路相談をしたときみたいに、今日も親父はする予定だったなにかを打ち切って、家に帰ってきているんだと思う。俺のために。
いつも通り、一旦自室に引っ込む親父の疲れたような背広の背中を見送って、俺は一通りの掃除を終えると、コーヒーを淹れる準備を始めた。
俺と親父が無言で向かい合ったのは、居間にあるソファとテーブルだった。
テーブルの上には、さっき俺が淹れたコーヒーがゆるゆるといい匂いの湯気を立てている。
俺とコーヒーの入ったマグカップを何度か視線で往復していた親父は、一口マグに口を付けてから、ようやく決心がついたように俺にまっすぐ視線を向けた。
「……体調、もう大丈夫なのか?」
「……ん。友達の家でお世話になったおかげで良くなった」
「……すまなかったな。……今まで……辛い時はどうしていたんだ」
そう聞かれて、頭の中がカッと赤くなるくらいには血が上ったけど、我慢してフーっと大きく深呼吸をした。3回。
ガッコから家に帰る途中、もしくは帰ってから近くのコンビニに行って、悪化した時に使うものを揃えた記憶。
症状が軽ければ、市販薬を買いにいき、悪化してしまったら一人で病院にも行った記憶。
熱が下がらなくて、水分も尽きてしまって、ほとんど這いずるようにして台所にいって水を飲んだ記憶。
一番つらかったのは、最初の頃だったと思う。
それまでは、具合が悪い時は、必ず両親のどっちかがちゃんと傍に居てくれた。
それが普段どころか、体調が悪い時にも誰もいなくなって。
小学生の体じゃ、大量に荷物を買っていっぺんに運ぶなんて芸当は出来なくて、少しずつ買っては運び買っては運びを体調の悪い体でした。
薬を用意しておくとか、ポカリを先に作っておくとか、寝込む準備をしておく、なんて最初は思いつかなかったから、一回寝込めば水しか飲めないみたいな状態で、熱で喉も体も辛くて、どうしていいかわからなくて、でもだれにも頼れなくて。泣きながら布団を引きずって歩いて、台所で力尽きたこともある。
それを淡々と、ポツポツと思い浮かぶままにゆっくり話した。
段々、親父の顔が俯いていくのは分かってたけど、あえて話した。
今までの親父がやってきた逃げがどういうものだったのか、向き合って欲しかったから。
「……でも、それはもういいんだ。 もうちょっとで俺も成年になるし、金さえ出して貰えるなら、俺は一人で何でもやっていく自信はある。今までだってずっと一人でやってこれたし。……ただ」
そこで、改めて俺は親父の姿を見た。
聞いていられないような辛そうな顔で、それでも耳を塞ぎはせずにちゃんと全部聞いてくれた親父を。
「……ちょっと、そのまま待ってて」
突然、席を立った俺を見上げる親父を尻目に、俺は親父の部屋に勝手に入った。
基本的にヒトがいないこの部屋は、生活感がずっとないままで、今はかろうじて、さっき親父が持ってきたスーツケースや仕事に使うだろう持ち物なんかが置いてある。
部屋の中を見回せば、それはひっそりと部屋の隅、仕事用っぽいデスクの上に、布をかけて置いてあった。
ずっしり重いソレと付属品を抱えて、急いで居間へと戻る。
真ん中のテーブルにドン、と置かれたソレと俺をチラと見て、親父が二度見したのに思わず笑った。
「……これ、一局付き合ってよ」
前回、親父と一局指した時と真逆で、今日は親父が穴熊になっている。
たぶん、さっきの俺の話を、自分の中でかみ砕く時間が欲しいんだと思う。
そういう時、俺も将棋を指すとしたらそうなるだろうから。
この前、俺が穴熊で籠っていた時は、親父は「と金攻め」という、歩を一歩ずつ進めて崩していくような手を指していた。
今日の俺は、「端攻め」という弱い所を切り崩すような手を使って指している。
パチン、パチ、と静かな部屋に駒を指す音が小さく響く。
「…………今世話になってる友達の親御さんから、父さん宛で連絡いってたはずなんだけど。……なんで母さんには連絡しなかったんだ?」
パチン。
俺が指した駒を見て、少しあごに手を当てた親父は俺が進めた歩を取った。
「…………仕事で忙しいだろうと……、いや、これは言い訳だな。……連絡したくなかったからだ。お前の事は伝える気ではいたが、話して揉めるのが嫌だった。……もしかして、母さんからも向こうに?」
「……うん。おかげで二回も向こうの親御さんに同じ説明させることになって……。別にいいって笑ってくれたけど、迷惑かけっぱなしですごく申し訳なかった」
パチン。
無言の親父の桂馬を取って、さらに歩を動かしやすくする。
「……まあ、それは今度、俺と一緒に謝りに行ってもらえばいいと思うけど。 ……俺はさ、父さん。もういい加減、ちゃんと母さんと話し合って、こんなただの箱に他人が雑居するみたいな感じじゃなくて、キッパリ他人になればいいと思う。 いつもみたいに逃げるだけで放置するんじゃなく、母さんとちゃんと話し合ってよ」
パチ、と駒を置こうとした親父の手を捕まえて、目を見る。
昔は遥か見上げるような差があったのに、もう今はほとんど対等に顔を見られる。
掴んでいる俺の手も、昔の小さなやわらかい物じゃなく、しっかり筋張って固い男の手だ。
……親父が放置している間に、俺はちゃんと一人で大きくなったんだよ。
口には出さずにそのまま顔を見ていれば、辛そうな親父の視線と目が合った。
「……そう、だな……。そうだな。……ああ、ちゃんと話をするよ」
俺から見る限り、普通の家族だった頃は親父はこんなに弱くなかった。
何もかもから逃げるように避けるようにし始めたのは、たぶん爺さんが死んでからで、その時に何があったのかは俺は全く何もわからない。
教えても貰えないうちに、家族がバラバラになってしまったから。
「……あと、俺の進学の話だけど……。今お世話になってる友達の絵の先生に会う機会があって、学芸員がいいんじゃないかって勧められてる。……俺、将棋もだけど、絵を見るのも結構好きなんだ。それを描いた人の背景を知ったり、筆跡で癖を知ったりするのもすごく楽しい。 だから、金を出してくれるなら、大学はそっちに進みたい」
続けてそう伝えると、親父は俺の顔をまっすぐに見て、二度瞬きをした。
そして、引き結んでいた口を解くと、決意したかのようにハッキリ俺を見て頷いた。
「……ああ。 亮兵が自分で考えて、やりたい事があるなら俺は反対しない。私学でも大丈夫なくらいの金は用意してある。 …………本当に、俺達がなにも出来ないでいるうちに、お前は大人になったな……」
掴んだ俺の手をしみじみとなぞるようにして親父の指が触れて、そのまま大事そうに手の内に包んだ。
そして、両手でしっかりと握られて、親父が俺に頭を下げた。
「すまなかった。 許してくれとは言わないし、いう気もない。ただ、お前が自分だけでこれだけちゃんと育ったのは嬉しい。……大人に、なったな」
「……うん。俺一人で、じゃないけどね。友達のおかげだよ。こんな俺でも受け入れてくれて、笑いかけてくれて、辛い時は励ましたり、家に迎え入れたりしてくれた。 俺が好きな人は今お世話になってる子だけど、その子だけじゃなくて。今、俺の周りを囲んでくれてる友達は、ホントにみんないい奴なんだ。 ……たぶん、こんな友達もう一度作ろうとしたって、無理だと思うくらいに」
俺が、みんなの顔を一つずつ思い出しながら笑うと、親父がまっすぐ俺を見ながら、微かに微笑んだ。
「そうか。 ……お前が今、一人ぼっちじゃなくて、良かった」
「……うん」
俺も、笑う。
そのまま将棋盤を真ん中に、俺達はゆっくり静かに冷めきった珈琲を飲みながら話をした。
親父の仕事のこと、今までの事、俺の今までの話、高校の話、好きな絵や好きな人の話。
思いつくまま全部伝えて、そのまま親父とモモの家に謝りに行ったりもした。
そして結局今の俺は、下宿としてモモの家にお世話になっている。
すっかり馴染んだモモの家の客間から、カバン片手に急いで部屋を出ると、玄関先で夏服の白い半袖シャツ姿のモモが、時計を横目に俺を呼んでくれていた。
外はもうすっかり七月の猛暑で、朝一なのに玄関から入ってくる熱気がむわりと暑い。
「ハヤシくん、そろそろ行くよー。近くてもそろそろ遅刻になっちゃう」
「ああ、まずいな、行こう。 ……じゃあ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい。 スバルもあんまり慌てすぎないでね、行ってらっしゃい」
「わかってるってば! いってきます! ……ハヤシくん、急いで!走って!」
ピョンピョン跳ねるように玄関から出ていくモモの忘れたクロッキー帳を慌てて拾いながら、俺は笑ってその頼りがいのある小さい背中を追いかけた。
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