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しおりを挟むあれから数年──
スクールカウンセラーとしてこの村に赴任し、早半年。未だに、過去の事件を掘り返し、ある事ない事言ってくる人は確かにいる。
事件があった事実は、消えない。もう、僕の一部になってしまったような気さえする。それを人生の足枷だと言う人もいるけど、僕は全然そうは思わない。
だって……黒川光が、僕を明るい未来へと導いてくれたんだから。
「……ただいま」
そう話し掛けると、黄緑色の淡い光がひとつ。ゆらゆらと光を揺らしながら僕の方へと近付き、優しく顔を照らす。
「おかえり」
声のする方へと振り向けば、あの日と全く変わらない姿の白川光音……いや、黒川光が、白地の甚平姿で僕に優しく微笑む。
あの綺麗に澄んだ、薄灰色の瞳で。
[end]
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