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第三章 パパ
83.
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「なにあれぇ。……あんなのがホストとか、笑っちゃう!」
湿気と排気ガスの混ざりあった空気の残る、夜の繁華街。夜が深まるにつれ、自然界の流れに逆行するかの如く、煌びやかになる街のネオン。
その中を、駅方向へと向かって大山と歩く。
「私に恥をかかせた上に、壊した空気をそのままにするなんて。
ねぇ……川口さんもそう思うでしょ?」
「……」
どう、反応したらいいんだろう。
今までの対応とは違い、剥き出しの嫌悪を直接ぶつけられて戸惑う。
この姿が本当の大山さんなんだろうか。それとも、私に対してだけ……?
無反応を貫く私に呆れたのか。大山が天を仰ぎ、星の見えない夜空に向かって深い溜め息をつく。
「……ていうか。安藤先輩がいながらホストに入れ込む川口さんも、どうかしてると思うけどね……」
「……」
否定も肯定も出来ず、スッと離れていく大山の背中を見送る。
プルルル……
突然鳴り響く着信音。バックから携帯を取り出して見れば、画面に映し出されたのは──『安藤先輩』。
地面が、揺れる。
グラグラする。
携帯を持つ手をぶらんと下げ、ヤケに明るい街の灯りをぼんやりと眺めた。
湿気と排気ガスの混ざりあった空気の残る、夜の繁華街。夜が深まるにつれ、自然界の流れに逆行するかの如く、煌びやかになる街のネオン。
その中を、駅方向へと向かって大山と歩く。
「私に恥をかかせた上に、壊した空気をそのままにするなんて。
ねぇ……川口さんもそう思うでしょ?」
「……」
どう、反応したらいいんだろう。
今までの対応とは違い、剥き出しの嫌悪を直接ぶつけられて戸惑う。
この姿が本当の大山さんなんだろうか。それとも、私に対してだけ……?
無反応を貫く私に呆れたのか。大山が天を仰ぎ、星の見えない夜空に向かって深い溜め息をつく。
「……ていうか。安藤先輩がいながらホストに入れ込む川口さんも、どうかしてると思うけどね……」
「……」
否定も肯定も出来ず、スッと離れていく大山の背中を見送る。
プルルル……
突然鳴り響く着信音。バックから携帯を取り出して見れば、画面に映し出されたのは──『安藤先輩』。
地面が、揺れる。
グラグラする。
携帯を持つ手をぶらんと下げ、ヤケに明るい街の灯りをぼんやりと眺めた。
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