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菊地編
152.
しおりを挟むそう思いながらも、何処か諦めの気持ちがじわりと心の奥底まで滲み、染み渡っていく。
ぢゅっ、と強く吸い上げながら、舌先で裏筋、カリ、鈴口……と丁寧に刺激を与え──そうしてまた根本へとスライドさせ喉奥へと導くと、肉茎全体を舌で包み込んで愛撫する。
クチュッ、チュクッ、
………はぁー、ハァ、ハァ、
卑猥な水音に混じり、頭上から漏れる……男の熱い息遣い。
立ち込める湯気も手伝って、息が苦しくて……眩暈がする───
既に顎も疲れて……外れてしまいそうに痛い。
一時間程前──
ベッドに仰向けにされた僕は、上から押さえつけられフェラチオを強要された。……いや、イラマチオ……か……
いきなり咥内に、男の反り立った黒々しい凶器を突っ込まれ……喉奥を何度も突かれ……
息ができず嗚咽で苦しむ僕を上から眺め、菊地はニヤニヤと口元を歪ませていた。
喉奥に精液を吐き出された後、飲み込む間もなく再開された抽挿。
イッたにも関わらず、その太さや硬さは変わらなくて……
溺れたように顔を紅潮させ苦しむ僕に、性的興奮を覚えたのか──すぐにビクビクとナカで震え、余裕のない呻きを上げる。
激しい律動の末、達する直前に咥内から引き抜かれ……
──僕の顔面に、射精……
左目の下辺り──頬と鼻の間の窪みに溜まった白濁液を、菊地の指が絡め、そのまま僕の口の中に流し込む。
「……」
放心状態になった僕を、休ませる事無く両足をひっ摑んで軽々と持ち上げる。肉のないそれが空中でXを描くと、再び硬度を取り戻した菊地の怒張が、その太腿の僅かな隙間に埋め込まれた。
本番行為は、無かった。
僕が、本命の若葉じゃなかったからか。
──それとも、男同士のやり方を知らない……とか……?
「………今、何考えた」
髪を鷲掴まれ、強引に持ち上げられる。
瞳を菊地に向ければ、凄んだ双眸がそこにあった。
強引に引き抜かれる。
目の前にそびえ立つソレが、別の生き物のようにドクドクと脈打って息づいている。
「……」
「答えろ」
既に三度目のフェラチオに、感覚がおかしくなっている顎を下から掴み上げられる。
そのまま乱暴に突き飛ばされ、ひ弱な僕は容易く後ろにひっくり返った。
「……」
「答えづれぇ事、考えてたんだよな……」
倒れた僕を、菊地が上から押さえつける。まるでものを扱うかのように乱暴に僕の膝を押し広げ、何の準備もしてないソコに突っ込む。
「───っっ!!」
既に切れて腫れているソコ。
容赦なく襲う激しいピストン。
激しい痛みと苦しさで………声なんて、出ない……
「あんまり俺をバカにすんなよ。
男の犯し方なんてぇのは、ネンショー入ってりゃあ誰でも覚えんだよッ……!」
心臓を抉る、ドスの利いた声。
菊地の左手が伸び、首輪の上から僕の首を絞める。
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