シンクロ -アゲハ舞い飛ぶ さくら舞い散る5-

真田晃

文字の大きさ
上 下
96 / 272
ハイジ編

96.

しおりを挟む




その言葉通り、……優しかった。

遠慮がちに触れる手が、柔肌の上を滑る度に劣情を灯し、冷えて震える僕の心を温かく包み込んで優しく掬い上げてくれる。

それは、初めて身体を重ねた時のよう。大事に、大切に僕を扱ってくれる。
でも……あの時みたいに、独りだけぽつんと暗闇の中に浮いてるみたいだなんて、思わない。



「………ッ、」
「痛ぇか……?」

ハイジを見つめたまま、小さく頭を横に振る。
宛がわれた怒張がゆっくりと挿入し、全て入った所で動きが止まる。

「痛かったら、ちゃんと言えよ」

無理させてるって、思ってるんだろう。

……でも、僕は平気だよ。
ハイジが僕で感じてくれるなら……嬉しい、から……

「……」

答える代わりに、恥ずかしいけど自ら腰を動かしてみせる。
と、それにあてられたのか。ハイジのモノがナカで張り詰め、硬度を増していく。

しっとりとした瞳を向ければ、ハイジが間近に顔を寄せ、色気のある瞳を返す。


「……さくら……愛してる」


形の良いハイジの唇が、僕の上唇と下唇を交互に甘く食む。一度柔く離れ、お互いの熱い吐息が混じれば……再び唇が重なり、キスが深くなっていく。


クチュ……

絡まる舌。
熱くて、熱くて……蕩けてしまいそう。

ハイジの手が僕の脇腹を撫で上げ、胸の尖りを見つけると、指の腹でソコを弄ぶ。


……愛してる……


ストレートな言葉に、ゾクゾクと心が震え、胸が柔らかく締め付けられる。

その度に、脈を打つようにナカが締まり、ハイジのモノを形作る。


「……はぁ、……ヤベ。いま、……イきそうになった」
「いい、よ……」
「良くねぇよ。……まだ、さくらと繋がっていてぇ」


ハイジがゆっくりと腰を揺らす。


……あぁ……

やだ……離れちゃ……


切なくなって、恥肉がキュウッと締まり、引き止める。
熱い息を吐きながら、ハイジの背中に回した手にギュッと力を籠める。


「……ッ、……さくら、のナカ」


苦しそうに、少し掠れた声。
その声だけで……甘く痺れてしまいそう……


「凄ぇ熱くて……、トロトロしてて……ヤベぇ」


吐息混じりに溢れる声に、鼓膜を擽られた後……耳裏の下を食まれる。


「ここも、凄ぇ甘っとろい匂いがするし……堪んねぇよ……」
「……ん」
「ガマン、できねぇ」


ズン、と最奥を突かれる。


「……っ! ……ぁ、ん″……」


力が抜けるような、甘ったるい僕の小さな声。

入り口は既に切れて、痛いのに……ナカが、熱くうねって……


「………感じて、ンだな」


……僕、……感じ、て………?


わかんない……

……でも、なんかヘン……


今までとは違う感じがする。



「……ぁあ″、」


ねっとりとした舌が這われ、ゾクッと身体が粟立つ。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

短編集

田原摩耶
BL
地雷ない人向け

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

処理中です...