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21.
しおりを挟むピチャッ、くちゅ……
……じゅる、じゅるじゅるっ……
「……っあ、ぁあ″……ん」
強く吸われ、歯を軽く立てられ、唾液が濡れ広がり……刺激で熱くなった小さな粒が、硬い芯を作って屹立する。
もっと触れて欲しいと身体が劣情で疼き、抑えようとする声が漏れてしまう。僕の意思など、関係なしに。
「……そんなに、気持ちいんだ?」
執拗に舐め回したソコを、名残惜しむように離れる舌先。
重ねられた手とは反対の手が、口元を覆う僕の手を掴んでそっと退かす。
「ならさ。二人でもっと、気持ち良いコトしようか」
「……!」
劣情を孕んだ眼が、僅かに瞼を持ち上げた僕の顔を下から窺う。
「……」
やだ……
そう言いたいのに、言えない。
身体の奥底から沸き上がる欲望が、それを許すまいと脳を支配していく。
「……このままだと、苦しいだけだよ?」
掴んでいた僕の手首をベッドに縫い付け、樫井が上体を起こす。
僕を見下げる、甘く蕩けたような瞳。重ねられていた手が外れ、細い首筋を撫で上げながら耳下の窪みに指先が差し込まれる。
「──、ッ!」
クイッと、顎先に引っ掛けられた親指で、顔の角度を変えられる。──と、途端に大きく見開かれる、樫井の眼。
……え……
一変する、樫井を纏う空気。切羽詰まった表情。
僕を凝視するその双眸が、獣のようにギラギラと光る。
ギシ……
その雰囲気のまま衝動的に迫り──剥き出された僕の首筋に、顔を埋めて食らい付く。
「……ゃあ、ぁああ″ぁ、……ん!」
ゾクゾクゾクッ……
そこを甘噛みされ、全身が粟立つ。快感の波が肌の上を波紋のように広がり、小刻みに震えてしまう。
……はぁ、はぁ、はぁ……
甘く痺れる脳内。
たったそれだけなのに、全身から力が抜け落ちていく。
甘噛みされたそこを、今度はぢゅっと強く吸われる。
……だめ……
首筋から耳下までを、執拗なまでに唇で愛撫される。
快楽に犯され、溺れてしまいそうな身体。それでも──入らない力を振り絞り、僕の首元に掛かる樫井の手首をきゅっと掴む。
それに気付いた樫井が顔を上げ、僕の顔を間近に捕らえると、切羽詰まった眼のまま愛おしそうに見つめる。
「……好きだ、アゲハ」
……え……
その刹那──樫井の唇から溢れた名前に、心が凍り付く。
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