これは、バームクーヘンエンドか Rain-拗らせた恋の行く末は…- スピンオフ

真田晃

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「……」

テーブルに置かれた写真。
樹と真奈美の、幸せそうな笑顔。
東生が、コーラに刺さったストローを指で弄んだ後、引き抜く。

「あん時さ、樹にも協力させて、愛咲とお前をくっつけようとしたんだよ。……ガキだよな、俺も」

軽く溜め息をつきながら、濡れたストローの先を口に含むと、テーブルに投げ捨てる。


「──お前、好きだったろ。樹の事」

は……
……な、んだよ……

頭を少し上げ、ツバの先──東生を睨みつける。

何でも解ったようなフリして……
それでよく、僕に愛咲を押し付けてきたな。
幾らフラれたからって。愛咲が好きだからって。
……そこまでするかよ、普通。

あー、クソ。
やっぱりコイツ、……すっげえ嫌い。


「昔、お前らをホモって言った事、覚えてるか?
あん時お前『キショい』とかって叫んだじゃん。
……でも、あんな全力で否定されたら、逆に肯定してるようなもんだろ」
「……!」
「まぁ、樹は……そうは思わなかったみてぇだけどな」


──え。

それって。
僕のせいだって事……?


「……まーでも。
どっちにしろ、俺が発端だった訳だし。
今更、取り返しつかねぇけど。………少しぐれぇ、わび入れさせてくれ」

そう言った後東生が背筋を伸ばし、店の入り口──僕の背後へと視線を向ける。




「……愛月」

背後から聞こえる、懐かしい声。
その瞬間──愛おしさが込み上げ、胸がキュッと柔らかく締め付けられる。

「よぉ、樹。……まぁ、ここ座れよ」

東生が席を立ち、樹に譲る。
「ちょっとトイレ」と東生が離れ、それと入れ違いに樹が座る。

小さな空間に、樹と二人。
遊園地のベンチで過ごした日から、約半年──
もう春だというのに。樹の羽織ったパーカーから、あの晩秋の匂いがした。

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