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しおりを挟む横峯の言葉が脳裏を過った──時だった。
「葵ちゃんが入ってきた時からムラムラして、大きくなっちまったぜ」
「……!」
ニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべ、僕の手首を掴んで強く引っ張る。
その反動で蹌踉け、軽々と男の胸元に倒れてしまった。
「あぁ堪んねぇ……堪らなくいい匂いだ。
早くコイツをぶち込んで、葵ちゃんをアンアン啼かせたいぜ」
男の汚い手が、僕の尻を鷲掴む。
そこから腰のラインを堪能するように荒々しく撫で回した。
「……ゃあっ、」
……嫌なのに。
体は素直に反応してしまい……
情欲が、内側から沸き立って……
おかしい。
おかしい……
嫌だ……早く、逃げなきゃ……
スラックスの隙間から、尾てい骨に沿って差し込まれる指。
その指が、割れ目に沿って下へとなぞられる。
ビクン、と震え背を弓形に反らし、熱い息を吐けば、男がじゅるり……と舌舐めずりをした。
「……随分と、アソコが濡れてるじゃねぇか」
その指先が秘部を捉えると、溢れる淫汁を絡め取り、ぐちゅぐちゅと水音を立てる。
その度に、体が火照り……呼吸が乱れて……
……欲しい、とナカが疼く。
「……や、ゃだ……」
「へへ……可愛いな。
待ってろよ……痛くねぇように今、解してやるからな」
「……あぁ、ん……っ、!」
恥肉を割り開くように、指先がグッと押し込まれる。
濡れそぼつそこが、嫌な筈の男の指を咥え込み、美味しそうに貪った。
──その時。
「葵……!」
勢い良く開かれるドア。
ぼんやりと見える、人影。
………ゆ、う……?
何だかホッとして……
瞼が閉じ、全身が弛緩する。
息はまだ上がったまま……
ゆっくりと、薄れゆく意識を手放した。
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