結蜾-ゆら-めく夏

真田晃

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榊様

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「結螺……」

ゆっくりと半分程引き抜かれた後、再び最奥へズンッ、と突き上げられる。
胃にまで伝わる強い衝撃に、体がブルッと震えた。


「──っ!!」

……いたい…っ……、


指だけで感じていた快感がサァッと引き、内臓を串刺しにされそうな恐怖がじりじりと襲う。

あ…あ…あ…

すっかり肝が縮こまり、雄の部分が情けなく萎え下がる。


「……ゆら……」

榊様の口から、甘くて熱い吐息が漏れる。
僕の様子を察した榊様の手が、萎えた肉茎を包んで握り締め……刺激を与える様に強く扱き上げる。

「……!……っぁ、…だ、ダメ……!」
「ダメ、じゃないだろう?」

快感が強引に連れ戻されると、キツく咥え込んだモノを堪能するように、肉壁がヒクヒクと痙攣する。

「こんなに感じておいて……」
「……ぁっ、……あ、ぁん、っ」

入り口まで引き戻され、直ぐにまた差し込まれる。


……じゅぷ、じゅぶっ……!

ぱん、ぱん、ぱんっ、


厭らしい水音と共に、腰を打ち付ける卑猥な音がやけに耳につく。


「……ああ、…っ、!…さ、か……きぃ…、さ……あぁ、……ぁんっ!」


顔を床に伏せ、漏れてしまう声を必死に抑えようと敷布をギュッと握り締める。

「……結螺!」

律動に合わせ、榊様の口から熱い息が漏れる。

「いくぞっ…!」
「……あぁああっ…!」

一気に突き上げられ、最奥でドクドクと脈動する剛直。
吐き出された淫液がごぽごぽと溢れ、内腿につぅ、と厭らしく垂れ流れる。

と同時に、ぴゅるっ、と自身の先端から白濁液が飛び散り、榊様の手や襦袢、布団に至るまで汚してしまった………




遊男は感じてはならない。
イッてもいけない。
全ては演技。客を喜ばせての遊男。

……なのに僕は、榊様の前で淫らに感じ、毎回イッてしまう……


「……申し訳、ありません……」
「何を今更。気にするな」

腰砕けになった僕の傍らに、榊様が寄り添う。
夜風が舞い込み、汗ばんだ体から僅かに残った熱情を奪っていく。

「いえ、遊男の恥です」
「恥で結構」
「……ふふ」
「何だ?」

榊様は変わったお方ですね……

そう言おうとして口を噤む。


そんな僕の横髪に触れ、愛でるように撫でた榊様が、柔く瞳を閉じて唇を寄せた。

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