夫婦とは長い会話である

中田翔子

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高尾山に登る

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女「なんか蕎麦屋多くない?」
男「有名なんかな」
女「あ! troro蕎麦美味しそう」
男「とろろの発音ええな」
女「troro?」
男「とろろ」
女「troro so-ba」
男「言うてる間に麓まで来たね」
女「リフトで行けるで」
男「ほんまやな。乗ろか」

女「緑がすごいね」
男「やっぱりええね緑は」
女「なんか娘にみどりって名前つける人の気持ちがわかるわ」
男「でもさ」
女「うん」
男「みどりちゃんが赤ちゃんの時って」
女「うん」
男「何ちゃん?」
女「みどりちゃんやろ」
男「でも赤ちゃんやで」
女「じゃあ赤みどりちゃん」
男「クリスマス感あるな」
女「あ、もう着くみたいよ」

男「山頂も案外すぐやったね」
女「電球ソーダやって!」
男「うわかわいい。買お」
女「これ飲みきったら部屋飾ろうよ」
男「お、ええな」
女「でもどんな風に使おう」
男「そやなあ」
女「吊るしたら電球みたいになるかな」
男「いやそれもう電球やん。電球でええやん」

男「帰りの方が景色綺麗やねリフト」
女「拓けてるね」
男「まだ持ってたんお皿」
女「ゴミは持って帰らなあかんやろ」
男「お皿落とさんときや」
女「あなたが落としたのは、この金の皿ですか。それとも銀のさらですか」
男「寿司持ってんな神様」
女「どちらですか」
男「じゃあ銀のさらで」
女「あなたが落としたのは紙皿ですね」
男「ばれたこー」
女「たこてんー」
男「勝手に揚げんといて」
女「降りたら温泉入ろ」
男「お、ええね」
女「茹でたこー」

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