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4.レオくんが噛んできた理由
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ミサの机の周りにはクラスメイトが集まっていた。
「からあげくんかわいい~」
「ミックス犬かな?」
「生後4ヶ月って感じだね」
「肉球の色も良くて健康体!」
さすがペット専門学校の生徒。
からあげを見て口々に感想を言っている。
6、7人のクラスメイトに囲まれて、からあげは少し緊張気味。
肉球を見られたり、抱っこされたりして嬉しそうでもある。
「からあげ、喋ったらみんなびっくりしちゃうから、ワン!だけにしてね」
朝の散歩中にミサと約束したことをしっかり守っている。
「・・・ワン!」
「こんなにかわいいのに捨てられてたなんてひどいね」
クラスメイトのひとり、リサが言う。
そうか、今まで考えていなかったけどからあげは前の飼い主がいたんだ。
まだ小さいのに母犬とも離ればなれ。
でも寂しさも見せずにミサを守って勇気づけてくれている。
もっと甘えてきてもいいのに・・・
◇
ペットを連れてきた生徒は、実習で自分のペットを相手にして良いことになっている。
ミサはレオくんの次にからあげをマッサージする予定だ。
昨日は噛まれてしまったから緊張する・・・
でも緊張感を犬が感じてしまうといけないので、ミサはできるだけ平常心を保とうとしていた。
マッサージ実習用の広めの机にレオくんとからあげが座っている。
からあげとレオくんは初対面。
会ったらすぐにお互いの匂いを嗅いでいた。
クンクンクン・・・合格、というようにからあげはうなずく。
小声で「レオくんはミサに敵意はないようだワン」と教えてくれた。
じゃあ、どうしていつも噛むんだろう・・・
ジョンくんはくすぐったくて嫌だったみたいで、
強めにマッサージしたら心を許してくれた。
レオくんはどうして・・・
できるだけ優しく、慎重に声をかけた。
「レオくん、こんにちは~、マッサージしていくね」
背中を撫でた。
「ゥウウウ!ワン!」腕を噛もうとしてくるレオくん。
すると、からあげがミサとレオくんの間に立って噛まないようにしてくれた。
「ミサ、レオくん、腕が痛いって言ってるワン」小声でいうからあげ。
腕が痛い?
レオくんをなだめながら、腕を見てみる。
しば犬の綺麗な毛並み。
と、腕の裏を見ると小さな棘が刺さっていた。
◇
ペットの救急講習も受けていたミサは、すぐに対応できた。
そして・・・
ミサの机の上には一直線に伸びている犬が2匹。
しば犬のレオくんは、もっとマッサージして!と言わんばかりに背中を上にして横になっている。
からあげは、気持ちよさそうに寝ている。
本当はレオくんのマッサージの時間は終わったのだが、
もっとやって!と机から離れないので時間延長した。
左手でレオくん。右手でからあげ。
マッサージで大忙しだ。
「あら、レオくん気持ちよさそうね。
前までは噛まれていたのに。ミサさんすごいわね」
生徒のマッサージの様子を見回っている藤岡先生が声をかけてくれた。
「そうだ!ミサさん。
今度のペットフェスティバルでフリスビー競技、でてみない?」
ペットフェスティバル。ミサの住む地域のイベントだ。
保護犬の譲渡会やドッグダンスなどがあるお祭り。
いつもミサの学校から代表を選んで参加しているのだ。
フリスビーは飼い主が投げたフリスビーを犬がキャッチする競技。
飼い主との信頼関係が大事になってくるので、上位になると就職に有利になるという噂もある。
「ここ最近のミサさんの頑張り、すごいわ。
ぜひ、挑戦してみて」
「いいんですか!?」
ミサの返事はもちろんイエス。
からあげと出会うまでは想像もできなかった。
大好きな犬に噛まれて引っかかれる毎日だったのに、大好きな犬とフリスビー競技に選ばれるなんて。
からあげとなら、どんな試練もチャンスに変えられる。そう思った。
「からあげくんかわいい~」
「ミックス犬かな?」
「生後4ヶ月って感じだね」
「肉球の色も良くて健康体!」
さすがペット専門学校の生徒。
からあげを見て口々に感想を言っている。
6、7人のクラスメイトに囲まれて、からあげは少し緊張気味。
肉球を見られたり、抱っこされたりして嬉しそうでもある。
「からあげ、喋ったらみんなびっくりしちゃうから、ワン!だけにしてね」
朝の散歩中にミサと約束したことをしっかり守っている。
「・・・ワン!」
「こんなにかわいいのに捨てられてたなんてひどいね」
クラスメイトのひとり、リサが言う。
そうか、今まで考えていなかったけどからあげは前の飼い主がいたんだ。
まだ小さいのに母犬とも離ればなれ。
でも寂しさも見せずにミサを守って勇気づけてくれている。
もっと甘えてきてもいいのに・・・
◇
ペットを連れてきた生徒は、実習で自分のペットを相手にして良いことになっている。
ミサはレオくんの次にからあげをマッサージする予定だ。
昨日は噛まれてしまったから緊張する・・・
でも緊張感を犬が感じてしまうといけないので、ミサはできるだけ平常心を保とうとしていた。
マッサージ実習用の広めの机にレオくんとからあげが座っている。
からあげとレオくんは初対面。
会ったらすぐにお互いの匂いを嗅いでいた。
クンクンクン・・・合格、というようにからあげはうなずく。
小声で「レオくんはミサに敵意はないようだワン」と教えてくれた。
じゃあ、どうしていつも噛むんだろう・・・
ジョンくんはくすぐったくて嫌だったみたいで、
強めにマッサージしたら心を許してくれた。
レオくんはどうして・・・
できるだけ優しく、慎重に声をかけた。
「レオくん、こんにちは~、マッサージしていくね」
背中を撫でた。
「ゥウウウ!ワン!」腕を噛もうとしてくるレオくん。
すると、からあげがミサとレオくんの間に立って噛まないようにしてくれた。
「ミサ、レオくん、腕が痛いって言ってるワン」小声でいうからあげ。
腕が痛い?
レオくんをなだめながら、腕を見てみる。
しば犬の綺麗な毛並み。
と、腕の裏を見ると小さな棘が刺さっていた。
◇
ペットの救急講習も受けていたミサは、すぐに対応できた。
そして・・・
ミサの机の上には一直線に伸びている犬が2匹。
しば犬のレオくんは、もっとマッサージして!と言わんばかりに背中を上にして横になっている。
からあげは、気持ちよさそうに寝ている。
本当はレオくんのマッサージの時間は終わったのだが、
もっとやって!と机から離れないので時間延長した。
左手でレオくん。右手でからあげ。
マッサージで大忙しだ。
「あら、レオくん気持ちよさそうね。
前までは噛まれていたのに。ミサさんすごいわね」
生徒のマッサージの様子を見回っている藤岡先生が声をかけてくれた。
「そうだ!ミサさん。
今度のペットフェスティバルでフリスビー競技、でてみない?」
ペットフェスティバル。ミサの住む地域のイベントだ。
保護犬の譲渡会やドッグダンスなどがあるお祭り。
いつもミサの学校から代表を選んで参加しているのだ。
フリスビーは飼い主が投げたフリスビーを犬がキャッチする競技。
飼い主との信頼関係が大事になってくるので、上位になると就職に有利になるという噂もある。
「ここ最近のミサさんの頑張り、すごいわ。
ぜひ、挑戦してみて」
「いいんですか!?」
ミサの返事はもちろんイエス。
からあげと出会うまでは想像もできなかった。
大好きな犬に噛まれて引っかかれる毎日だったのに、大好きな犬とフリスビー競技に選ばれるなんて。
からあげとなら、どんな試練もチャンスに変えられる。そう思った。
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