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2章 村での生活
96話 何処かで見たことのある光景……
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タンジーが、OKしてくれればだが──
「……ほんとはお兄さんと行きたいけど……分かった……」
「ありがとな」
《ありがとうございます!》
「ぐぉぅ!」
思わずタンジーの頭を撫でてしまったが、嫌がってはいないみたいでよかった……
というか、森熊──いや、とりあえずくま君と呼ぼう。
くま君は俺達の話を全部理解できてるみたいなんだよな……
なにかに操られていただけの森熊じゃなかったのか、それともセージ君の何らかの力のおかげなのか……気になるところだな。
「あ、でもくまさんはそのまま行ったらほかのぼうけんしゃさんにやられちゃうから──」
タンジーはそう言うと、自らが付けていた首飾りを外して、くま君の首に取り付けた。
その様子を、サラさんが恐ろしいものを見る目で見ているけどな……
「いい? くまさん! これはかすだけなんだから、あとでかならずかえしてね!」
「ぐぉー!!」
「うん! いいこいいこ!」
そう言ってくま君の頭を撫でるタンジーは、もはやペットを愛でる心境なのかもな。
というか……このシーン、かなり昔にどこかのゲームで見たことがあるような気がするなぁ……
確か、主人公親子が滞在していた村から自分達の村へ帰るという時、その村で一緒に行動していた女の子が主人公に──
「しばらく会えないと思うからこれをあげる! ◯◯につけてあげるね!」
と言って自分のリボンを片方外して、村に滞在中に仲間になった魔物につけてあげるという……
その後主人公は奴隷にされ、仲間になった魔物とはぐれてしまうが、大人になって魔物と再会する。
しかし、数年の時が魔物を野生化させてしまっていた。
主人公のこともわからず襲いかかって来たが、奴隷になっても無くしていなかった女の子のリボンのお陰で再び仲間になるという──
タンジーがつけてあげたのは首飾りだし、俺達は遠くに帰る訳でもないから関係はないが……
とても似てる様に感じるんだよな。
《では急ぎましょう。まずは近くに潜んでいると思われる森熊からですね》
おっと、今は余計なことを考えてる場合じゃなかったな。
気を引き締めないとだな。
《どうやらくまさんは相手の場所が分かるそうなので、先導してもらいましょう》
「了解! よろしく頼むな、くま君!」
「ぐおぅっ!」
なんと言ってるのかは分からないが、腕を突き上げた姿を見るに「おー!」といった感じだろうか。
「……ほんとはお兄さんと行きたいけど……分かった……」
「ありがとな」
《ありがとうございます!》
「ぐぉぅ!」
思わずタンジーの頭を撫でてしまったが、嫌がってはいないみたいでよかった……
というか、森熊──いや、とりあえずくま君と呼ぼう。
くま君は俺達の話を全部理解できてるみたいなんだよな……
なにかに操られていただけの森熊じゃなかったのか、それともセージ君の何らかの力のおかげなのか……気になるところだな。
「あ、でもくまさんはそのまま行ったらほかのぼうけんしゃさんにやられちゃうから──」
タンジーはそう言うと、自らが付けていた首飾りを外して、くま君の首に取り付けた。
その様子を、サラさんが恐ろしいものを見る目で見ているけどな……
「いい? くまさん! これはかすだけなんだから、あとでかならずかえしてね!」
「ぐぉー!!」
「うん! いいこいいこ!」
そう言ってくま君の頭を撫でるタンジーは、もはやペットを愛でる心境なのかもな。
というか……このシーン、かなり昔にどこかのゲームで見たことがあるような気がするなぁ……
確か、主人公親子が滞在していた村から自分達の村へ帰るという時、その村で一緒に行動していた女の子が主人公に──
「しばらく会えないと思うからこれをあげる! ◯◯につけてあげるね!」
と言って自分のリボンを片方外して、村に滞在中に仲間になった魔物につけてあげるという……
その後主人公は奴隷にされ、仲間になった魔物とはぐれてしまうが、大人になって魔物と再会する。
しかし、数年の時が魔物を野生化させてしまっていた。
主人公のこともわからず襲いかかって来たが、奴隷になっても無くしていなかった女の子のリボンのお陰で再び仲間になるという──
タンジーがつけてあげたのは首飾りだし、俺達は遠くに帰る訳でもないから関係はないが……
とても似てる様に感じるんだよな。
《では急ぎましょう。まずは近くに潜んでいると思われる森熊からですね》
おっと、今は余計なことを考えてる場合じゃなかったな。
気を引き締めないとだな。
《どうやらくまさんは相手の場所が分かるそうなので、先導してもらいましょう》
「了解! よろしく頼むな、くま君!」
「ぐおぅっ!」
なんと言ってるのかは分からないが、腕を突き上げた姿を見るに「おー!」といった感じだろうか。
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