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2章 村での生活
68話 ブレンはキレイ好き?
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タンジーがお婆さんから貰ってきた大量のお菓子をストレージにしまった俺は、一括指定した素材を作業台の上に取り出した……が──
《リョウさん、これは出し過ぎでは?》
「お兄さん、作ったものはどこにおくの?」
作業台が素材で一杯になってしまった……
「ま、まあ……この辺りに隙間を作って、作ったのを置いていけばなんとか……」
「《……》」
そんな無言でジト目されてもなぁ……
面倒だからと場所も考えずに一括で出した俺が悪いのは確かだが、複数個作るには素材をストレージから出しておかなければならないし……
効率を考えるとこれでいいと思うんだがな。
「とりあえず作ってみるよ。作ればその分場所は空くはずだからさ」
《……リョウさんの部屋もこんな感じなのでしょうか……》
「これじゃあおばあさんとかわらないね……」
おおう……完全スルーですか……
さり気に俺をディスるのは止めて欲しいが、この散らかりようじゃ仕方ないか。
この際、気にしないでさっさと始めよう。
そうすれば、この状態の方がいいことは分かって貰える……はず。
まずは先程と同じ素材を選択して作れるだけ作ってみよう。
少しは性能が良いものが出来ればありがたいが、果たしてどうなるかな──
『森蔦の乾燥した蔦一 森狼の牙一 MPを五
上記を消費して首飾りを作成しました』
──同じ動作を四回繰り返した所で牙の在庫が無くなったのか、獣系統素材の欄が空白になった。
作業台の上も、素材が八個減って作った首飾りが四個になったので少し空間ができている……気がする。
いつの間にかタンジーの肩に移ったブレンは、タンジーと一緒に俺が作った首飾りをじっと見ている。
……というか、ちょくちょくこちらに視線を向けてるようにも見えるが……?
「お兄さん! すごいよ!! こんなすぐに四こも作っちゃうなんて!」
《確かに場所は空きましたが、もう少し整理整頓というものを──》
タンジーは純粋に驚いてるが……ブレンは小声(?)でぶつぶつと文句を言ってるな……
どうやら、ブレンは片付けが行き届いた部屋での作業を好むようだが……
もしかして、聞こえてないと思ってるのだろうか?
《ブレン?》
《これだから男の人は──》
《おーい、ブレン!!》
《はっ!? ……コホン、何か呼びましたか?》
いやいや、今更取り繕っても仕方ないだろうに。
《俺に対して愚痴があるのは仕方がないんだが──》
《い、いえ!? そんなことは全然全く──》
俺への愚痴の事を言った途端に首をブンブンと左右に振りながら否定するブレン……
やっぱり、念話のつもりはなかったのか。
だとすると、この件はあまりしつこく聞かない方が良さそうだな。
《リョウさん、これは出し過ぎでは?》
「お兄さん、作ったものはどこにおくの?」
作業台が素材で一杯になってしまった……
「ま、まあ……この辺りに隙間を作って、作ったのを置いていけばなんとか……」
「《……》」
そんな無言でジト目されてもなぁ……
面倒だからと場所も考えずに一括で出した俺が悪いのは確かだが、複数個作るには素材をストレージから出しておかなければならないし……
効率を考えるとこれでいいと思うんだがな。
「とりあえず作ってみるよ。作ればその分場所は空くはずだからさ」
《……リョウさんの部屋もこんな感じなのでしょうか……》
「これじゃあおばあさんとかわらないね……」
おおう……完全スルーですか……
さり気に俺をディスるのは止めて欲しいが、この散らかりようじゃ仕方ないか。
この際、気にしないでさっさと始めよう。
そうすれば、この状態の方がいいことは分かって貰える……はず。
まずは先程と同じ素材を選択して作れるだけ作ってみよう。
少しは性能が良いものが出来ればありがたいが、果たしてどうなるかな──
『森蔦の乾燥した蔦一 森狼の牙一 MPを五
上記を消費して首飾りを作成しました』
──同じ動作を四回繰り返した所で牙の在庫が無くなったのか、獣系統素材の欄が空白になった。
作業台の上も、素材が八個減って作った首飾りが四個になったので少し空間ができている……気がする。
いつの間にかタンジーの肩に移ったブレンは、タンジーと一緒に俺が作った首飾りをじっと見ている。
……というか、ちょくちょくこちらに視線を向けてるようにも見えるが……?
「お兄さん! すごいよ!! こんなすぐに四こも作っちゃうなんて!」
《確かに場所は空きましたが、もう少し整理整頓というものを──》
タンジーは純粋に驚いてるが……ブレンは小声(?)でぶつぶつと文句を言ってるな……
どうやら、ブレンは片付けが行き届いた部屋での作業を好むようだが……
もしかして、聞こえてないと思ってるのだろうか?
《ブレン?》
《これだから男の人は──》
《おーい、ブレン!!》
《はっ!? ……コホン、何か呼びましたか?》
いやいや、今更取り繕っても仕方ないだろうに。
《俺に対して愚痴があるのは仕方がないんだが──》
《い、いえ!? そんなことは全然全く──》
俺への愚痴の事を言った途端に首をブンブンと左右に振りながら否定するブレン……
やっぱり、念話のつもりはなかったのか。
だとすると、この件はあまりしつこく聞かない方が良さそうだな。
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