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2章 村での生活
64話 予想と違って、難しい錬金術
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俺の呆けた様子にブレンはぴゅーーと、かなり大きいため息をついた。
《リョウさん、確かに私はイメージが大事だと言いました。ですが、それは素材が間違っていなければの話です》
「えっと……今まで色々作ってきたけど、わりと適当な素材の組み合わせでなんとかなってきたよな?」
《ええ》
「じゃあ、なんで今回は必ず失敗だと?」
《それは、いまからやろうとしているのが錬金術のみだからです》
……どう言うことだ?
《リョウさん、いいですか? 今までは様々なスキルの相乗効果に助けられて成功してきたのです。決して、何をしても成功するという訳ではないんです》
「……そう、なのか?」
うーん……以前のNWOはそもそも複数のスキルの同時発動とかできなかったし、色々仕様が変わったから作れるんだと思っていたが……
《調合はまだ緩い方ですが、錬金術はちゃんとしたレシピが無ければ作ることはできません》
「そのちゃんとしたレシピって、どこかで調べられるの?」
《スキルのレベル上昇にともなって開放されます》
ということは──
俺はステータスを開いてスキル一覧から錬金術を選択する。
するとそこには、スキル熟練度や作成可能アイテムという項目が表示されていた。
作成可能アイテムをタップすると、半数以上がグレーの表示だったが、一部は白い文字で表示されていた。
確か白い文字のは現状で作成可能な品、だった……気がする。
「なるほど、本来はここから作成するんだね」
《どうやら、説明する必要はなさそうですね。……やはり以前の知識ですか?》
「いや、今のはどちらかというと勘だよ」
《勘……ですか?
「うん。なんとなく思いついてやったら、合っていただけだよ。以前の記憶を思い出したのはその後だね」
《はぁ……》
また呆れられちゃったな。
まあ、ブレンには理解できない事かも知れないから、仕方ないけどな……
俺の知ってるAIは、知り得た情報はどんなに時間が経っていてもすぐに引き出すことができるだろうし。
勘と言ってもうまく伝わらないだろう。
《勘違いしてそうなので言っておきますが、私はリョウさんの勘に対して呆れてるだけですよ?》
「……えっ?」
やば、また顔に出てしまっていたか?
しかし、勘違いとは……?
《私が言いたいのは、記憶を思い出すよりも先に働く勘、そしてその勘に対して疑いもせずに実行に移すリョウさんの行動力に呆れたと言ったのです》
「あぁ……なるほど、ね」
そう言えば長い付き合いの友人にも言われたっけな。
お前の勘は変な時に鋭くて異常だ……と。
《リョウさん、確かに私はイメージが大事だと言いました。ですが、それは素材が間違っていなければの話です》
「えっと……今まで色々作ってきたけど、わりと適当な素材の組み合わせでなんとかなってきたよな?」
《ええ》
「じゃあ、なんで今回は必ず失敗だと?」
《それは、いまからやろうとしているのが錬金術のみだからです》
……どう言うことだ?
《リョウさん、いいですか? 今までは様々なスキルの相乗効果に助けられて成功してきたのです。決して、何をしても成功するという訳ではないんです》
「……そう、なのか?」
うーん……以前のNWOはそもそも複数のスキルの同時発動とかできなかったし、色々仕様が変わったから作れるんだと思っていたが……
《調合はまだ緩い方ですが、錬金術はちゃんとしたレシピが無ければ作ることはできません》
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ということは──
俺はステータスを開いてスキル一覧から錬金術を選択する。
するとそこには、スキル熟練度や作成可能アイテムという項目が表示されていた。
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確か白い文字のは現状で作成可能な品、だった……気がする。
「なるほど、本来はここから作成するんだね」
《どうやら、説明する必要はなさそうですね。……やはり以前の知識ですか?》
「いや、今のはどちらかというと勘だよ」
《勘……ですか?
「うん。なんとなく思いついてやったら、合っていただけだよ。以前の記憶を思い出したのはその後だね」
《はぁ……》
また呆れられちゃったな。
まあ、ブレンには理解できない事かも知れないから、仕方ないけどな……
俺の知ってるAIは、知り得た情報はどんなに時間が経っていてもすぐに引き出すことができるだろうし。
勘と言ってもうまく伝わらないだろう。
《勘違いしてそうなので言っておきますが、私はリョウさんの勘に対して呆れてるだけですよ?》
「……えっ?」
やば、また顔に出てしまっていたか?
しかし、勘違いとは……?
《私が言いたいのは、記憶を思い出すよりも先に働く勘、そしてその勘に対して疑いもせずに実行に移すリョウさんの行動力に呆れたと言ったのです》
「あぁ……なるほど、ね」
そう言えば長い付き合いの友人にも言われたっけな。
お前の勘は変な時に鋭くて異常だ……と。
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