上 下
108 / 143
2章 村での生活

61話 念話はやりにくい……

しおりを挟む
 ……うん、今回は余計な考えないぞ……

 意外と可愛らしい名前だとか、魔女っぽくて怪しい笑い方だとか突っ込まないぞ──


「あんたさ、一回どついていいかい?」

「何も言ってませんけど!?」



 ──その後数分かけて、俺には以前のNWOの経験が中途半端にあるために知識が偏っていることを説明し終わると、ジャスミンさん……いや、お婆さんはなんとも言えない顔をしていた。


「なるほど……以前のNWO、というのはよく分からないが、冒険者ってのも色々って訳なんだねぇ……」

「あはは……」

「何にしても、あんたが変だってのは良く分かったよ」


 ついに変と言われてしまったか……

 まあ、仕方ないか……?


「それとあんた、なんでブレンちゃんの念話に対して普通に話しかけてたんだい?」

「ちょっとまだ念話というものが苦手なもので……」

「何だいその理由は……今のままだと、他でも不審な目で見られることになるよ?」

「う……はい……」


 確かに、動物相手に独り言を言ってるようにしか見えないなら、不審者っぽいのかな……


《リョウさん、頑張りましょう!》
「お兄さん、がんばろー!」

「まあ、努力するんだね」

「……はい、努力します……」


 頑張って、念話を使いこなせるようになるしかなさそうだな。




 さて、色々あったけど……

 そろそろアイテムの作成に入ろうかな!

 まだ解体はしてないけど、素材はかなりの種類と量がある。

 とは言え、どの生産スキルも熟練度が低いからやれることは主に二つかな。

 まずはなんでもいいからひたすらに作って熟練度を上げること。

 もう一つは、誰にでも使えるであろうものを作ること。

 うまくやれば、売ることができるかも知れないから。

 売ることを考えるなら、初期装備では何もついていなかった頭や首の部分の装備品を作ればいいんじゃないだろうか?

 以前のNWOで作っていた森の民シリーズとか──

《リョウさん、以前から聞きたかったのですが……リョウさんの言う森の民シリーズとは、どんなものなのですか?》

「うん? ……そっか、以前これを見つけたときにちょっと話したっけ」


 俺は首にかけていた『森の民の首飾』を外して手に取り、改めてじっくりと見てみた。

 蔓を縒り合わせて作られた紐に森狼の牙が複数通してある。

 この組み合わせだと、攻撃力と防御力に若干の補正があるみたいだな。

 この牙を他の部位に変えれば補正も変わるはずだ。 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

最強の男ギルドから引退勧告を受ける

たぬまる
ファンタジー
 ハンターギルド最強の男ブラウンが突如の引退勧告を受け  あっさり辞めてしまう  最強の男を失ったギルドは?切欠を作った者は?  結末は?  

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~

十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

処理中です...