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2章 村での生活
57話 まるで新居のような……
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お婆さんの説得に失敗した俺が部屋に漂うあまりの匂いに耐えかねていると、そこにタンジーが来てくれた!
なんという素晴らしいタイミング!
「タ、タンジーちゃん……でも、この部屋は大事なお薬を沢山作ってるから──」
「ゆかにたくさんごみがおちてるし、あちこちホコリだらけだよ? そんなおへやでだいじな売りもののおくすりを作ってるの?」
「そ……それは……その…………申し訳、ありません……」
おお……! あの手強いおばあさんが、あっさりと膝から崩れ落ちたぞ!
なんという怒涛の連続攻撃……いや、連続口撃だ!!
「ちゃんとあやまれるのは、すごくいいことだよ! わたしも手伝うから、先におそうじしよ?」
「と、とんでもない! すぐに自分で片付けるよ! 『クリーン&ダストボックス』」
お婆さんは顔を青ざめさせると、早口で魔法を唱えた。
爽やかな風が吹いた──
そう思った次の瞬間には、部屋が見違えるように綺麗になっていた。
部屋のごみは無くなり、部屋にこもっていた強烈な匂いも全く無くなった。
と言うか、部屋の壁の木目まで綺麗に見える様になったし……まるで新居になったみたいだ。
なんとなく桧のような爽やかな香りまで漂ってるし。
「おばあさん、すごい! しんぴんのおへやみたいになったね!」
「そ、そうかい……気に入ってもらえて、良かったよ……」
「あの……大丈夫ですか……?」
タンジーは喜んでいるが、お婆さんの疲弊具合がヤバそうだ。
「ああ……あたしとしたことが、焦って魔力をほとんど使ってしまっての……」
「なるほど……いくらなんでも綺麗になり過ぎだとは思いましたが……」
タンジーが片付けると言ったことで、必要なものまで捨てられてしまうと思って焦ったのかもな。
職人って、汚い部屋に見えても実は自分がやりやすいように道具を置いたりしてるものだからなぁ……
「済まないが、一つ頼まれちゃくれないかね……?」
「えっと……出来ることなら」
「材料は渡すから、魔力の回復薬を作っちゃくれないかね……この際、どんな出来でも文句は言わんから……」
「いや、それが……俺、中級万能薬と強壮剤とポーションしか作ったことがないのですが」
「……なんだい、その歪なラインナップは……!」
い、歪とまで言わんでも……
再び落ち込んだ俺を見て、お婆さんはため息をついた。
「はぁ……まあいい、それだけの物が作れるなら大丈夫なはずだから……レシピは教えるので、すぐに作っておくれ……!」
「わ、分かりました!」
落ち込んだ俺にも頼らねばならないほどとは、相当辛いんだろうか。
なんという素晴らしいタイミング!
「タ、タンジーちゃん……でも、この部屋は大事なお薬を沢山作ってるから──」
「ゆかにたくさんごみがおちてるし、あちこちホコリだらけだよ? そんなおへやでだいじな売りもののおくすりを作ってるの?」
「そ……それは……その…………申し訳、ありません……」
おお……! あの手強いおばあさんが、あっさりと膝から崩れ落ちたぞ!
なんという怒涛の連続攻撃……いや、連続口撃だ!!
「ちゃんとあやまれるのは、すごくいいことだよ! わたしも手伝うから、先におそうじしよ?」
「と、とんでもない! すぐに自分で片付けるよ! 『クリーン&ダストボックス』」
お婆さんは顔を青ざめさせると、早口で魔法を唱えた。
爽やかな風が吹いた──
そう思った次の瞬間には、部屋が見違えるように綺麗になっていた。
部屋のごみは無くなり、部屋にこもっていた強烈な匂いも全く無くなった。
と言うか、部屋の壁の木目まで綺麗に見える様になったし……まるで新居になったみたいだ。
なんとなく桧のような爽やかな香りまで漂ってるし。
「おばあさん、すごい! しんぴんのおへやみたいになったね!」
「そ、そうかい……気に入ってもらえて、良かったよ……」
「あの……大丈夫ですか……?」
タンジーは喜んでいるが、お婆さんの疲弊具合がヤバそうだ。
「ああ……あたしとしたことが、焦って魔力をほとんど使ってしまっての……」
「なるほど……いくらなんでも綺麗になり過ぎだとは思いましたが……」
タンジーが片付けると言ったことで、必要なものまで捨てられてしまうと思って焦ったのかもな。
職人って、汚い部屋に見えても実は自分がやりやすいように道具を置いたりしてるものだからなぁ……
「済まないが、一つ頼まれちゃくれないかね……?」
「えっと……出来ることなら」
「材料は渡すから、魔力の回復薬を作っちゃくれないかね……この際、どんな出来でも文句は言わんから……」
「いや、それが……俺、中級万能薬と強壮剤とポーションしか作ったことがないのですが」
「……なんだい、その歪なラインナップは……!」
い、歪とまで言わんでも……
再び落ち込んだ俺を見て、お婆さんはため息をついた。
「はぁ……まあいい、それだけの物が作れるなら大丈夫なはずだから……レシピは教えるので、すぐに作っておくれ……!」
「わ、分かりました!」
落ち込んだ俺にも頼らねばならないほどとは、相当辛いんだろうか。
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