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一章 森の中の小さな村
14話 気付くとそこは……?
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村長を僕が吹き飛ばして数分後、お母さんと弟妹も騒ぎを聞いて来てくれた。
「お兄っ!」
「ムト!」
「にいちゃん!」
「「「大丈夫!?」」」
「大丈夫だから──ぎゃあぁぁ!!」
心配してくれたのは嬉しいんだけど、今しがみつかれるのは本当に痛い!
痛すぎて、なんかワケわからなくなってきたよ……
「ほんとに、痛い、から、ちょっ……離れ……」
「ちょ、ちょっとムト!?」
「しっかりしてお兄!」
「にいちゃん!」
……ごめん、もうむり……
僕は痛みに耐えきれなくて、意識を手放した……
「ん……あれ……? どこも痛くない? ……って、ここはどこだろ?」
僕が目を覚ますと、そこは見覚えの無い場所で──
「あれ、ここ夢の方かな? 服も身体も現実と全く違うし」
よく見ると、昨日夢で寝たのと同じ場所みたい。
……外はまだ真っ暗だなぁ。
なんでこっちに来ちゃったんだっけ……?
……あ、そうか。僕が無理をしてぼろぼろだった両腕に、家族がしがみついてきて……
痛みに耐えられなかった……のかな?
思わず両腕を見るけど、当然なんともない。
動かしてみても特に違和感はなさそう。
現実に戻るにはこちらで寝るしかないんだけど、完全に目が覚めちゃったから……
しばらくは寝れそうにないな。
ここは夢の世界にある大きな教会。
先日お爺さんが回復魔法を使ってるのを見て、覚えられるか試したくて来てみたんだ。
でも教えてくれる人が留守だと聞いたから、教会で手伝いをするのを条件にその人が戻るまで泊めてもらうことになったんだっけ。
この時間だと誰も起きてないだろうし、僕が何かしたら物音で起こしてしまうかもしれない。
……本当に、どうしよっかな──
とその時だった。
ドタドタと走る音が聞こえてきたと思ったら、僕のいる部屋の前で音が止まった。
そして夜中にしてはずいぶん強い音でノックをしてきた。
ゴン! ゴン! ゴン!!
「夜分に申し訳ありません! 起きてくださいませぬか!」
「はい! 起きてますよ!」
僕が慌ててドアを開くと、そこには高位の神官の服と思われる服装の男性が汗だくで立っていた。
「おお……! やはりお告げの通りとは!」
「えっと……? ぼ……俺に何かご用なのですか?」
「! 申し訳ございませぬ! あまりの感動で、冷静さを失っておりました……!」
「は、はぁ……」
よく分からないけど、何かが起きたことは間違いないみたい。
「お兄っ!」
「ムト!」
「にいちゃん!」
「「「大丈夫!?」」」
「大丈夫だから──ぎゃあぁぁ!!」
心配してくれたのは嬉しいんだけど、今しがみつかれるのは本当に痛い!
痛すぎて、なんかワケわからなくなってきたよ……
「ほんとに、痛い、から、ちょっ……離れ……」
「ちょ、ちょっとムト!?」
「しっかりしてお兄!」
「にいちゃん!」
……ごめん、もうむり……
僕は痛みに耐えきれなくて、意識を手放した……
「ん……あれ……? どこも痛くない? ……って、ここはどこだろ?」
僕が目を覚ますと、そこは見覚えの無い場所で──
「あれ、ここ夢の方かな? 服も身体も現実と全く違うし」
よく見ると、昨日夢で寝たのと同じ場所みたい。
……外はまだ真っ暗だなぁ。
なんでこっちに来ちゃったんだっけ……?
……あ、そうか。僕が無理をしてぼろぼろだった両腕に、家族がしがみついてきて……
痛みに耐えられなかった……のかな?
思わず両腕を見るけど、当然なんともない。
動かしてみても特に違和感はなさそう。
現実に戻るにはこちらで寝るしかないんだけど、完全に目が覚めちゃったから……
しばらくは寝れそうにないな。
ここは夢の世界にある大きな教会。
先日お爺さんが回復魔法を使ってるのを見て、覚えられるか試したくて来てみたんだ。
でも教えてくれる人が留守だと聞いたから、教会で手伝いをするのを条件にその人が戻るまで泊めてもらうことになったんだっけ。
この時間だと誰も起きてないだろうし、僕が何かしたら物音で起こしてしまうかもしれない。
……本当に、どうしよっかな──
とその時だった。
ドタドタと走る音が聞こえてきたと思ったら、僕のいる部屋の前で音が止まった。
そして夜中にしてはずいぶん強い音でノックをしてきた。
ゴン! ゴン! ゴン!!
「夜分に申し訳ありません! 起きてくださいませぬか!」
「はい! 起きてますよ!」
僕が慌ててドアを開くと、そこには高位の神官の服と思われる服装の男性が汗だくで立っていた。
「おお……! やはりお告げの通りとは!」
「えっと……? ぼ……俺に何かご用なのですか?」
「! 申し訳ございませぬ! あまりの感動で、冷静さを失っておりました……!」
「は、はぁ……」
よく分からないけど、何かが起きたことは間違いないみたい。
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