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忌みの子と愛し子
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精霊界に来てから1ヶ月経った。姉たちにこき使われることもなく傷を負わされることもなく平和な生活が続いている。ラーレさんとの関係はそこまで進展していないが、毎食話すので少しだけだが人となりはわかってきているつもりだ。ちなみにラーレさんはもうすでに100歳を超えているらしく、まだまだ精霊の中では若者らしい。年齢や寿命に関しての考え方は人とはかなり違うみたいだ。
「今日も始めましょうか、セレス様」
「はい、お願いいたします」
精霊界での生活に慣れてきたから、私はラーレさんに頼み込んで教師をつけてもらうことにした。これから何をするにしてもマナーやら文字やらできないと始まらないと思ったからだ。私が文字を書くことができないと知ったラーレさんの顔、すごくびっくりしていたなぁ。そりゃあそうだよね。私はもう18歳で人の世界ではもう成人している年だ。なのに五、六歳でできる文字の読み書きができないなんて。本当に申し訳ない。
「本当ごめんね。リリ私何もできなくて」
私の教師をかってでてくれたのは私があの屋敷にいた時からずっと一緒のリリだった。本当に迷惑をかけちゃってるなぁ。もうどうしたら恩返しをできるのかわからないくらいに。
「いえ、セレス様は悪くありません。あの忌々しい三人のせいですから……」
そういえばラーレさんは私を探し出した時、しばらく精霊界に帰ってきていない精霊を見つけたと言っていた。なんでリリたちは精霊界に長らく帰っていなかったのだろうか。
「ねぇ、リリ。あなたたちはなぜ精霊界に今まで帰っていなかったの?」
そう私が質問をすると、リリは罰が悪そうな顔をした。
「少し話しにくいことなのですが、迷ってしまっただけなんです」
「迷った?」
「はい、私たち三人は幼い頃からの仲良しで色々なところを探検していました。そんな時人間界に続く通路を見つけまして、好奇心でそこに入ったはいいけれど、戻り方を忘れてしまいまして……」
要するに迷子になってしまった、ということか。でも、急に三人もいなくなればおかしいと思う人もいるんじゃないのだろうか。それに両親だって心配するじゃないのかなぁ。それをリリに聞くとまた濁った顔のままで話した。
「私たち精霊は愛し子以外基本どうでもいいです。そして子供の出来方として愛し子同士愛し合って子供ができる場合と、私たち三人みたいに命の木から生まれてくる子供います」
「命の木?」
「はい。まだ説明がまだでしたね。精霊界で一際目立つ木があるのは知ってますよね」
思わず見上げてしまうほどの大きな木が精霊界にはある。あれが何かは誰にもまだ聞いてなかった。
「あれが命の木?」
「はい、その木に一年に1回最大で25までの実がなります。それが完全に熟し、落ちてくる時精霊は生まれます。そうやってできた子は奇跡の子として讃えられます。生活全て監視され、特別な子供として育てられます。だけど、所詮は木の実のような存在、ハズレが存在します。完全に熟してないまま落ちてきた子は忌みの子として非難されます。それが私たちなのです」
その話を聞いて思わず無言になってしまった。
「そして、そんな子たちを心配する人がいるはずもなく、私たちは今までこのままでした。忌みの子であるにも関わらず陛下は私たちをセレス様の教師にしてくださいました。だから私は陛下にすごく感謝しているのです」
「私、リリと小さい頃から一緒でよかったと思ってるよ」
そんな話を聞いて出た言葉はそれだった。リリが忌みの子として生まれてきてくれたからいまがあるけれど、それが良かったなんて言えないけれど、ただリリが、ルナが、ローナが小さい頃からずっと私の隣にいてくれたから私は生きてる。それを何故かいま無性に伝えたかった。
「今日も始めましょうか、セレス様」
「はい、お願いいたします」
精霊界での生活に慣れてきたから、私はラーレさんに頼み込んで教師をつけてもらうことにした。これから何をするにしてもマナーやら文字やらできないと始まらないと思ったからだ。私が文字を書くことができないと知ったラーレさんの顔、すごくびっくりしていたなぁ。そりゃあそうだよね。私はもう18歳で人の世界ではもう成人している年だ。なのに五、六歳でできる文字の読み書きができないなんて。本当に申し訳ない。
「本当ごめんね。リリ私何もできなくて」
私の教師をかってでてくれたのは私があの屋敷にいた時からずっと一緒のリリだった。本当に迷惑をかけちゃってるなぁ。もうどうしたら恩返しをできるのかわからないくらいに。
「いえ、セレス様は悪くありません。あの忌々しい三人のせいですから……」
そういえばラーレさんは私を探し出した時、しばらく精霊界に帰ってきていない精霊を見つけたと言っていた。なんでリリたちは精霊界に長らく帰っていなかったのだろうか。
「ねぇ、リリ。あなたたちはなぜ精霊界に今まで帰っていなかったの?」
そう私が質問をすると、リリは罰が悪そうな顔をした。
「少し話しにくいことなのですが、迷ってしまっただけなんです」
「迷った?」
「はい、私たち三人は幼い頃からの仲良しで色々なところを探検していました。そんな時人間界に続く通路を見つけまして、好奇心でそこに入ったはいいけれど、戻り方を忘れてしまいまして……」
要するに迷子になってしまった、ということか。でも、急に三人もいなくなればおかしいと思う人もいるんじゃないのだろうか。それに両親だって心配するじゃないのかなぁ。それをリリに聞くとまた濁った顔のままで話した。
「私たち精霊は愛し子以外基本どうでもいいです。そして子供の出来方として愛し子同士愛し合って子供ができる場合と、私たち三人みたいに命の木から生まれてくる子供います」
「命の木?」
「はい。まだ説明がまだでしたね。精霊界で一際目立つ木があるのは知ってますよね」
思わず見上げてしまうほどの大きな木が精霊界にはある。あれが何かは誰にもまだ聞いてなかった。
「あれが命の木?」
「はい、その木に一年に1回最大で25までの実がなります。それが完全に熟し、落ちてくる時精霊は生まれます。そうやってできた子は奇跡の子として讃えられます。生活全て監視され、特別な子供として育てられます。だけど、所詮は木の実のような存在、ハズレが存在します。完全に熟してないまま落ちてきた子は忌みの子として非難されます。それが私たちなのです」
その話を聞いて思わず無言になってしまった。
「そして、そんな子たちを心配する人がいるはずもなく、私たちは今までこのままでした。忌みの子であるにも関わらず陛下は私たちをセレス様の教師にしてくださいました。だから私は陛下にすごく感謝しているのです」
「私、リリと小さい頃から一緒でよかったと思ってるよ」
そんな話を聞いて出た言葉はそれだった。リリが忌みの子として生まれてきてくれたからいまがあるけれど、それが良かったなんて言えないけれど、ただリリが、ルナが、ローナが小さい頃からずっと私の隣にいてくれたから私は生きてる。それを何故かいま無性に伝えたかった。
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