57 / 64
[-00:08:43]ミッドナイトブルー
4
しおりを挟む
『Midnight blue』で必要な機材を回収した纏と律は、透花たちの待つ駅へと直行した。
透花を含め、佐都子とにちかも改札口前で談笑しながら、待っているのが見えた。近づく律たちの影に気が付いたにちかが、おーいと声を上げて両手を大きく振っている。駆け足でその輪に近づくと、透花が首を傾けた。
「無事に回収できた?」
「まあ、何とかね」
「じゃあ、いったんここで解散か。透花ぁ、さぼんなよ!」
佐都子がにししと悪戯っぽく笑う。負けじと透花も「佐都子もね」と返事を返す。その横で何か言いたげにプルプル震えていたにちかが、辛抱たまらん感じで勢いよく透花の両手を掴み、苦渋に満ちた表情で透花を真っ直ぐ見つめる。その勢いに透花は思わず片足だけ一歩後ろに下がる。
「すーーー……っごく! あたしも行きたい、行きたいけど……! でも、メメ先生に迷惑かけるの、嫌だから、我慢する。弁える読者で居たいし、負担もかけたくないから」
「う、うん」
「だから、代わりにもし……、伝えられたら、でいいから。言ってほしい。先生の漫画で、あたしは救われましたって」
透花は目を見開いて、それから口元を綻ばせながら強く頷く。
「うん。伝える、絶対。約束する」
その言葉を最後に、透花たちは電車に乗り込んだ。
*
夕刻を知らせる防災無線のチャイムが遠くから聴こえてくる。
目的地であるツルミ写真館は、透花たちの家の最寄り駅よりもさらに2駅先にある、廃れた商店街の一角にある。透花の母方の実家であり、曾祖父の代から続く歴史ある写真館だ。透花が中学生の頃、祖父が亡くなって今は透花の母の兄、つまり伯父が営んでいる。
お泊りセットとMV制作に必要な機材を両手に抱えた透花は、浮かない顔で何度目かわからない問いかけを、涼しい顔で横に立つ纏にした。
「……やっぱり、わたし、いなくても」
「何言ってんの。ここまで来て」
「う。だって、でもさ、」
「もう聞き飽きた」
「せめて纏くんも泊まろうよ……、ねっ?」
「僕一応中学生だし。親の許可が下りるわけないでしょ」
「この裏切り者ぉ!」
都合の悪い時だけ中学生設定を持ち出して、纏は縋る透花の手を振り払った。今更ごねたところで、どうにもならないと分かっていても、透花は抵抗したくなってしまう。
「ほら、もう見えてきたよ」
「ああ、あれか」
透花はいよいよ覚悟を決めなければならないときが来た、と暴れる心臓を押さえるよう胸の前に手を置いて、大きく深呼吸をした。
「……なにこれ」
纏の困惑する声に、透花と律は互いに顔を見合わせた。
『諸事情により、休業中です。』
そう掲げられた張り紙を前に、透花たちは立ち往生していた。窓ガラスから店内を覗き込むと、夕方だというのに明かり一つ付いていない。そのせいで壁一面に飾られた写真が少し不気味だった。窓から顔を離した律は、首を横に振った。
「駄目だ。誰もいなさそうだ」
「あークソ、事前に連絡入れてあったのにアイツ! 待って今、鬼電するから」
乱暴にスマホをタップして、纏はそれを耳に当てた。透花と律が纏を挟むようにして、スマホに各々耳を近づける。数コール音の後、荒いノイズ音が電話口から聴こえてくる。
「オイ、夕爾お前どこにいる───」
「───ここだァアアア!!」
「うわぁあ!?」
「だぁっ!?」
「きゃ!」
突如背後から、耳を塞ぎたくなるほどの声量が透花たちに襲い掛かる。思わず耳を押さえて縮こまった3人は、数秒後、笑いを堪えるような息遣いが聞こえてくることに気付いて、振り返る。
夕暮れの赤に照らされる透き通るような白髪に、透花に似た少し藍色がかった瞳。ついに堪えきれなくなったのか、からから豪快に笑う姿はまるで年端もいかない少年のようだ。目じりに溜まった涙を指で掬い取って、彼は顔を上げた。
「はー、笑った笑った」
「……お前な」
「おいおい、会って早々説教は無しだぜ?」
纏の苦言すら何のその。軽くあしらって、彼、笹原夕爾はにっと人懐っこく笑う。
「待ってたぜ、非行少年! それに、」
夕爾の視線がすっと、律から自分に移動したことに気付いて、透花は思わず逸らしてしまう。しかし、夕爾は薄く笑って、言葉を続けた。
「久しぶり、透花」
「…………、うん」
それが透花にとって、数年ぶりとなる、兄夕爾との邂逅だった。
*
「一昨日くらい? 伯父さんが知り合いの農家から送られてきた米運ぼうとして、ぴたーって固まって。俺が慌てて救急車呼んだらどうもぎっくり腰だと。それで急遽、写真館は休業中になったってわけ。ああ、許可ならもう取ってあっから安心してくれ。伯父さんは夢ある若者の背中押したがりお節介おじさんだから」
休業の張り紙に至った経緯を語りながら、夕爾は先頭を行く。律たちが泊まる場所は、ツルミ写真館───ではなく、ツルミ写真館と隣接する床屋との間にある、大人一人が通れるほどの細道を通って、その先にあった。
「お前らラッキーだぜ? 今、ちょうど大学4年の奴らが地元戻って、ツルミ荘には俺以外下宿してないから、実質貸し切り」
細道を抜けると、そこにあったのは、ひと時代前へとタイムスリップでもしたのかと思わせるほど古い民家だった。その庭に咲く雪椿には、霜が降ってより一層幻想的な雰囲気を作っていた。苔の生えた石畳の上を慎重に歩く。夕爾は手慣れた様子で、ポケットから取り出した鍵を引き戸に差し込み、ごりっと音を立てて開けた。
数十年ぶりにツルミ荘に足を踏み入れた透花は、妙にそわそわしながらあたりを見回す。それは律も同じのようだった。
手荷物をすべて廊下に置き、ひと呼吸置いた纏がすくっと顔を上げた。
「よし。僕はこれで一旦帰るよ」
「え、もう帰っちゃうの?」
「帰ってやらないといけない仕事が残ってるし」
「そっか……」
「また明日、様子見に来るよ。伝えなきゃいけないこともあるしね」
纏がわざわざ聞かなくても分かるほどには、透花の顔に不安の二文字が書かれていた。後ろ髪を引かれるような思いで、纏は透花に背を向ける。
「おい」
「なんだよ、って、っわ」
纏は、ちょうど視線の先に立っていた律の肩を強引に組んで引き寄せた。バランスを崩した律の耳がちょうど、纏の口の高さに合わさる。律にだけ聴こえる声量で纏は囁いた。
「言っとくけど、抜け駆けしたら殺す」
「しねーよッ!」
纏に何か囁かれた律が、弾かれた様に顔を赤らめて纏を突き飛ばすから、蚊帳の外になっていた透花は瞬きを何度か繰り返す。しかし、その二人の様子を同じく見ていた夕爾は、ああ、と何か察しがついたらしくぽんと手を叩いて、名案だとばかりに提案した。
「よければふたり、相部屋にする?」
「「結構です!」」
今度は透花も沸騰するほど顔を赤く染めて、律と声を揃えて全否定したのだった。
透花を含め、佐都子とにちかも改札口前で談笑しながら、待っているのが見えた。近づく律たちの影に気が付いたにちかが、おーいと声を上げて両手を大きく振っている。駆け足でその輪に近づくと、透花が首を傾けた。
「無事に回収できた?」
「まあ、何とかね」
「じゃあ、いったんここで解散か。透花ぁ、さぼんなよ!」
佐都子がにししと悪戯っぽく笑う。負けじと透花も「佐都子もね」と返事を返す。その横で何か言いたげにプルプル震えていたにちかが、辛抱たまらん感じで勢いよく透花の両手を掴み、苦渋に満ちた表情で透花を真っ直ぐ見つめる。その勢いに透花は思わず片足だけ一歩後ろに下がる。
「すーーー……っごく! あたしも行きたい、行きたいけど……! でも、メメ先生に迷惑かけるの、嫌だから、我慢する。弁える読者で居たいし、負担もかけたくないから」
「う、うん」
「だから、代わりにもし……、伝えられたら、でいいから。言ってほしい。先生の漫画で、あたしは救われましたって」
透花は目を見開いて、それから口元を綻ばせながら強く頷く。
「うん。伝える、絶対。約束する」
その言葉を最後に、透花たちは電車に乗り込んだ。
*
夕刻を知らせる防災無線のチャイムが遠くから聴こえてくる。
目的地であるツルミ写真館は、透花たちの家の最寄り駅よりもさらに2駅先にある、廃れた商店街の一角にある。透花の母方の実家であり、曾祖父の代から続く歴史ある写真館だ。透花が中学生の頃、祖父が亡くなって今は透花の母の兄、つまり伯父が営んでいる。
お泊りセットとMV制作に必要な機材を両手に抱えた透花は、浮かない顔で何度目かわからない問いかけを、涼しい顔で横に立つ纏にした。
「……やっぱり、わたし、いなくても」
「何言ってんの。ここまで来て」
「う。だって、でもさ、」
「もう聞き飽きた」
「せめて纏くんも泊まろうよ……、ねっ?」
「僕一応中学生だし。親の許可が下りるわけないでしょ」
「この裏切り者ぉ!」
都合の悪い時だけ中学生設定を持ち出して、纏は縋る透花の手を振り払った。今更ごねたところで、どうにもならないと分かっていても、透花は抵抗したくなってしまう。
「ほら、もう見えてきたよ」
「ああ、あれか」
透花はいよいよ覚悟を決めなければならないときが来た、と暴れる心臓を押さえるよう胸の前に手を置いて、大きく深呼吸をした。
「……なにこれ」
纏の困惑する声に、透花と律は互いに顔を見合わせた。
『諸事情により、休業中です。』
そう掲げられた張り紙を前に、透花たちは立ち往生していた。窓ガラスから店内を覗き込むと、夕方だというのに明かり一つ付いていない。そのせいで壁一面に飾られた写真が少し不気味だった。窓から顔を離した律は、首を横に振った。
「駄目だ。誰もいなさそうだ」
「あークソ、事前に連絡入れてあったのにアイツ! 待って今、鬼電するから」
乱暴にスマホをタップして、纏はそれを耳に当てた。透花と律が纏を挟むようにして、スマホに各々耳を近づける。数コール音の後、荒いノイズ音が電話口から聴こえてくる。
「オイ、夕爾お前どこにいる───」
「───ここだァアアア!!」
「うわぁあ!?」
「だぁっ!?」
「きゃ!」
突如背後から、耳を塞ぎたくなるほどの声量が透花たちに襲い掛かる。思わず耳を押さえて縮こまった3人は、数秒後、笑いを堪えるような息遣いが聞こえてくることに気付いて、振り返る。
夕暮れの赤に照らされる透き通るような白髪に、透花に似た少し藍色がかった瞳。ついに堪えきれなくなったのか、からから豪快に笑う姿はまるで年端もいかない少年のようだ。目じりに溜まった涙を指で掬い取って、彼は顔を上げた。
「はー、笑った笑った」
「……お前な」
「おいおい、会って早々説教は無しだぜ?」
纏の苦言すら何のその。軽くあしらって、彼、笹原夕爾はにっと人懐っこく笑う。
「待ってたぜ、非行少年! それに、」
夕爾の視線がすっと、律から自分に移動したことに気付いて、透花は思わず逸らしてしまう。しかし、夕爾は薄く笑って、言葉を続けた。
「久しぶり、透花」
「…………、うん」
それが透花にとって、数年ぶりとなる、兄夕爾との邂逅だった。
*
「一昨日くらい? 伯父さんが知り合いの農家から送られてきた米運ぼうとして、ぴたーって固まって。俺が慌てて救急車呼んだらどうもぎっくり腰だと。それで急遽、写真館は休業中になったってわけ。ああ、許可ならもう取ってあっから安心してくれ。伯父さんは夢ある若者の背中押したがりお節介おじさんだから」
休業の張り紙に至った経緯を語りながら、夕爾は先頭を行く。律たちが泊まる場所は、ツルミ写真館───ではなく、ツルミ写真館と隣接する床屋との間にある、大人一人が通れるほどの細道を通って、その先にあった。
「お前らラッキーだぜ? 今、ちょうど大学4年の奴らが地元戻って、ツルミ荘には俺以外下宿してないから、実質貸し切り」
細道を抜けると、そこにあったのは、ひと時代前へとタイムスリップでもしたのかと思わせるほど古い民家だった。その庭に咲く雪椿には、霜が降ってより一層幻想的な雰囲気を作っていた。苔の生えた石畳の上を慎重に歩く。夕爾は手慣れた様子で、ポケットから取り出した鍵を引き戸に差し込み、ごりっと音を立てて開けた。
数十年ぶりにツルミ荘に足を踏み入れた透花は、妙にそわそわしながらあたりを見回す。それは律も同じのようだった。
手荷物をすべて廊下に置き、ひと呼吸置いた纏がすくっと顔を上げた。
「よし。僕はこれで一旦帰るよ」
「え、もう帰っちゃうの?」
「帰ってやらないといけない仕事が残ってるし」
「そっか……」
「また明日、様子見に来るよ。伝えなきゃいけないこともあるしね」
纏がわざわざ聞かなくても分かるほどには、透花の顔に不安の二文字が書かれていた。後ろ髪を引かれるような思いで、纏は透花に背を向ける。
「おい」
「なんだよ、って、っわ」
纏は、ちょうど視線の先に立っていた律の肩を強引に組んで引き寄せた。バランスを崩した律の耳がちょうど、纏の口の高さに合わさる。律にだけ聴こえる声量で纏は囁いた。
「言っとくけど、抜け駆けしたら殺す」
「しねーよッ!」
纏に何か囁かれた律が、弾かれた様に顔を赤らめて纏を突き飛ばすから、蚊帳の外になっていた透花は瞬きを何度か繰り返す。しかし、その二人の様子を同じく見ていた夕爾は、ああ、と何か察しがついたらしくぽんと手を叩いて、名案だとばかりに提案した。
「よければふたり、相部屋にする?」
「「結構です!」」
今度は透花も沸騰するほど顔を赤く染めて、律と声を揃えて全否定したのだった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
萬倶楽部のお話(仮)
きよし
青春
ここは、奇妙なしきたりがある、とある高校。
それは、新入生の中からひとり、生徒会の庶務係を選ばなければならないというものであった。
そこに、春から通うことになるさる新入生は、ひょんなことからそのひとりに選ばれてしまった。
そして、少年の学園生活が、淡々と始まる。はずであった、のだが……。
水曜日は図書室で
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
青春
綾織 美久(あやおり みく)、高校二年生。
見た目も地味で引っ込み思案な性格の美久は目立つことが苦手でクラスでも静かに過ごしていた。好きなのは図書室で本を見たり読んだりすること、それともうひとつ。
あるとき美久は図書室で一人の男子・久保田 快(くぼた かい)に出会う。彼はカッコよかったがどこか不思議を秘めていた。偶然から美久は彼と仲良くなっていき『水曜日は図書室で会おう』と約束をすることに……。
第12回ドリーム小説大賞にて奨励賞をいただきました!
本当にありがとうございます!
AOZORA
Yuniarti
青春
高尾は帝光中のリベロ。彼はそこでバレーボールの先輩たちから影響を受け、ホワイトイグル高校に進学しました。しかし、ホワイトイグル高校のバレーボール部は先輩たちが卒業してなくなってしまっていました。彼は部員を集め、厳しい練習を続け、日本一のバレーボール学校に育て上げました?
何でも出来る親友がいつも隣にいるから俺は恋愛が出来ない
釧路太郎
青春
俺の親友の鬼仏院右近は顔も良くて身長も高く実家も金持ちでおまけに性格も良い。
それに比べて俺は身長も普通で金もあるわけではなく、性格も良いとは言えない。
勉強も運動も何でも出来る鬼仏院右近は大学生になっても今までと変わらずモテているし、高校時代に比べても言い寄ってくる女の数は増えているのだ。
その言い寄ってくる女の中に俺が小学生の時からずっと好きな桜唯菜ちゃんもいるのだけれど、俺に気を使ってなのか鬼仏院右近は桜唯菜ちゃんとだけは付き合う事が無かったのだ。
鬼仏院右近と親友と言うだけで優しくしてくれる人も多くいるのだけれど、ちょっと話すだけで俺と距離をあける人間が多いのは俺の性格が悪いからだと鬼仏院右近はハッキリというのだ。そんな事を言う鬼仏院右近も性格が悪いと思うのだけれど、こいつは俺以外には優しく親切な態度を崩さない。
そんな中でもなぜか俺と話をしてくれる女性が二人いるのだけれど、鵜崎唯は重度の拗らせ女子でさすがの俺も付き合いを考えてしまうほどなのだ。だが、そんな鵜崎唯はおそらく世界で数少ない俺に好意を向けてくれている女性なのだ。俺はその気持ちに応えるつもりはないのだけれど、鵜崎唯以上に俺の事を好きになってくれる人なんていないという事は薄々感じてはいる。
俺と話をしてくれるもう一人の女性は髑髏沼愛華という女だ。こいつはなぜか俺が近くにいれば暴言を吐いてくるような女でそこまで嫌われるような事をしてしまったのかと反省してしまう事もあったのだけれど、その理由は誰が聞いても教えてくれることが無かった。
完璧超人の親友と俺の事を好きな拗らせ女子と俺の事を憎んでいる女性が近くにいるお陰で俺は恋愛が出来ないのだ。
恋愛が出来ないのは俺の性格に問題があるのではなく、こいつらがいつも近くにいるからなのだ。そう思うしかない。
俺に原因があるなんて思ってしまうと、今までの人生をすべて否定する事になってしまいかねないのだ。
いつか俺が唯菜ちゃんと付き合えるようになることを夢見ているのだが、大学生活も残りわずかとなっているし、来年からはいよいよ就職活動も始まってしまう。俺に残された時間は本当に残りわずかしかないのだ。
この作品は「小説家になろう」「ノベルアッププラス」「カクヨム」「ノベルピア」にも投稿しています。
世界に輝く未来を
きなこ
青春
幼なじみが虐待を受けているにもかかわらず、助けることができなかった主人公。
戦争が始まってからはもうどうすることも出来ずに、過去の自分を後悔するばかり。
今、ある幸せに手を伸ばし、精一杯今を生きる。主人公や幼なじみの「あの子」が伝えたいこと。正論だけで固められたこの世界に、私は伝えたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる