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ゴリバナナ授業について……

憂鬱な授業 (作者 実

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 次の授業は数学の授業。
 訳すとゴリバナナ授業である。内容はゴリラ(先生)が淡々とバナナ語を発し、意味不明な数学公式を作り上げるだけのつまらない授業である。
 それだけなら、睡眠時間という授業に早替わりするだろう。しかし、先生が、その神授業を妨害してくる最低教師ゴリラなのだ。
 最悪なのが寝ていると大声やビンタで起こしてくることだ。大声はまだしも、ビンタは暴力である。なぜ、教師をクビにされていないのか、動物園に入っていないのか、不思議で仕方がない。後で聞いて見るとしよう。

「ガラガラガラ、ガラガラガラ、バタン」
 ウホゴリラ(先生)が教室に入ってきた。
 僕は先頭の席であるためウホゴリラの姿を間近で見ることができる。いつも通りゴリラだ。
 ゴリラを研究する人達にとっては嬉しいのだろうが、ゴリラを研究する趣味は無い僕にとっては最悪だ。
 まして、このゴリラのバナナ語を小一時間聞き続けない…といけない…となると……憂鬱………だ……zZZ
「キーンコーンカーンコーン」
先生「では授業を始める。1+3=バナナナバナナなので……」
 授業が始まったあたり、実の寝言が聞こえてきた。
実「ZZz………ウホゴリラ…先生の…授業とか…最悪………むにゃあ…バナナ語…意味不…zZZ」
 もちろん、この寝言は他の生徒にも、ゴリラ教師にも聞こえていた。

 その後、ゴリラ教師に怒鳴られた。ウホゴリラと言われたことに腹が立ったらしい。

 大抵の先生は、何度言っても聞かない生徒には、呆れて、いずれ怒らずほっとくが、この先生は、なぜ諦めずに俺を怒るのだろうか。
 俺みたいな面倒な奴は、ほっといてもいいと思うのだが……
 この先生は熱血過ぎる、そして、授業がヘタクソ過ぎる、いや、ヘタクソというレベルでは無い、日本語を勉強し直して欲しいレベルだ。まだ、小学生のする授業の方が上手いだろう。
 面倒な奴をほっとかないくらいの生徒への熱意があるならば、生徒への熱意を授業方法へ向けて欲しい。
 しかし、この先生は、そうしない。
 僕は、この先生の気が知れない。
 前の数学教師と比べると天と地の差があるな。そういえば、どうして急にゴリラに変わったんだろう。と思う実であった。
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