上 下
1 / 1

親友が異世界召喚からのTS勇者で魔王倒して帰って来たけど体が女のままだから恋愛対象どっちにするか迷ってるらしいが知った事じゃねぇ!

しおりを挟む

 学校から帰ってくると俺の部屋に美少女が居た。

 長い黒髪。日本では売ってなさそうな民族系の服。整っていて、少し幼さの残る愛らしい顔。すらりとした足。丈の短いワンピースからチラチラ見えるふともも。あとふともも。ふともも。

「あの……どちら様」

秋彦あきひこぉっ!!」

 部屋に入るなりその美少女が俺に向かってダイブしてきた。のでかわす。

 開けっ放しの扉を通り抜け廊下の壁に顔面から思い切り突っ込んでしまった美少女に俺はなんて声を掛けたらいいの?

「なんか、その……ごめん」

「なんで避けるかなぁっ!? 帰ってきたら俺の家違う人が住んでるしどういう事なの!?」

「ちょっと待て、君が何を言ってるのかわからん」

「だから俺だよ! 茜だよ!」

 ……俺の親友に中善寺 茜ちゅうぜんじ あかねという男なら居たがこんな美少女は知らん。

「聞いてくれよ! 俺急に異世界に召喚されて、気が付いたら女の姿になってて! 勇者として魔王倒してくれっていうからめちゃくちゃ頑張って倒したんだよ! 旅の中でめちゃくちゃ可愛い女の子を沢山はべらしてハーレム状態になったのに体が女だからくっそぉぉぉっ!!」

「待て待て待て。落ち着いて話せ。何を言ってるか全くわからん」

「だからっ! 俺は女の子になって異世界で勇者やって魔王倒したんだよ! そしたら急にこっちの世界に帰ってきて……くそぉ……まだ手を出してない子だって居たのに!!」

 どうやら頭が残念な子のようだ。
 どうしよう。できれば関わりたくない。

「でな、帰ってきたから自分の家に帰ったら違う人が住んでんの! あれどうなってんの!? うちの親父とおふくろはどうしたのさ!?」

「……君の家ってどこよ」

「だから秋彦の隣のすぐそこの家だってば! お前まですっとぼけんのかよ!」

 ……そこは俺の親友だった茜の家だ。

「君……あかねちゃんだっけ? そこの家は俺の親友が住んでた家だ。それにもう二年行方不明で家族は実家に帰ったよ。んで今は違う家族が住んでる」

 正直言うと、軽くムカついている。
 俺だって茜が行方不明になって、探しても探しても見つからなくて……事件に巻き込まれたり殺されたりしたんじゃないかって本当につらい思いをした。

 それをやっと、少し気持ちが落ち着いてきたと思ったらこんな闖入者がバカげた事を言って俺を攪乱してくる。殴ってやりたい。せめてすぐに出てってほしい。

「……俺行方不明って事になってんの……? 待って、ほんとに……? まじかよ……」

「分かったらさっさと出て行ってくれないか? 俺は宿題やらなきゃならん」

「待ってくれ秋彦! 俺は茜だ! 信じてくれよ……!」

 まだそんな事言ってるのかこいつは。

「証拠を見せろ」

「証拠って……そうだ、俺達の合言葉を……」

「彼女いる奴」

「ぶっ殺す!」

「ハーレム王に」

「なりたいな!」

 ……どうした事だ。
 確かに俺達の合言葉を完璧に言ってのける。
 しかし、このくらいの事茜本人から聞いていた可能性だって……。

「なんだよまだ信じてくれないのかよ! だったら秋彦が前に雪ちゃんに送ったラブレターの内容でも読み上げてやろうか!?」

「……お前、なんでそんな事を……」

 巽 雪たつみ ゆきという女の子が居る。
 俺と茜と雪は三人幼馴染でよく一緒に遊んだ。確かに俺は雪の事が好きでラブレターの内容を茜に一緒に考えてもらった事がある。
 小学生低学年の頃の話だが。

「拝啓、雪ちゃん。今日はいい天気ですね。まるで今の僕の心のように澄み渡っています。雪ちゃんはいつも可愛くて僕の心はいつだって君に夢中です」

「や、やめろ……!」

「そんな雪ちゃんに言いたい事があります。どうか、どうか僕と」

「やめろって言ってるだろ!!」

「セフレになってください☆」

 言いやがった……。こいつ、俺の最大の黒歴史を……!!

「あの時はごめんな? この文章考えた俺にも責任があるよ。あの時はセフレってめっちゃ仲のいい友達の事だと思ってたからさ」

 目の前の少女はちょっとだけ申し訳なさそうに言った。

「わ、分かった……お前が茜だっていうのは頑張ってかろうじて信じてやらんくも無い。しかし異世界召喚とか言われても……」

 俺の言葉を聞いて、少女は俺のベッドから枕を取ると、窓を開けて思い切り外へ投げた。

「おい! お前何してんだ!!」

「ギバクロス!」

 宙を舞う枕に彼女が掌を向け、そう叫ぶと一瞬にして枕は見えない力に切り裂かれ、中の羽毛がゆっくりと空に広がった。

「……う、嘘だろ……」

「信じてくれたか? これは俺が向こうの世界で手に入れた力だ。魔法はまだまだいくらでもあるぞ? なんならこの家を一瞬で消し炭にしてやろうか?」

 冗談じゃない。こんなのは非常識すぎる。
 だが、俺もそろそろ諦めるしかなさそうだ。

「本当に、茜なのか……?」

「おうよ。俺が二年前に行方不明になったって言ってたよな? だったらお前は今高校生なのか? 雪は?」

「雪も俺と同じ高校に通ってる……というか今は俺の彼女だ」

「マジかよ!? だって雪は……」

 そう。幼馴染の雪は俺がそのラブレター事件の後にも何度も告白していたが、俺は毎回見事にフラれていた。

 理由はいつだって同じ。

「ごめんなさい……私、茜君が好きなの……」

「てめぇ雪を寝取りやがったな!?」

「寝取ったとか言うな! お前が急に居なくなって、お互い辛い思いをしてたんだ。理解しあえるのは俺達二人だけだった」

「なるほど秋彦はそうやって雪の弱みに付け込んだってわけか」

「人聞きの悪い事言うんじゃねぇ!」

 まぁ、確かに雪と付き合うには今しかないと思ったのは確かだ。
 だから俺は茜に後ろめたい感情だってある。
 だけど……だけど!

「お前今どう見たって女じゃねぇか!」

「ハッ!?」

 なにその今気付きましたみたいな反応!

「確かにそうなると恋愛対象……いや、肉体関係対象をどちらにするかが大問題だぞ」

 知るか。

「いや、俺はあっちで女の身体でも何人もの女を手籠めにしてきた……! 何も問題はないッ!」

「最低通り越して殺してやりたいわっ!」

 こいつ、異世界召喚だかなんだか知らないがあっちで思い切り楽しんでたんじゃねぇかよ!

 何人もの女を? 手籠め!?


 うらやましぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!

「よし俺は決めた! 俺はこっちで元の身体を取り戻す! そしてハーレムを作るのだ!」

「待て待て。お前は元の身体を手に入れる方法分かってるのか?」

「勿論だぜ! 今までは出来なかったがこちらに帰ってこれたなら俺は元に戻れるぞ! その為にはお前に協力してもらう事になるからよろしくっ!」

 こいつは……何を言ってるんだ。
 元の身体に戻る方法が分かっているとして、何故俺がそれに強力しなきゃならない。

「雪を寝取ったんだからそれくらい許容しやがれ」

 ……それを言われると辛いが……しかし……。

「なぁ頼むよ。協力してくれたら乳くらい揉ませてやるからさぁ」

 茜が長い黒髪をなびかせながら俺の腕に絡みつき、胸を押し当ててくる。

 ぐっ! そんな誘惑には……屈しな……や、やわらか……いっ!


「ねぇ。居るんでしょ? 入るよー? 誰と話してるの?」

 窓を開け放って茜と大騒ぎしていたから外に声が漏れていたのだ。

 まずい。
 今日は、雪が家に……!

「ねぇってば! ……秋君……その子……誰?」

 ヤバいヤバいヤバい!
 誰がどう見たって浮気現場じゃん!!

「お、おい雪……これには訳が、こいつはあか」

「茜君!?」

 ……へ?

 これには茜本人も驚いたみたいだ。

「なんで俺が茜って分ったんだ?」

「分かるよ! そんなの、好きな人の事なんて姿が変わっててもすぐに分かるよ! だって女の子の姿をしててもその目と目の間隔、瞼から眉までの距離、驚いた時にネコの威嚇みたいになるその手の癖! 分かるに決まってるじゃん!!」

 ……死にたい。
 雪はもう完全に茜しか見ていない。
 俺の目の前でどうどうと、好きな人、と言い放ってるしストーカーじみた観察眼を披露している。

「という訳で秋君、別れてくださいっ!」

「ざけんなゴルァっ!!」

「おいおい。男の嫉妬は醜いぞ? こいつは俺の事をずっと好きでいてくれて、こんな姿になっても気付いてくれたんだ。どう考えたって結ばれる運命だろ?」

 そうかもしれないけどっ! そうかもしれないけど俺の立場はどうなるんだっ!!

「ねぇ茜君、どうしてそんな姿に? 今までどこに行ってたの? 元の姿には戻れる?」

 ダメだ。雪は俺の事なんか既に眼中にない。
 俺の気持ちとかどうでもよくて、茜に夢中なのだ。

 そりゃそうだろう。そこまで好きと思い続けた相手が帰って来たんだから。

 ……いや、ちょっと待て。

「でもそいつ今女だぞ?」

「戻れるんでしょ?」

 俺の方とチラリとも見ずに雪は茜に問いかける。抱き着きながら。

「あぁ、勿論元に戻れるさ。……でもな、一つだけ分かってほしい事がある」

「なぁに?」

「俺は元の身体を手に入れたらハーレムを作る! 雪はそれでもいいか? 勿論誰よりも愛する事を約束するぞ」

 いいわけねぇだろ馬鹿なのかこいつ。

「いいよ♪」

「うっそぉぉぉぉ!?」

「なんかさっきから元彼がうるさいんですけどぉ?」

 一瞬で元カレ扱い。しかも態度冷たすぎんか?
 泣くぞ?

「雪、そんな事言うな。こいつは俺の親友だし、何より……」

「な、なんだよ。」

 茜は雪の腰に手を回しながら俺を見つめる。

「こいつも俺のハーレムの一員なんだからな」

「うっそぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 なんでそうなるの!? バカなの!?

「俺男じゃん!!」

「お前は今の俺の外見どう思う?」

 ……どう思うって……そりゃ……。

「めっちゃ可愛いけど……」

「だったら大丈夫だ。キスしようぜ」

 なんでそうなるの!? バカなの!?

「えー? 雪としようよ?」

「雪とするのはこいつの後だ。可愛がってやるから……な、協力してくれよ」

「うん♪」

 うん♪ じゃねぇだろうが!!

「ハッ!?」

 取り乱している間に雪がドアの前に立ち退路を塞ぐ。

「ねぇ……あ・き・く・ん♪」

 なんだかいつもより色気が何倍も増した目で俺に迫ってくる。

 雪が、俺に……っ!

「……えっ?」

「今よ茜君! やっちゃって!」

 俺は雪に羽交い絞めにされていた。
 抵抗しようとしたが、思いのほか力が強い。

「さぁ、覚悟しろ。美少女とキスできるんだありがたく思えよ」

「や、やめろ……!」

「実はな、俺がこの体になったのは呪いのせいなんだ。……本当に信頼している相手とのキスでそれは解除される。これは本当の話だ。信じてくれ。そして俺を男にしてくれ!」

 し、信じてやってもいいがその「男にしてくれ」っていうのやめて! 怖い!!

 で、でも……中身が糞野郎な茜だったとしても!
 今はどうみたって美少女!

 だからキスくらい……キスくらいなら……!


 いや、ちょっと待て。
 呪いが解けたらキスした状態で男に戻るって事だよな!?

「や、やっぱりいや……」

 俺の言葉はそれ以上紡ぎ出す事ができなかった。

 茜が俺の顔を両手で掴み、少し背伸びをしながら俺にキスをした。

 父さん、母さん……ごめんなさい。
 雪ともまだした事なかったのに……。

 パァっと茜の身体が光に包まれ、俺のよく知っている姿になった。

「ぷはぁっ……ほ、本当に……呪いが解けたのか?」

「茜君おかえりなさいっ♪」

 そして二人は俺の目の前で濃厚なキスをぶちかましやがった。

 うらやましぃぃぃぃぃぃっ!!

 うらめしぃぃぃぃぃぃぃっ!!

「……も、もう用はないだろう? さっさとどっかいけよ! もう俺の前に姿みせんな馬鹿野郎!!」

 俺はめちゃくちゃ惨めな気持ちだった。
 こいつらが居るともう自分を保てそうにない。

「何言ってんだよ。言っただろ? お前も俺のハーレムの一員だってな」

「何を馬鹿な事を言っ……て……?」

 ふと、自室の鏡が目に入る。
 そこに映っている一人の男と二人の女。

 男は茜。
 女は雪。

 ……と、誰か。

「……は?」

「さっき少しだけ嘘をついた。俺にかけられた呪いは、本当に信頼している相手に女体化を押し付ける事で解除される」

「はぁぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁぁっ!?」

「秋君……ううん、もう秋ちゃん、かな? 可愛いよ♪ 私、秋ちゃんとなら仲良くなれるかも……♪」

 そう言って雪が俺の手を握った。

「すっごく可愛い。秋ちゃんとなら……いろんな事してみたいな……♪」

 ……マジで?
 え。いいの?

 そういうのアリなの?

 だったらこれはこれでいいかも……。

「おお、雪も秋彦……秋ちゃんの事を気に入ったみたいで良かったぜ! じゃあ今からさっそく……」


 ……ん?
 ちょっと待って。

 待て待て待て。
 いや、それは違うだろ。
 嘘だと言ってくれ。

「今から三人で楽しもうかっ!!」

「いやだぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっ!!」


 ちなみに、心から信じている相手とのキスで解除されるのは俺も同じらしい。

 だが、俺には当分人を信じる事ができそうになかった。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

静内燕
2020.09.16 静内燕

初めまして、TS女の子っていいですよね(^_-)-☆

解除

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームのヒロインなんてやりませんよ?

メカ喜楽直人
ファンタジー
 一年前の春、高校の入学式が終わり、期待に胸を膨らませ教室に移動していたはずだった。皆と一緒に廊下を曲がったところで景色が一変したのだ。  真新しい制服に上履き。そしてポケットに入っていたハンカチとチリ紙。  それだけを持って、私、友木りんは月が二つある世界、このラノーラ王国にやってきてしまったのだった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

俺のチートが凄すぎて、異世界の経済が破綻するかもしれません。

埼玉ポテチ
ファンタジー
不運な事故によって、次元の狭間に落ちた主人公は元の世界に戻る事が出来なくなります。次元の管理人と言う人物(?)から、異世界行きを勧められ、幾つかの能力を貰う事になった。 その能力が思った以上のチート能力で、もしかしたら異世界の経済を破綻させてしまうのでは無いかと戦々恐々としながらも毎日を過ごす主人公であった。 

全てを奪われ追放されたけど、実は地獄のようだった家から逃げられてほっとしている。もう絶対に戻らないからよろしく!

蒼衣翼
ファンタジー
俺は誰もが羨む地位を持ち、美男美女揃いの家族に囲まれて生活をしている。 家や家族目当てに近づく奴や、妬んで陰口を叩く奴は数しれず、友人という名のハイエナ共に付きまとわれる生活だ。 何よりも、外からは最高に見える家庭環境も、俺からすれば地獄のようなもの。 やるべきこと、やってはならないことを細かく決められ、家族のなかで一人平凡顔の俺は、みんなから疎ましがられていた。 そんなある日、家にやって来た一人の少年が、鮮やかな手並みで俺の地位を奪い、とうとう俺を家から放逐させてしまう。 やった! 準備をしつつも諦めていた自由な人生が始まる! 俺はもう戻らないから、後は頼んだぞ!

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

【完結】貴方たちはお呼びではありませんわ。攻略いたしません!

宇水涼麻
ファンタジー
アンナリセルはあわてんぼうで死にそうになった。その時、前世を思い出した。 前世でプレーしたゲームに酷似した世界であると感じたアンナリセルは自分自身と推しキャラを守るため、攻略対象者と距離を置くことを願う。 そんな彼女の願いは叶うのか? 毎日朝方更新予定です。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結】パーティに捨てられた泣き虫魔法使いは、ダンジョンの階層主に溺愛される

水都 ミナト
ファンタジー
【第二部あらすじ】  地上での戦いを終え、ダンジョンに戻ったエレインは、日々修行に明け暮れつつも、ホムラやアグニと平和な日々を送っていた。  ダンジョンで自分の居場所を見つけたエレインであるが、ホムラに対する気持ちの変化に戸惑いを覚えていた。ホムラもホムラで、エレイン特別な感情を抱きつつも、未だその感情の名を自覚してはいなかった。  そんな中、エレインはホムラの提案により上層階の攻略を開始した。新たな魔法を習得し、順調に階層を上がっていくエレインは、ダンジョンの森の中で狐の面を被った不思議な人物と出会う。  一方地上では、アレクに手を貸した闇魔法使いが暗躍を始めていた。その悪意の刃は、着実にエレインやホムラに忍び寄っていたーーー  狐の面の人物は何者なのか、闇魔法使いの狙いは何なのか、そしてエレインとホムラの関係はどうなるのか、是非お楽しみください! 【第一部あらすじ】  人気の新人パーティ『彗星の新人』の一員であったエレインは、ある日突然、仲間達によってダンジョンに捨てられた。  しかも、ボスの間にーーー  階層主の鬼神・ホムラによって拾われたエレインは、何故かホムラの元で住み込みで弟子入りすることになって!? 「お前、ちゃんとレベリングしてんのか?」 「レ、レベリング…?はっ!?忘れてました……ってめちゃめちゃ経験値貯まってる…!?」  パーティに虐げられてきたエレインの魔法の才能が、ダンジョンで開花する。  一方その頃、エレインを捨てたパーティは、調子が上がらずに苦戦を強いられていた…  今までの力の源が、エレインの補助魔法によるものだとも知らずにーーー ※【第一部タイトル】ダンジョンの階層主は、パーティに捨てられた泣き虫魔法使いに翻弄される ※第二部開始にあたり、二部仕様に改題。 ※色々と設定が甘いところがあるかと思いますが、広いお心で楽しんでいただけますと幸いです。 ※なろう様、カクヨム様でも公開しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。