466 / 476
第450話:ぶっころ。
しおりを挟む「行くぞティ……えっと……ティララ」
くそっ、慣れねぇなぁ。
「照れちゃってかーわいーっ♪ 食べちゃいたいっ!」
「やかましいっ! お前が言うとどっちの意味なのか分からねぇんだよ!」
キララに至っては一度俺の内臓の味見してやがるからな……。
「大丈夫だから不安がらないで。私達はミナト君を守る為にここに居るんだから。絶対に君を殺させたりしない。勿論、私にもね」
私にもってなんだよ……。
「これは……どうにも分が悪いですねぇ……どうしたものか」
「教えてやろうか? おとなしく諦めなっ!」
まずは俺が先行してディーヴァを振り下ろす。
ギャルンは障壁を張り俺の攻撃を受け止めるが、すぐさま右腕を竜化させカオスリーヴァの力を全力で叩き込む。
直撃すれば塵も残らない程の威力だっただろうが、障壁をぶち抜く一瞬のタイムラグでギャルンは体をにょろりと細長く変化させてその場を逃れる。
気持わりぃ避け方しやがって……!
逃げた先には既にティララが回り込んでいて、巨大なダンテヴィエルを軽々と振り回しギャルンを切りつける。
あっさりとギャルンは三つに切り裂かれるも、それぞれが地面に落ちると同時に物凄い速さで駆け回り、俺達から距離をとって再び一つに結合する。
「うげげ……あいつの戦い方気持ち悪いんだゾ」
それは同感だ。
器用に逃げ回っているが、弱体化したギャルンが俺達に勝てる筈がないだろ。
俺はギャルンに対して風魔法を放つ。
それに合わせるようにティララが炎魔法を重ね、炎の渦がギャルンへと襲い掛かった。
「今更私に魔法なんて効くと思っているのですか!?」
ギャルンが自分の目の前に鏡のような物を生み出す。
また魔力を吸収するつもりなのかと思ったが、どうやら別の魔法らしい。
その鏡に炎の渦が映った瞬間、まるで奴が操っているかのように炎の渦が向きを変えてこちらに襲い掛かってきた。
しかも二つに増えて。
複製と反射……おそらくアルマの館でグリゴーレ・デュファンとの戦いから発想を得ているんだろう。
だとしたらこちらも同じようにしてやればいい。
ティララに向かった魔法はダンテヴィエルによって一刀両断されているので心配は要らない。
こちらに飛んできた魔法は……。
「カット! コピー! ペースト! コピー! ペースト! コピー! ペースト! 食らいやがれ!!」
大量の炎の渦を発生させ、それら全てをギャルンに向けて放つ。
「ちっ……!」
ギャルンはそれぞれに対応させる為の鏡を大量に生み出した。
さらに倍にしてこちらへけしかけるつもりだろうがそんなもの一時しのぎにしかならねぇぞ!
炎の渦への対処で手一杯になっている間に俺とティララはギャルンの背後へ転移し、それぞれダンテヴィエルとディーヴァを構え、無防備なギャルンの背中を同時に切りつけた。
ガイィィィン!!
器用な事にギャルンはこの状況も予測して背後にも障壁を張っていた。
しかし、ダンテヴィエルとディーヴァが同時に障壁にぶつかったその時、二つの剣が共鳴するかのように光り輝き、その威力を増した。
「私達の初めての共同作業だゾっ! ギャルン入刀っ!!」
「気持悪い事を……言うなっ!!」
そして力づくで無理矢理障壁を破壊。
刃はギャルンまで届かなかったが、衝撃で奴を吹き飛ばす。
「はぁ……はぁ……っ」
「おいおい肩で息してるじゃねぇかギャルンらしくもねぇ」
「……っ」
とうとう言い返す余裕も無くなったか。
「ふ、ふふふ……なぁに、まだ、まだ……です」
本当にしぶとい野郎だな……。
「なぁギャルン……お前には今まで幾度も絡まれてその度に本当に俺はムカついたし嫌な思いも沢山したしお前の事をぶっ殺してやりたかったよ」
「……貴女にそこまで想われていたとは、しりません、でしたね……」
「けっ、言ってろ。……でもな、お前との因縁も終わりにしようぜ。もうお前の面は見飽きたよ」
俺が見てきたのはほとんど能面みたいな仮面だけどな。
俺はゆっくりと腕をギャルンに突き出し、親指を下に向けてギャルンに最終通告。
「そろそろ死んどけ」
その合図はギャルンに対しての死刑宣告と同時に、その背後に迫っていたイリスへのGOサインでもある。
「やっちまえ!」
「ぶっ……ころっ!!」
ギャルンにかなりの力を奪われたイリスだったが、その失われた部分をネコの身体に入っている謎の少女のバフで補い、遜色ない程のオーラを身に纏っていた。
『イリスの力をあそこまで補うほどの強化なんてそう長続きするもんじゃないわ。使用者にもそれなりの負担がかかっているはずよ』
だとしても問題は無い。
この一撃で終わらせろ。
「ぐっ、ぬぅぅぅぅ……っ!!」
ギャルンはギリギリで身体を捻り、必死に避けようとするがイリスの一撃はあまりにも強力だった。
中心からはズレたものの、ギャルンの身体のほとんどがその一撃で吹き飛び、左腕だけがびちびちと痙攣しながらその場に残り……やがて動かなくなった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦国鍛冶屋のスローライフ!?
山田村
ファンタジー
延徳元年――織田信長が生まれる45年前。
神様の手違いで、俺は鹿島の佐田村、鍛冶屋の矢五郎の次男として転生した。
生まれた時から、鍛冶の神・天目一箇神の手を授かっていたらしい。
直道、6歳。
近くの道場で、剣友となる朝孝(後の塚原卜伝)と出会う。
その後、小田原へ。
北条家をはじめ、いろんな人と知り合い、
たくさんのものを作った。
仕事? したくない。
でも、趣味と食欲のためなら、
人生、悪くない。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる