★完結!★【転生はもう結構です!】崖から落とされ死んだ俺は生き返って復讐を誓うけど困ってるドラゴン助けたら女になって娘が出来ました。

monaka

文字の大きさ
上 下
192 / 476

第186話:再会。

しおりを挟む
「わぁ~ごしゅじん懐かしいですねぇ♪」

「あ? 何が?」

 馬車から外を眺めていたネコが手招きで俺を呼ぶので隣へ行く……が、特に代わり映えの無い道と何の変哲も無い木々ばかり。

「うにゃ……覚えてないんですかぁ? ここは私とごしゅじんが初めて会った場所のすぐ近くですよぅ♪」

 初めて会った場所……って事はネアルの近くか。

 シャンティア方面に向かっている筈だったが……ルートはおっちゃんにまかせっきりなので特に意識してなかったな。

「この道を進むと前にオネーサン達を乗せて走った道に合流するネ! そこからシャンティア方面に分岐するのヨ」

 顔だけ出してる俺達におっちゃんが解説してくれた。
 前を見ながら大声だしてちゃんと俺達に聞こえるように説明してくれてるのでちょっと大変そう。

 俺にはここがネアルの近くだとか全く分からないんだけどネコはなんで分かったんだ?

『シャンティアからリリア方面に向かう時も通ったからじゃないかしら?』

 あー、ネコっていつも外眺めてるような印象あるもんな。イリスもそうだけど。

『というか君があまりにも景色とかそういうのに興味なさすぎるだけなんじゃない?』

 それはあるかもしれないなと思った。
 別に興味が無い訳じゃないんだけど、外の景色を眺めた所で俺にはそれがどこだか分からないし次に同じところ通ったとしても覚えてるとは思えないんだよなぁ。

『そういうんじゃなくて、ネコちゃんからしたらこういう道を通った、とかそういうのも君と一緒の思い出になってるんじゃない?』

 そんなもんかねぇ?

 ネコの様子をしばらく観察していると、今度はイリスを呼んで一緒に外を眺めながらキャッキャしている。

 イリスにも楽しい思い出が増えていくのは良い事だしありがたいとは思う。

 ……イリスにとっていい思い出になっているんだとしたらネコにとってもそうなのかもしれないなぁ。
 出会ったばかりの頃にも思ったけれど、ネコとイリスの精神年齢が近いんだろうか?

「どーするネ? ネアルに用があるなら寄ってくヨ!?」

「いや、大丈夫だよ。ネアルに特別な思い入れがあるわけじゃねぇし、このままシャンティアに行ってくれ」

「りょーかいネ!」

『つまりシャンティアには特別な思い入れがある、と?』
 うっせぇな邪推するなよ。あいつらにも適度に顔を出してやらないと心配させるだろ? もうあれから結構経っちまってるしさ。

 俺達がリリアを出発してからどのくらい経っただろう?
 そんなに経ってないようにも思うし、大分長い間帰ってきていなかったようにも思う。

「……帰ってきたのだなダリル王国に」

 そう呟いてなにやら一人頷いているのはアリア。
 彼女は何故か馬車の隅っこで目を瞑ってじっと座っていた。

「兄上は元気にやっているだろうか……」

 そう言えばアリアはなし崩しで俺達と一緒に来る事になったからあんなに遠出する事になるとは思わなかっただろう。

「随分長い事連れまわしちまって悪かったな」

「いや、ミナト殿が謝る事など何もない。私が勝手について行っただけだ。それに……」

 アリアの言葉が途切れる。

「それに?」
「いや、なんでもない」

 結局アリアはその先を教えてはくれなかった。
 ただ、こちらを見てにこりと微笑んでいたのできっと悪い内容ではないだろう。
 というかそう思いたい。

 その後、俺が居眠りしている間に馬車が魔物に囲まれたりしたらしいけどイリスが嬉々として大暴れして解決したらしい。

 今はネコと二人でだらしない顔で眠っている。
 イリスはネコに抱き着くような体制でぐっすりだった。

「こうしていると普通の人間のようだな」

 アリアが二人を見て優しい笑顔を浮かべる。

「今再び魔物が現れようものなら今度は私が速やかに退治してやるから。私にもそれくらいなら出来る」

 よくよく考えたら今のメンバーって六竜二人と六竜の娘か……。
 こんな奴等に囲まれていたらアリアも気負って当然だろうなぁ。

 でもアリアもダリルを出発した頃に比べれば相当力を付けている。
 拠点を構えてから俺と特訓を続けて新しい戦い方もできるようになった。
 それに、俺が居ない間にもいろいろ修行していたみたいだし彼女の実力は信頼に値する。

 仮に英傑祭に出ていたらそれなりにいい所まで行けたはずだ。

「もうすぐシャンティア着くヨ」

 おっちゃんの声に窓の外を覗けば、懐かしいシャンティアの街並みが遠目に見えた。
 どうやらアリアの出番はなさそうだ。

「ミナト様! またお会いできる日を首を長くしてお待ちしておりました!」

 ノインの家を訪ねようとした所、門を叩く前に偶然ばったりとレイラに出くわして、思い切り飛びつかれてしまった。

「お、おいレイラ……」

「も、申し訳ありません。嬉しさのあまりつい……もうこちらに寄っては頂けないのかと心配しておりましたもので……」

「もうお姉ちゃん……嬉しいのは分かるけど買って来た食材放り出さないでよ……」

 ぶつぶつ呟きながら地面に広がった果実などを拾い集めているのはレイラの妹のレイン。

「ひさしぶりーっ♪」
「はい♪ お久しぶりです」

 イリスはレインが拾うのを手伝いながら、再会を喜んだ。
 こんなふうにイリスが友達と会って喜ぶってのも感慨深い。

『……いい娘に育ってるわね』
 ああ、俺達の娘だもん当然だろ?

『イリスの事は勿論そうなのだけど、私が言ったのはレイラとレインの事よ? そろそろ食べ頃じゃない?』

 ば、馬鹿言ってんじゃねぇよお前の頭の中はそればっかりか!

『私の頭って君の頭の中なんだけど?』
 そういう屁理屈はいいから!

 まったく。

「外が騒がしいから何事かと思えば……珍しい顔が来ているじゃないか。さぁ、中に入りたまえ。今日は沢山食事を用意しなければな」

 家の中からノインが出てきてそんな事を言うもんだからネコが大歓喜。

 頼むからノイン家の財政を苦しめるほど食うんじゃねぇぞ……?



――――――――――――――――――――
今回から新章突入! 舞台は再びダリル王国へ。
という事はまずここに寄っておかないとですよね。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。  帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。  しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。  自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。   ※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。 ※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。 〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜 ・クリス(男・エルフ・570歳)   チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが…… ・アキラ(男・人間・29歳)  杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が…… ・ジャック(男・人間・34歳)  怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが…… ・ランラン(女・人間・25歳)  優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は…… ・シエナ(女・人間・28歳)  絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

処理中です...