海風のルシファー

君は優しいクロネコ

ねぇ、知ってる？

うちの会社の部署にいる「クロネコ」。 

うん。最近有名だよね。

窓越しに聞こえてくる会話に耳を傾ける
「クロネコね…ぇ…」
もちろん知ってますとも。
     この会社の変な捜査ばかり取り扱ってる、うちの部署では特に。

「クロネコ」通称クロ
今から2年ほど前に付けられた名前だ。
    男なのだが、いつも暗い印象でなんだか話しかけにくい。それが彼だ。

私が仕事をしている会社は世間一般ので言う、
「警察」だ。
その面では、彼「クロ」は完璧なまでに仕事をこなす。

私は、束になったプリントを「クロ」に渡す仕事が主な事務作業。今までの犯罪などをまとめている。


「守沢…春さん」
私の名前がゆったりとした口調で呼ばれる
「あ、はい！署長…」
肩を揺らすと署長は驚きながらも優しく微笑んだ。
「守沢君、君はまだ特殊部隊には配属されていなかったよね？」
「はい。そうです。」
特殊部隊。私たちの部署はそれぞれ一人づつ
特殊部隊という、部隊に配属されている
「で…実は、君に入ってもらいたい部隊があってね…」