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第二部 第七章 対峙
対峙3
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なぜかまわりの景色がぐるぐると渦を巻いて見える。気付けば部屋にいた者は全員、南海の普陀落山の頂上にいた。
その山は八角形の形状をしており細い頂点ごとに八人が一人ずつ腰かけている。下を見れば小石がころころと転がっていく崖である。皆立つこともできず、動くこともできない。
環野はもはや人間ではなく観世音菩薩の姿をとっており、隣の頂点に立つ磁路も顕聖二郎真君の鎧を身にまとっていた。
「私は観世音菩薩。人間如きに私の会社が潰せるものか。やれるものならやってみるがいい」
玄奘の父は動揺こそしているものの、それでもまだ言い返す気力は残っていた。
「なんだ、このまやかしは。私の権力を甘く見ているようだな。取引先の銀行に圧力をかけてすべての融資を凍結させよう。所属タレントの捏造報道を全国誌に売ってもいい。私の息子のために金は惜しまぬ」
「息子のためじゃねえだろ。お前は自分のために玄奘を利用しようとしているだけだっ」
悟空は言った。握りしめた爪の先がひどく尖っている。腕にはふさふさとした毛が生えている。
これはおかしいと周囲を見れば、八戒と悟浄はそれぞれ妖怪の姿になっていた。
環野、磁路だけではなく、気付けば悟空、八戒、悟浄もそれぞれ天竺への旅路を行った孫悟空、猪八戒、沙悟浄という前世の風貌になっている。
悟空は自分の身体がひどく軽いことに気がついた。身体を捻ればどこまででも飛んでいけそうだ。
玄奘は容貌も変わらず、服も変わっていない。驚いた顔で仲間の顔を見回していた。
悟空は再び口を開く。
「おれらの師には崇高な理想がある。親だからって邪魔していいはずがねえ」
悟空は危なげなく立ち上がった。耳から使い慣れた 如意金箍棒を取り出してぶんぶん振り回しながら言う。
この重さ、前腕にずしんとくる遠心力、待ちに待っていた如意金箍棒の感触に身体の細胞一つ一つが喜んでいるのがわかる。柔毛をちぎって投げ上げればきっとその一本一本が分身に変化するだろう。不老不死の身体とはこんなにも生命力が満ち満ちているのだ。
「む、……無関係な者が口を挟むのは慎んでもらおう」
玄奘の父も豪胆である。自分の縄張りから遠く離れたところに飛ばされ、珍奇ないでたちの者に囲まれていてもまだ人を見下すことができる。
悟空は頷き、玄奘を守れるのは自分しかいないことを自覚した。悟空はしゅたっと九尺ほどの距離を飛び跳ねて玄奘の盾になるようにその前に立った。そして、天地万物に宣言するように声を張り上げた。
「玄奘のことをこの世で一番思ってんのはおれだよ。玄奘を守るのもおれの仕事だ。もう決めた。玄奘の一番そばにいるのがおれ。今もこれからもずっと」
どこかから管楽器の勇ましい音と鼓板と小鑼の激しいリズムが聞こえてくる。心が沸きたち、底知れぬエネルギーが湧いてくる。天に斉しい神通力を持つ斉天大聖孫悟空の登場である。
玄奘は再び涙を流している。
「悟空……」
悟空は振り返って玄奘に言った。
「おれはもうあなたを二度と離しませんけど、覚悟はできてます?」
玄奘は何度も頷きながら言った。
「覚悟などとっくにできている」
環野が玄奘に再び問うた。
「玄奘、私の会社は潰れようもない。自分の進むべき道は自分で選び取るがいい」
悟空は玄奘の耳元に囁いた。
「もし玄奘が議員になりたいのならおれは秘書になってもいいです。どんな道を選んでもおれはそばにいますから」
悟空の優しさに思わず玄奘は頬を緩める。
「さあ玄奘、どうする」
環野に促され、玄奘は唾を飲み込んでから口を開いた。
「私は……」
玄奘の父が遮るように大声を出す。
「言うな、玄奘っ。お前にとって一番幸せな道は私の後を継ぐこと以外にはないっ」
「まだ言うか、クソ親父め」
二郎真君は玄奘の父につかつかと近寄り、張り手をかました。顔を派手に歪ませながら、大きくよろけた玄奘の父は大声を上げて崖の下に落ちていく。
「ふう、すっきりした」
「父さんっ」
さすがの玄奘も青ざめた。
しかし、二郎真君が指をちょいと動かすと、ふわふわと玄奘の父は浮かんで崖の上に戻ってきた。頬には張り手の痕さえない。
「あ……ああ……」
玄奘の父は何も言えずに地面に両手をついている。ぜえぜえと荒い息だけをつき、何を言う力も残っていない。とうとう反論する気力も尽きたようだった。
父親の無事を見届けた玄奘はゆっくりと話し始めた。
「あの……実は新曲のメインボーカルではないと聞かされたとき正直悔しくて、ジャニ西にもう私の力は必要ないのかと思ったのは事実です。新しいメインボーカルの悟空はたくさんの仲間に慕われているし人望もある。一方の私には親しい友人もほとんどおらず、頼りがいもない。私がいなくなってもジャニ西はやっていけるだろうと」
「そんなこと」
玄奘の言葉を遮ろうとする悟空を、玄奘は優しく首を振ってとどめた。
「わかっている。今はそんなことは思っていない。四人の声が響きあってこそのジャニ西だ。それに何といっても、その人望もあって能力もあって優しくて強い悟空のことを……私自身が手放したくないと思うようになっていた」
悟空は気を抜くと涙がこぼれそうになるので、必死で唇をかみしめた。
玄奘はついに言った。
「私はJourney to the Westで歌いたい。音楽で人々の力になりたい」
玄奘の確言を待っていたかのように急にびゅうびゅうと風が吹いてくる。台風もかくやという勢いで、各自は普陀落山の崖から振り落とされそうになるのを必死で地にしがみつく。
玄奘から眩しい光が放たれ、次の瞬間玄奘は袈裟を着た坊主になっていた。唐から遠く天竺まで旅をした玄奘三蔵その人である。
風はいよいよ勢いを増し、皆は次々に嵐の中に巻き込まれていく。視界はぐるぐる回る。
「さあ、歌え。Bite the Peachだっ」
二郎真君の掛け声で、Journey to the Westは歌いだした。世界は希望の音で満ちている。
気が付けば、皆はまた玄奘の実家の応接間にいた。玄奘の父は頭を抑えたまま何も言わなかった。
環野は玄奘の母を見た。環野以下ジャニ西のメンバーは人間の姿に戻っている。
「一応聞いておくが、お主の意見は?」
玄奘の母は膝を震わせていたものの、気丈にも蓮っ葉な態度は崩さなかった。
「私は玄ちゃんがやりたいことなら芸能界であっても議員であっても別にどっちでも構わないことよ。新曲は玄ちゃんがメインボーカルじゃないって聞いたから、玄ちゃんの実力をきちんと理解しない事務所からは撤退した方がいいのではなくてって思ってたんだけど。玄ちゃんがそこまでやりたいなら仕方ないんじゃないかしら」
磁路は朗らかに言った。先程玄奘の父を殴ったからだろう。明らかに機嫌が良くなっている。
「母上は、メインボーカルは玄奘こそがふさわしいと考えておられるのだな。親としては自然な感情かもしれぬ」
「だって、あなたたちのグループ、玄ちゃん以外で顔の綺麗な人いないじゃないの」
平然と言い放つ玄奘の母に、八戒はぼやいた。
「あんなこと言ってるぜ、兄貴」
「まあ、否定はできねえけど」
「メインボーカルは顔の良さで決まるものではないと拙者は思うがな」
悟空は玄奘の前に近寄り、手を差し出した。
「さあ帰りましょう、玄奘」
「悟空……」
玄奘が悟空の手を取り、立ち上がった瞬間、振り絞るような声がした。
「行くな……」
玄奘の父だった。
振り返る玄奘を気遣わし気に悟空は見る。磁路が玄奘の背を軽く押した。
「親子であったとしても無理に和解する必要はない」
玄奘はきっぱりと。しかし優し気な、父とよく似た声で言った。
「父さん、私の志を邪魔だてするのであればここでお別れです。しかし父さんが私の意志を理解してくれて、またお会いできる日がくることを待っています。さようなら」
玄奘を取り戻した一行は、再び環野の運転により飛ぶような速さで会社に戻った。
玄奘は改めて社長に礼を言った。
「ご迷惑ばかりおかけして大変申し訳ございません。迎えに来てくださり、御尽力大変ありがとうございます」
「『愚者が己を愚であると知れば、賢者である』とはブッダの言葉だ。自らの足らぬところを自覚するところがまず悟りを目指すための第一歩となる。そなたは前世の高僧と異なり仏教の修行をしておらぬ。俗世でも精神の修養は可能であると今後の生き様で証明してみるがいい」
「肝に銘じます。ありがとうございました。」
玄奘は神妙に合掌した。
悟空は首を捻りながら話半分で聞いている。相変わらず環野の話はよくわからない。
環野はさっときびすを返して去っていった。
「言うことだけ言って謎めいて去っていく。あれができたらモテんだろうなあ」
八戒は指をくわえながら言うと、悟空は腕を組む。
「まあ、無駄口ばかり叩くオメーには無理だろうなあ」
「玄奘の父が脅してたけど、うちの会社潰れねえのかな」
八戒の疑問には悟浄が答える。
「観世音菩薩の社長が太鼓判を押しておる。どうということもないのだろう」
「いいなあ、俺も絶対つぶれない会社欲しいなあ」
「オメーは会社経営より食っちゃ寝していざとなったら会社放り出して逃げられるヒラ社員が似合いだよ」
「違えねえや」
八戒は腹をかかえて笑った。
その山は八角形の形状をしており細い頂点ごとに八人が一人ずつ腰かけている。下を見れば小石がころころと転がっていく崖である。皆立つこともできず、動くこともできない。
環野はもはや人間ではなく観世音菩薩の姿をとっており、隣の頂点に立つ磁路も顕聖二郎真君の鎧を身にまとっていた。
「私は観世音菩薩。人間如きに私の会社が潰せるものか。やれるものならやってみるがいい」
玄奘の父は動揺こそしているものの、それでもまだ言い返す気力は残っていた。
「なんだ、このまやかしは。私の権力を甘く見ているようだな。取引先の銀行に圧力をかけてすべての融資を凍結させよう。所属タレントの捏造報道を全国誌に売ってもいい。私の息子のために金は惜しまぬ」
「息子のためじゃねえだろ。お前は自分のために玄奘を利用しようとしているだけだっ」
悟空は言った。握りしめた爪の先がひどく尖っている。腕にはふさふさとした毛が生えている。
これはおかしいと周囲を見れば、八戒と悟浄はそれぞれ妖怪の姿になっていた。
環野、磁路だけではなく、気付けば悟空、八戒、悟浄もそれぞれ天竺への旅路を行った孫悟空、猪八戒、沙悟浄という前世の風貌になっている。
悟空は自分の身体がひどく軽いことに気がついた。身体を捻ればどこまででも飛んでいけそうだ。
玄奘は容貌も変わらず、服も変わっていない。驚いた顔で仲間の顔を見回していた。
悟空は再び口を開く。
「おれらの師には崇高な理想がある。親だからって邪魔していいはずがねえ」
悟空は危なげなく立ち上がった。耳から使い慣れた 如意金箍棒を取り出してぶんぶん振り回しながら言う。
この重さ、前腕にずしんとくる遠心力、待ちに待っていた如意金箍棒の感触に身体の細胞一つ一つが喜んでいるのがわかる。柔毛をちぎって投げ上げればきっとその一本一本が分身に変化するだろう。不老不死の身体とはこんなにも生命力が満ち満ちているのだ。
「む、……無関係な者が口を挟むのは慎んでもらおう」
玄奘の父も豪胆である。自分の縄張りから遠く離れたところに飛ばされ、珍奇ないでたちの者に囲まれていてもまだ人を見下すことができる。
悟空は頷き、玄奘を守れるのは自分しかいないことを自覚した。悟空はしゅたっと九尺ほどの距離を飛び跳ねて玄奘の盾になるようにその前に立った。そして、天地万物に宣言するように声を張り上げた。
「玄奘のことをこの世で一番思ってんのはおれだよ。玄奘を守るのもおれの仕事だ。もう決めた。玄奘の一番そばにいるのがおれ。今もこれからもずっと」
どこかから管楽器の勇ましい音と鼓板と小鑼の激しいリズムが聞こえてくる。心が沸きたち、底知れぬエネルギーが湧いてくる。天に斉しい神通力を持つ斉天大聖孫悟空の登場である。
玄奘は再び涙を流している。
「悟空……」
悟空は振り返って玄奘に言った。
「おれはもうあなたを二度と離しませんけど、覚悟はできてます?」
玄奘は何度も頷きながら言った。
「覚悟などとっくにできている」
環野が玄奘に再び問うた。
「玄奘、私の会社は潰れようもない。自分の進むべき道は自分で選び取るがいい」
悟空は玄奘の耳元に囁いた。
「もし玄奘が議員になりたいのならおれは秘書になってもいいです。どんな道を選んでもおれはそばにいますから」
悟空の優しさに思わず玄奘は頬を緩める。
「さあ玄奘、どうする」
環野に促され、玄奘は唾を飲み込んでから口を開いた。
「私は……」
玄奘の父が遮るように大声を出す。
「言うな、玄奘っ。お前にとって一番幸せな道は私の後を継ぐこと以外にはないっ」
「まだ言うか、クソ親父め」
二郎真君は玄奘の父につかつかと近寄り、張り手をかました。顔を派手に歪ませながら、大きくよろけた玄奘の父は大声を上げて崖の下に落ちていく。
「ふう、すっきりした」
「父さんっ」
さすがの玄奘も青ざめた。
しかし、二郎真君が指をちょいと動かすと、ふわふわと玄奘の父は浮かんで崖の上に戻ってきた。頬には張り手の痕さえない。
「あ……ああ……」
玄奘の父は何も言えずに地面に両手をついている。ぜえぜえと荒い息だけをつき、何を言う力も残っていない。とうとう反論する気力も尽きたようだった。
父親の無事を見届けた玄奘はゆっくりと話し始めた。
「あの……実は新曲のメインボーカルではないと聞かされたとき正直悔しくて、ジャニ西にもう私の力は必要ないのかと思ったのは事実です。新しいメインボーカルの悟空はたくさんの仲間に慕われているし人望もある。一方の私には親しい友人もほとんどおらず、頼りがいもない。私がいなくなってもジャニ西はやっていけるだろうと」
「そんなこと」
玄奘の言葉を遮ろうとする悟空を、玄奘は優しく首を振ってとどめた。
「わかっている。今はそんなことは思っていない。四人の声が響きあってこそのジャニ西だ。それに何といっても、その人望もあって能力もあって優しくて強い悟空のことを……私自身が手放したくないと思うようになっていた」
悟空は気を抜くと涙がこぼれそうになるので、必死で唇をかみしめた。
玄奘はついに言った。
「私はJourney to the Westで歌いたい。音楽で人々の力になりたい」
玄奘の確言を待っていたかのように急にびゅうびゅうと風が吹いてくる。台風もかくやという勢いで、各自は普陀落山の崖から振り落とされそうになるのを必死で地にしがみつく。
玄奘から眩しい光が放たれ、次の瞬間玄奘は袈裟を着た坊主になっていた。唐から遠く天竺まで旅をした玄奘三蔵その人である。
風はいよいよ勢いを増し、皆は次々に嵐の中に巻き込まれていく。視界はぐるぐる回る。
「さあ、歌え。Bite the Peachだっ」
二郎真君の掛け声で、Journey to the Westは歌いだした。世界は希望の音で満ちている。
気が付けば、皆はまた玄奘の実家の応接間にいた。玄奘の父は頭を抑えたまま何も言わなかった。
環野は玄奘の母を見た。環野以下ジャニ西のメンバーは人間の姿に戻っている。
「一応聞いておくが、お主の意見は?」
玄奘の母は膝を震わせていたものの、気丈にも蓮っ葉な態度は崩さなかった。
「私は玄ちゃんがやりたいことなら芸能界であっても議員であっても別にどっちでも構わないことよ。新曲は玄ちゃんがメインボーカルじゃないって聞いたから、玄ちゃんの実力をきちんと理解しない事務所からは撤退した方がいいのではなくてって思ってたんだけど。玄ちゃんがそこまでやりたいなら仕方ないんじゃないかしら」
磁路は朗らかに言った。先程玄奘の父を殴ったからだろう。明らかに機嫌が良くなっている。
「母上は、メインボーカルは玄奘こそがふさわしいと考えておられるのだな。親としては自然な感情かもしれぬ」
「だって、あなたたちのグループ、玄ちゃん以外で顔の綺麗な人いないじゃないの」
平然と言い放つ玄奘の母に、八戒はぼやいた。
「あんなこと言ってるぜ、兄貴」
「まあ、否定はできねえけど」
「メインボーカルは顔の良さで決まるものではないと拙者は思うがな」
悟空は玄奘の前に近寄り、手を差し出した。
「さあ帰りましょう、玄奘」
「悟空……」
玄奘が悟空の手を取り、立ち上がった瞬間、振り絞るような声がした。
「行くな……」
玄奘の父だった。
振り返る玄奘を気遣わし気に悟空は見る。磁路が玄奘の背を軽く押した。
「親子であったとしても無理に和解する必要はない」
玄奘はきっぱりと。しかし優し気な、父とよく似た声で言った。
「父さん、私の志を邪魔だてするのであればここでお別れです。しかし父さんが私の意志を理解してくれて、またお会いできる日がくることを待っています。さようなら」
玄奘を取り戻した一行は、再び環野の運転により飛ぶような速さで会社に戻った。
玄奘は改めて社長に礼を言った。
「ご迷惑ばかりおかけして大変申し訳ございません。迎えに来てくださり、御尽力大変ありがとうございます」
「『愚者が己を愚であると知れば、賢者である』とはブッダの言葉だ。自らの足らぬところを自覚するところがまず悟りを目指すための第一歩となる。そなたは前世の高僧と異なり仏教の修行をしておらぬ。俗世でも精神の修養は可能であると今後の生き様で証明してみるがいい」
「肝に銘じます。ありがとうございました。」
玄奘は神妙に合掌した。
悟空は首を捻りながら話半分で聞いている。相変わらず環野の話はよくわからない。
環野はさっときびすを返して去っていった。
「言うことだけ言って謎めいて去っていく。あれができたらモテんだろうなあ」
八戒は指をくわえながら言うと、悟空は腕を組む。
「まあ、無駄口ばかり叩くオメーには無理だろうなあ」
「玄奘の父が脅してたけど、うちの会社潰れねえのかな」
八戒の疑問には悟浄が答える。
「観世音菩薩の社長が太鼓判を押しておる。どうということもないのだろう」
「いいなあ、俺も絶対つぶれない会社欲しいなあ」
「オメーは会社経営より食っちゃ寝していざとなったら会社放り出して逃げられるヒラ社員が似合いだよ」
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