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初恋の人 ヤクザ×教育実習生

初恋の人  R18

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 シックな家具で統一された部屋には二人きりだ。ここは須藤が東龍と会う時にいつも指定されるマンションの一室である。

 いつ来ても塵一つ落ちていないが生活感はなく、東龍がここで寝起きしているわけではなさそうだった。須藤が東龍について知っているのは、反社会的組織に属していることと、ピースの煙草と激しい性行為を好むことくらいだ。落としたスマホを東龍が拾ってくれたことが縁で知り合ったが、それも仕組まれていたのかもしれない。そのくらい簡単に須藤は彼の手の中に転がり込んでしまった。


 寝室の大半を占める大きなベッドで、須藤は全裸で両手を頭の上で拘束されている。ダークグレーのシーツに、須藤の白い肌が紅くなっていくのが映える。一方の東龍はサングラスをかけ、乱れなくスーツを着たままで須藤の様子を鑑賞中である。煙草を吸う余裕まである。

「っあ……んっ」 

 須藤はうめき声ともつかない息を吐く。バイブレーションの音が低く響いている。電動アナルビーズが奥まで挿入された孔はだらしなくひくついてローションを垂らしている。既に何度か達している彼の恥骨あたりは精液でべとついている。

 かなりの時間、アナルビーズでの刺激を続けているようだ。普段クールに見える、整った顔立ちの須藤がだらしない顔で喘ぐのが東龍の好みである。

「美人な須藤くんはガッコでは真面目にスーツ着て授業してるくせに、前も後ろもトロトロやんか。エッロい教師やなぁ……」

「……ァあ……僕、まだ教生だし」

 須藤の反論で東龍は吹き出した。何がおかしかったのか、須藤にはわからない。

「エロは自分でも否定せんねやな。教生って先生の卵やろ?同じようなもんや」

「違いますよ」

「ほんまの先生になったらプラス背徳感マシマシや」

 東龍はラーメンを注文する時のように片唇を上げて言った。須藤はその後に続くことばを待っているが、東龍は何も言わない。

(その時も会ってくれるんだろうか……)

 二人の関係には何の保証もない。交際しているとは言えないし、金を受け取っている以上セフレとも言えないだろう。東龍の顔を探るように見つめると、須藤の視線の意図を間違って解釈したらしい。

「なんや、足らんのか」

 咥え煙草のまま、東龍は電動スイッチの強度を上げた。

「ひゃっ……んっ、ぁあっ……」

「俺まだどっこも触ってへんのに。やっらし」

「んっ……だ、だって、……これ、挿れてるから……ンんっあぁあっ」

「前も全然触ってへんのに、もう何度も出してるやろ。悪い事覚えちゃった坊ちゃんは怖いねえ」

 強められたバイブレーションの振動が腸壁を伝って前立腺を刺激する。低く唸るような音が腹の中に響く。先程から軽くイき続けている須藤は、本能の命じるままに快感を追った。脚はその最奥を隠すこともなく左右に広がり、腰は痙攣するように動いている。汗と涎と涙でぐちゃぐちゃな顔で、須藤は喘いだ。

「ぁああつ、当たってる。んっ、ぁあん、そこ……。やぁああっ、はぁん、東龍さん、もっと……、もっと当てて」 

 東龍は目にかかる前髪を軽くかきあげてからサングラスを外した。グラスを通さず直に須藤の痴態を眺めたいのだ。口元を緩めたにも関わらず、目元の傷が顕わになったことで東龍の顔は凄みを増して見えた。須藤は軽く息を呑んだ。恐怖が与える血管の収縮は中心の快楽を余計に高める。

「ほんまに、須藤くんは煽るん上手いなあ。ほら、ここやろ」

 東龍は取っ手を持ち、須藤の良いところにぴったりと当たるように角度を調整してやった。もう数えきれないほど身体を重ねている。お互いの感じる場所は手に取るようにわかる。案の定、須藤はびくびくと身体をくねらせた。

「ぁあっ、んぁあっ、はぁはぁ……ンっ、ぁあっ、イっちゃう、やぁああん、イっちゃう。ぁあん、東龍さぁんっ」

「これって抜くときが一番気持ちええんやろ?なぁ?」

 東龍はアナルビーズを左右に動かしながら少しずつ引き抜いた。小さな玉がその入口を通過する際の刺激で排泄感と爽快感が急に高まっていく。果てしなく揺蕩うような性的快楽の中で、刹那的な爽快さという弾丸に身体が撃ち抜かれていく。

 須藤の脳内では見渡す限りたくさんの桃色の泡がふわふわと浮き、その一つ一つに東龍の顔が描かれている。東龍が(凶悪な顔で)笑うたびにその泡が弾けて陶酔の度合いが増していく。

「ぁああああっん……、ぁあっ……出、ん、出ちゃう……よ。ぁひゃああっんん……んふっぁあっ」

 最後の玉までゆっくり身体の外に引き出された瞬間、須藤は達した。東龍は須藤の汁を指にまとわりつかせながら笑った。

「もうほとんど粘り気もないなぁ。須藤くんのせーし、出し過ぎるから作ってる暇もないねんな」

 「お前らも大変やなぁ。エロ社長が遠慮なく射精するせいで、えらい働かされるなぁ」と須藤の双袋に話しかける東龍を見て、須藤は思わず吹き出した。

「そっ、んな……、僕が精液出してるのは東龍さんのせいっでっ、ごほん」

 勢い込んで反論したせいで、唾が気管に入り須藤は咽せた。東龍はまったく気にすることもなく、自分だけサイドチェストに置かれたグラスから水を飲んで言った。

「俺はビーズ抜いただけやで。勝手に気持ちようなったんやろ、このドエロのガキめ」

 まだ咽せている須藤は反論もできず、恥ずかしそうに目元を伏せた。頬から耳にかけては既に快感で桃色に染まっている。須藤が知る快感は全部東龍が仕込んだくせに。

「ごほん……。あの、僕にも水を……」

 手を動かすことも上半身を起こすこともできない須藤はねだるしかない。

「ん?」 

「水を……」

 横顔の東龍は目だけを動かして須藤を見た。

「欲しいときはちゃんとお願いしぃや。いつも言ってるやろ」

「水を……ください。あの……、東龍さんの……唇から……欲しいです」

 物欲しそうな須藤の唇は少し開いたままだった。満足そうに東龍は頷く。

「わかってるやん」

 東龍は水を口に含んでから須藤の肩を抱き、唇を合わせた。須藤は夢中で飲んだ。水なのか唾液なのかすらわからないまま舌を絡ませる。もっと……、と須藤が口を大きく開けた隙に、東龍はその肩を押しやった。

「おっと……、エロ教師はすぐに舌を入れてくる。あかんよ。今のは水を飲ませただけやで」

 不満そうに須藤は唇を尖らせたが、もう快感に融けた頭では理屈は通らない。とにかくキスを続けたかったのだ。須藤は舌で唇を湿らせて低い声で言った。

「……東龍さん」 

「なんや」 

 須藤は自分の脚を大きく広げた。その最奥を煌々としたライトに見せつけるように腰を高く上げて晒した。本当は自分の指をそこに挿れたかったが、拘束されている腕では困難だ。 

「ひくついとるなぁ」

 須藤の奥まで顔を近づけて観察した東龍はまだ余裕がある。煙草を吸って煙をそこに吹き付けた。柔らかい息で与えられるわずかな刺激でも全身に快感が走る。

「ぁん……。ふぅ……。ねえ……ンん……」

「なんや」

「東龍さんの太いの……欲しいです」

 須藤が言った。縋るように。東龍が好む卑猥な表情で。

 東龍は乱暴に煙草を灰皿でもみ消した。煙草を慈悲なく押し付ける東龍の手つきを見て、須藤はうっとりと息を呑む。煙草みたいに自分のことを容赦なく押しつぶしてほしい。

 勢いよく組み敷かれ、一気に貫かれる。須藤のは東龍の男根をずぶずぶと飲み込んだ。東龍の体重を全身で感じながら最奥までその圧を感じる。須藤は幸せのあまり高い嬌声を上げた。

「ぁあっ、もっと……潰して」

 東龍の腰は最初からがつがつと貪るように動く。飢えた獣が獲物を食い散らかすように、作法とは無縁に。それでもすでに長時間アナルビーズで慣らされていた腸壁は待ちに待った東龍のカタチにうねつきながら絡みついた。

「ぁっ、須藤くんの中、俺の形覚えてるみたいやな。すごい締めつけや。絞り取ろうとしてきて、ン、やらしーカラダやなぁ」 

「ぁああっん、だって……東龍さんの……硬くて大きくて……すごいン、ぁあん、ンっ」

「教師になるくせに、俺みたいな半端者のチンコに夢中になってて、ええんかなぁ。ヤクザと付き合ってる教師なんてあかんやろなぁ。教師になった瞬間辞めさせられるんちゃう?」

 意図的に腰を引き、浅いところばかり当ててくる東龍に、須藤は脚をまきつけた。もっと、もっと奥まで欲しいのだ。

「はあっ、ん、……ん、東龍さん……ン、好き、好きです……ぁあん、もっと……僕を潰して……ァあっ」

「そういや俺に似た生徒がおる言うてたやん。三白眼の、んっふぅ……。須藤くんが目をかけてた生徒、気になるなあ。今度見に行ってヤクザにスカウトしてこよかな」

「はぁん……だ、ダメです。猿田くんは……、真っ当な道を生きていくんです……」 

「なんでヤクザにしたらあかんの?須藤くん、悪いオトコ好きやろ?好みの生徒を好みのヤクザにしたらええやん」

 東龍の腰の動きが一層早くなった。まさか中学生相手に大のヤクザが嫉妬しているのだろうか、と須藤は一瞬だけ怪訝に思ったが、すぐに思考は快感に流された。肉と肉がぶつかる音が激しくなり、同時に須藤のあえぎ声が部屋中に響いた。須藤が望んだように、須藤のすべてを潰すように東龍がのしかかってくる。

「ダメですっ。んっ、ぁああつ、ンひゃああんっ……僕には、ン……東龍さんだけです。はぁああん、東龍さんが好きですっ」

「散々おもちゃでいたずらされて、じらされて、ひどい事されてんのに感じてるんや。あかん先生やなぁ」

「ぁあっ、んっ……東龍さぁん……ぁあん、首、絞めてください」

「はいはい。わかってるで」

 東龍は須藤の首に両手をやり、ぎゅっと力を入れて絞めた。ヤクザなだけに遠慮がない。吸っても吸っても空気が入って来ない。肺が苦しくなる。目の前が暗くなる。そのまま突き上げられる。ふわふわと浮遊感がする。

 僕は宇宙飛行士だ。スペースシャトルから出た瞬間、四方からの大気圧で煙草の吸殻のようにあっけなく潰される。まるでゴミのように。

「ぁあん、あぁああ、………………」

 須藤は快感と酸欠により意識を失った。両手を拘束されたまま力なく横たわる男はまるで死んでいるようにも見えた。

「ほんっまあかん先生やな」

 東龍は勢いよく引き抜いてから、美しくだらしない表情の須藤に顔射した。
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