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極上 クリスマス編「欲しいものはきっと」
3 じ
しおりを挟む時節柄、クリスマスソングのかかる店内で私はルームウェアをたたみ直す。年末はやはり気忙しい。
私の勤める店はルームウェアやベッドリネンを扱うライフスタイルブランドだ。肌触りの良さと温かみを重視していて、幅広い年代のお客様が来店される。
私はルームウェアの棚の前で仲良さそうに商品を吟味されている二人組の男性に声を掛けた。
「良かったらご試着も可能なので、お気軽にお申し付けくださいね」
「パジャマなのに試着できるんですか?」
背の高い、短髪の男性が言う。驚いたように目を見開いた表情で、元々の柔らかい雰囲気が一層増してとても魅力的だ。
「ええ、もちろん。当店は肌触りの良さをコンセプトにしておりますので、ぜひお試しになってみてください」
胸を張って答えた私に、彼は再び尋ねる。
「クリスマスっぽい柄のものはありますか?イベントで使いたいと思っているのですが」
「それでしたら、こちらへどうぞ」
私はクリスマス特設展示の棚へ案内する。クリスマスカラーの寝具やクッションなどが実際の部屋のようにディスプレイされている。
「うわあ!ほら見て、悟空。クリスマスツリーになれるようなパジャマがあるよ」
短髪男性は連れの男性に、緑の生地にオーナメント風の柄がついたパジャマを見せた。連れの男性は少しだけ背が低くて、重ための前髪から覗く鋭い目が印象的だ。それでいて、短髪の彼の無邪気な笑顔に目を細めて口元を緩めている。
「玄奘なら何を着ても似合いますよ。でも、こういう落ち着いた色味の方が肌の白さを引き立てるかもですね」
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