合法ブランクパワー 下記、悩める放課後に関する一切の件

ヒロヤ

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四月二十五日(月)午後 葵中学校

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 学校の正門の前で宇佐見は立ち止まった。間髪入れずに藤石が声をかける。

「おい」
「うん」
「うん、じゃない。ハメたな?」

 宇佐見は手を合わせた。
 顔はニヤけている。

 藤石は踵を返した。

「まあまあ、藤石先生。話を聞いて下さいって」
「一体どこから嘘なんだ?場合によっては数々の悪行を弁護士会にチクるぞ」
「嘘から始まる感動話になるはずなんだ」

 藤石は凶悪な目をして宇佐見を睨みつけた。

「俺は必死で仕事しているんだよ!お前みたいに女に貢がれながら生きている人間と一緒にするな」
「じゃあ、貢いでくれる女の子紹介するよ」
「そういうことじゃないっ!」

 宇佐見は藤石の頭を軽く叩いた。

「いや、本当悪かったって。ほんの少しで良いんだ。埋め合わせはする。オレにも考えがあるんだから」

 なおも抵抗する藤石の襟元をつかんで宇佐見は中学校の正門前まで引きずって行った。
 そして宇佐見は植木のところで身をかがめて待機する。

「何の真似だよ」
「オレだけじゃ怪しまれるからさ。もう少しかな」

 チャイムが鳴る。
 数分後、昇降口の方から下校する生徒の賑やかな声が聞こえてきた。
 藤石がため息を吐きながら宇佐見を横目で見た。

「そのリスカって子を探してるのか?」
「まさか。リスカちゃんは学校に行ってないからね」
「じゃあ、何しに来たんだ」
「まずは敵を知る、だよ」

 ふふふと宇佐見は楽しそうに茂みから校内の様子をのぞいていた。

 次々と外に生徒が出てくる。
 ほぼ全員が怪訝な顔で藤石を見てきたが、しばらくすると、その内の一人が何か叫んだ。

「ティラノさんだあ!」

 藤石よりも小さい坊主頭の少年が駆け寄ってきた。
 それに合わせて他の生徒も藤石に気づいた。

「えっ、ティラノさん?」
「わあ、初めて見たけど超カッコいい」
「どうしてうちの学校にいるんですかあ」

 藤石は恨みがましい目で宇佐見を見た。
 宇佐見は力強く頷くと、親指を立てた。

「ナイスだヒロミ。ゲーセンで培った謎のカリスマ性は伊達じゃない。もう同級生にしか見えないくらいだ」
「ふざけんな!見てないで早く何とかしろ」

 あっと言う間に藤石の周りには七、八人の少年が集まった。
 興味本位で近寄ってくる女子生徒もいた。

「ねえねえ、ちょっとカッコ良くない?」
「そうかなあ。サッカー部の盛岡の方が上じゃん?」
「えー、背丈がマジあり得ないんだけど」
「顔は良い線いってると思うよ。眼鏡もオシャレで好き」
「だって、アレじゃヒール履いたらウチのが高いよ。男は一八〇超えてなきゃ」
「いやいや、やっぱ内面っしょ?顔が良い人って性格に問題あるっていうし」

 藤石は泣きそうな目で宇佐見を見た。

「頼むから、見てないで早く何とかしろ」

 さすがの宇佐見も沈痛な面持ちになった。

「ドンマイだヒロミ。それは数々の女の子を泣かせた神の罰として受け止めなさい。さあ、オレの出番だね!よしよし、君たち少し話を聞かせてくれるかい?」

 宇佐見が茂みの中から立ち上がると今度は悲鳴が聞こえた。

「うあ、でけぇーっ」
「外人だあ」
「バスケ選手だあ」

 ニコニコ笑いながら宇佐見は一人の少年を鷲掴みに捕まえた。

「ひぃ!」
「君は何年生?」
「いち、一年です」

 そうかと宇佐見は少年を解放した。

「はいはい、この中で三年生はいるかなあ?」
「ウチら三年だけど」
「今度はデカ過ぎ、超ウケる」

 そう答えたのは藤石を酷評した三人組の女子生徒だった。
 宇佐見はその少女たちを集団から少し離れた場所に呼んだ。

「ごめんねえ、ちょっと教えて欲しいことあるんだ」
「何ですか」
「鹿端ナナミちゃんって知ってる?」

 三人は顔を見合わせた。
 しばらくすると一人が口を開いた。

「知って……ます……けど?」

 宇佐見は女子生徒たちと目線を合わせながら言った。

「でも、その子って学校に来てないでしょ?」
「はい」

 別の女子生徒が答えると、宇佐見は首をかしげてみせた。

「何でかな。イジメがあったとか?」
「そんなことないです」

 ねえ、と三人は何かを確認し合った。
 一人が小声でささやいた。

「鹿端さん、何か……隠れてリスカしていたらしくて」
「うん、知っているよ」

 三人の女子生徒の驚いた眼差しが一斉に宇佐見に向けられる。それを受け止めつつ、宇佐見は質問を続けた。

「やっぱり、手首を傷つけるのって珍しいこと?最近の若い子はみんなやってるの?」
「は?ないよ、ないない」
「ウチらはフツーにビビリだから」

 三人は笑い合った。
 うんうんと宇佐見は頷いた。

「じゃあ、どう感じてる?鹿端ナナミさんのこと」
「別に」

 一人がそっけなく答えた。

「周りにアピッてるだけじゃない?」
「自意識過剰なんだよね」
「かまって欲しいからやるんでしょアレって。正直キモイって思った」
「ウチも」

 三人の会話が途切れるのを待って、宇佐見はまた尋ねた。

「ねえ、彼女はリストカットする前は普通の子だったのかな」
「あー、どうだろ」

 一人が意地悪い顔をして笑った。

「頭は良かったけど、何か話すと疲れるっていうか」
「わかるわかる。マジメなんだよね」
「スマホ持ってないから、メッセとかもやらないし」
「でも前は彼氏いたよね?別れたんだっけ」
「そりゃ別れるでしょ。ウチが男でも無理だもん」

 三人は楽しそうに笑う。
 宇佐見はその内の一人に声をかけた。

「なになに?彼氏がいたの?」
「はい。確か陸上部の先輩で」
「あれ?鹿端ナナミさんは陸上やってたのかな?」

 違う一人が答える。

「あの子は、ブラスバンド部です。でも練習厳しいよねあそこ」
「だから会う時間なくて別れたっぽいよ」

 宇佐見はさらに質問を続ける。

「それじゃ、彼女のパートは?」
「何だっけ?」
「フルートじゃなかった?」

 フルート、と宇佐見はつぶやいた。

「そういや、そんなことを誰か言っていたような……」

 宇佐見が唸る様子を見て、女子生徒たちは口々に言った。

「あの、もう帰って良いですか」
「鹿端さんのことはよくわかりません。友達でもないし」

 すると、いつの間にか男子生徒の集団を追い払った藤石が宇佐見の隣に立って言った。

「ブラスバンド部に、下の名前がケイタとかいう男がいなかった?」
「ケイタ?」
「あれじゃない?聖川先輩」
「ああ、あの目立ちたがり屋の先輩か」

 そこで、宇佐見は大きく頷きながら藤石を見た。

「思い出した。あのゲーセンにいた少年の片割れだ。あの少年がフルートって言ったんだ。しかし何でヒロミが彼のことそんなに知ってるの?」
「色々あってね。しかし、チャパツの本名は聖川ケイタというのか。年長者に自己紹介もしないで無礼なヤツ。しかし、これでハッキリしたな」

 宇佐見は髭に手を触れながら何か考え込むと、

「ねえ、後でそのチャパツ君のアドレス教えて」

 と藤石に頼んだ。

「何を企んでるのやら。とりあえず本人の了承を取るから待ってろ」

 藤石がスマートホンを操作している間に、宇佐見は三人の女子生徒に向き直った。

「どうもありがとう。もう大丈夫だから気をつけてお帰りよ」

 女子生徒たちは何か腑に落ちない表情を浮かべながらも、帰り道の方へ向かう。

 その時、女子生徒を見送りながら藤石がふいに口を開いた。

「あの子、可愛かったなあ。プロダクションとか所属してるのかな」

 三人組は固まった。
 そして、互いに誰のことか認識しようとする。
 
 宇佐見は彼女らの背を軽く押して半ば無理矢理に帰らせた。
 車の方へ歩き出した藤石を宇佐見は批判した。

「チビ書士め。何てこと言うのさ」
「あの子だけは唯一俺を評価してくれたからな」
「全員自分のことだと思ってるぞ。あの女の子たち、きっと明日から自分をメチャクチャ意識するぞ。きっとヒンシュク買うぞ。仲間割れするぞ」
「その程度の人間関係だってことだろ」

 藤石は車に乗り込むとシートを倒して横になった。
 その時、正門から誰かが出てくるのを宇佐見が気付いた。

「あらら、先生じゃないのぉ。何してんのこんなところで」
「宇佐見さんじゃないですか……。何って、私はここの教師ですから。それより生徒が騒いでいるから何事かと思って来てみれば……」

 教師と名乗る男は車中の藤石にも気づき、いっそう怪訝な顔をした。
すると、宇佐見が慌てて言った。

「あ、先生。別におたくの生徒を拉致したわけじゃないよ。ちなみに騒ぎを起こしたのはこっちだから」
「ちょっと待ちやがれ」

 仕方なく藤石も外に出た。

「あの、本当に何しに来られたんですか?」
「まあまあ、先生。何事も順番があるでしょう。紹介するね。こちら司法書士のミクロ先生」

 宇佐見は藤石の頭を掴んで頭を下げさせた。
 藤石は宇佐見の足を後ろ蹴りする。

「藤石です。この学校とは一切何の関係もありません」
「はあ。私は葵中学教員の小野です。それより宇佐見さんは一体……?」
「オレは弁護士」
「はっ?」

 小野が宇佐見の顔を凝視した。

「べ、弁護士だったんですか?それでこの学校に何の用ですか?」
「んふふ。そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。それより先生ちょうど良かった」

 宇佐見は馴れ馴れしく小野の肩に腕を回した。

「今月中で良いから、リスカちゃんにお手紙書いて欲しいんだ」
「手紙、ですか」

 小野は頭上を見上げると、長身の異国顔が満面の笑みを浮かべた。
車に寄りかかっていた藤石はあくびをすると宇佐見に言った。

「長くなりそうだな。俺は中で寝てるから早くしろよ」
「本当に書士っていうヤツは短気で冷たいねえ」

 藤石は宇佐見の不平を無視して車中に戻った。

「あの、宇佐見さん。鹿端は大丈夫だったんですか?」

 小野の言葉に宇佐見も思い出したように返した。

「あ、そうか。先生もリアルタイムで見てたんだっけね。リスカちゃんは大丈夫だよ。オレが仕事引き受けたし」
「仕事?」
「んー、ここからはナイショ」
「借金とかそういう話ですか」
「おほ?何で知ってるの?」

 小野は少し困った顔をした。

「お母さんの方から聞かされまして。本当かどうかわからなかったんですけど、弁護士の先生が出てくるなら間違いないんですね……」

 宇佐見は小野の肩を叩いた。

「先生は学校と生徒の心配してりゃいいのよ。こっちはオレが片付けるからさ。それより、リスカちゃん学校に来させたいでしょ?協力してよ」
「でも、具体的に何を書けば良いんですか」
「それを考えるのは先生の仕事でしょうよ。要は来て欲しいって想いが伝わればいいの」

 小野がこれまでにないほど消沈した。

「それで来てくれるなら、こんなに苦労しませんよ」

 しかし宇佐見は自信ありげに笑った。

「大丈夫だって。そんで、しばらくは家庭訪問もやめてあげて。お母さん入院しちゃってるの聞いた?今は家ごとガタガタだからさ。あとはオレが上手くやるから」

 正門から小野の名前を呼ぶ声がした。近づいてきたのは若い女性の教員だった。女性教員は宇佐見に視線を向けると、顔をしかめつつも会釈をした。

「いたいた、小野先生。早く来て下さいよ。また三組の鈴木くんが暴れてます」
「ああ、すぐに行きます」
「それと、武藤さんのお母さんからも電話がありました。娘のスマートホンに怪しい画像が送りつけられたとか何とか。早くお願いしますね」

 そしてすぐさま駆け足で女性教員は戻って行った。小野はため息をついて、宇佐見に頭を下げた。

「すみません、そういうことなので。手紙は書いて送っておきますから」
「ねえ、先生。今の中学校って毎日こんな感じなの?」

 宇佐見は腕組みをして、女性教員が去っていく方向を見ていた。

「そうですね。でも、葵中はマシですよ。もっと事案がひどい学校もありますから」
「リスカちゃんみたいな登校拒否している子もいるのかい?」
「何人もいますよ。私のクラスではあと一人います。生徒だけならまだしも、今は過干渉な親も増えてますから、そっちの対応もしなくてはいけなくて」

 ふうんと宇佐見がもらした。

「先生って大変だねえ」
「仕方ないです。そう思ってくださるだけで充分ですよ」

 小野は弱々しく笑うと、正門の方へ戻って行った。
 一度だけこちらを振り返り、小野が深く頭を下げたので、宇佐見も片手を上げた。

 車では藤石が眠そうな顔で待っていた。

「まるで幼稚園みたいだな。今の中学は」

 と小柄な司法書士はつぶやいた。

「何、聞いてたの?悪趣味だねえ」
「ふん」

 車がゆっくり発進する。
 今も正門からは下校する生徒で溢れていた。
 道の途中では藤石を取り囲んだ少年たちが騒ぎながら歩いていた。

 宇佐見が減速すると、こちらに気づいて手を振ってきた。

「ティラノさん、今度いつゲーセン来ますか?」
「数学教えてください!」

 と笑いながら叫んだ。
 藤石は窓から顔を出して意地悪い笑みを浮かべる。

「教えてやるさ。対戦で、俺に勝ったらな」
「そんなの無理に決まってんじゃん!」

 少年たちの騒ぎ声がしだいに遠ざかっていった。

 すっかり陽は傾き、西の空はオレンジ色になりつつあった。
 桜の季節はほぼ終わったものの、夕方になればまだ肌寒い。

 駅前まで戻ってくると、宇佐見はビルの駐車場に車を止めた。

「何だウサ。どっか寄るのか?」
「うん。ヒロミは先に帰っても良いよ。今日はサンキュね」

 宇佐見は藤石に目もくれずさっさと車を降りたが、駅前に向かうのは同じだったため、藤石も自然と宇佐見について歩くことになった。
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