笑顔で異世界救います!?

綺羅姫

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騎士団編

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遠くから使う複合バリアは試したことないけどきっとできるはず!
イメージしやすいように両手を前に付きだしたところで気づいたけど、バリアそのままじゃ攻撃も出来ないよね?
じゃあ、イメージを変えて‥‥‥。でもでも!!水と風を使うのは変えないで、え~と。相手の攻撃を受けたときだけ硬質化するバリアがいいかな。

えいっ

「うわ!?なんだ!?」

あ、説明忘れてた。
まあ、しょうがない、よね?

「おい‥‥‥後で説明しろよ。」

少し不機嫌になったような気がする。八つ当たりされてる敵の蜘蛛さん‥‥‥まぁこれもしょうがないしょうがない。

バリアは魔力を送り続ければ問題なしだけど相手が見にくいのとかやりにくそうだし、もっと透明に‥‥‥。
後は、視力強化して‥‥‥ううん、ここでやってもドアから見える範囲しかないし。

「ア~メ~リ~ア~様!!!なんで勝手に行っちゃうんですか!もう!!」

細々としたイメージを送りながら他に出来ることを考えていると後ろからこの場には不似合いなほわっとした声が聞こえた。

一目見て閃いた。
ナイスタイミング!!よっしゃと、思わずガッポーズしてしまうくらいの名案だろう。

ジュリ、私達思考の伝達が出来るでしょう。だったら、視覚の伝達もできないかなぁ。
目をキラキラさせてお願いをしてみた。

「え~、うん。アメリアでしたら、出来るかもしれません。本来魔石と思考の伝達なんて出来ません。」

生物なんて前例がないと、トレーシー様が騒いでいたので知っている。

「でも、私を動かしていることで魔力を使っているのにさらに思考の伝達で魔力を私に送っている状態なのが今。本来の人間の魔力なら3分も持たないの。」

‥‥‥いやいや、それは言い過ぎでしょ。聞き間違い?3日って言った?

「3分です!夜も私の姿を維持しているし普段も魔力を使っている感覚がないのかと思ったけど、そうじゃないみたいですし。アメリアの魔力量があり得ないことはよく分かりました。」

この事もトレーシー様達に言わない方が‥‥‥。

「いいえ、ロードクラウンを受けないといけないので相談するべきです。あっ、話がそれましたけれど、その魔力でしたら視覚の共有もその他も出来るはずです!」

うん。

パキンッ
バリアに一際大きなダメージがあって、表面に亀裂が走った。

ジュリ、バリアを全身に掛けるから飛んで!今すぐに!

「はい!!!」

私はカエサル様達のバリアに魔力を送りつつ目を閉じた。
一瞬で景色が変わる。眼下に広がるのは倒れている蜘蛛の山とそして、それとは比べられないほど大きな蜘蛛と戦っているカエサル様達だった。
聴覚や感覚は分からないけれど、少し苦戦しているようだった。

ジュリ‥‥‥。

「何ですか、アメリア様?」

ジュリ!!身体を貸して!!

「え、アメリアさ‥‥‥」

私の命中率では遠くから打っても当たらない。だから、ジュリの身体を借りて打とうと思った。何故だか、絶対できる気がした。
ビックリしているジュリの意識は私の中に感じるけれど、小さな手や足、羽を動かしているのは私だ。

でも、自分の体で魔力を送っているのも分かる。体が2つになった感覚。不思議。

アメリアの方の体から送られている魔力を感じてそれをもっと引っ張り出す。それと同時にジュリに送る魔力を増やした。
流れてきた莫大な量のそれを私は頭の上に貯めた。貯めて、貯めて‥‥‥。

その間にもカエサル様は攻撃を繰り返していた。蜘蛛の体は固いらしく刃が通っていない。少し表面が欠けるくらいだ。その分蜘蛛は粘着質の糸を吐き出し足場は悪くなる一方。アメリアのバリアでかろうじて決定的な打撃は受けてないが情況は悪い。

風‥‥‥風に強いのはゲームで言うと、土?
昔の記憶過ぎて詳しく思い出せない。

でも、土でいいよ、もう打つ!

ジュリの身体で魔法が使えるのかとかどこを狙うとか細かいことは考えなかった。
ただ、打てばいいと思った。

ジュリの手を使って巨大蜘蛛の足元に凝縮した魔力とイメージを送り込んだ。
まず、地面が割れる。割れた地面の欠片を蜘蛛に引き付け、重力を増して空間ごと押し潰す。逃げられないように内向きのバリアもした。

「ぐあぁぁぁっ。」

倒れろ!!
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