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騎士団編
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あぁーヤバいよ燃える燃える!!
今、私超ピンチ!
火の玉出したらいいけど、消えてくれない。
その場から移動はしないし、煙もでないけど、炎の先端がテントの上に付きそうだ。
どどど、どうしよう!?
火を消すのは水?
パニックにならないように一度深呼吸をしてから静かに炎を見つめて水をイメージしてみると、さほど時間はかからずにバッシャーンと音がした。
思っていたよりもずっと大きい音が‥‥‥。
(げほ、ごほ‥‥‥はっげほげほっ)
どこからか現れて降ってきた水は想定していたよりもすごい量だった。ぶわっと火を消してくれたのはいいけど、溺れるかと思うくらいの水が一瞬で降ってきた。そして、辺り一面水浸しです、はい‥‥‥。
どうやって説明しよう、この状況‥‥‥。
私は見るも無惨な姿になったテーブルやベッドに目をやると、いつもの倍くらい深いため息を着くのだった。
【ごめんなさい‥‥‥。】
***
その後、10分ほどでケイン様が帰ってきた。
「な、何ですか、これは!?」
「う、えぇぇぇ~!?」
「は‥‥‥」
一緒に入ってきた、トレーシー様と久しぶりに見たアリッツ様もそれぞれがこの有り様を見て何があった!?と言うように見回している。
「俺、言いましたよね?魔法、使おうとしないで下さいって。」
【ごめんなさい‥‥‥。】
肩を落としてしょんぼりと項垂れた。でもでもっ、使ってみたいって思ったけど、出来るなんて思ってなかったし。
不可抗力ってやつデスヨ?
ケイン様は眉間に手を当てて異物を見るような目で睨んだ。
「いや、魔語を知っている好奇心旺盛、魔力豊富な子供を放って置いた俺が馬鹿でした。」
子供!?ひ、酷い。いろいろ酷い!
もう少しで大人だよ!!
それに、魔語を知ってたわけじゃないし。
不満を顔いっぱいに表して見ると、ケイン様は呆れ顔でそれが子供だって言うんですと言った。
そして、
「ヒート・ド・ファール」
と、何かの魔法を唱えて部屋を片付けて乾かしてくれた。
アリッツ様は苦い顔で後退りしていた。
トレーシー様はケイン様のお説教が、終わるとやんわりと釘をさしに来た。
「本当はこんな大きな魔法、初心者は使えないんだぞ。」
と、言われたけど、全く分かりません。
でも、すみませんでした‥‥‥。
反省します。
やっぱりこの惨状はまずかったですよね。
「あのじゃあ、これ要りませんか?」
話がついたあたりで、だいぶ下がったアリッツ様が手に持っていた箱を少し上げた。
「それはいるだろう。カモフラージュとして必要不可欠だ。」
カモフラージュ?
「これですよ。」
そう言って取り出したのは魔石‥‥‥にしては少しごつごつしてるし、虹色だし、光ってるし?
魔石もどきみたいな?
「これは天然(ナチュラル)魔石だ。」
天然、魔石でしたね。
もどきじゃなかった。
今、私超ピンチ!
火の玉出したらいいけど、消えてくれない。
その場から移動はしないし、煙もでないけど、炎の先端がテントの上に付きそうだ。
どどど、どうしよう!?
火を消すのは水?
パニックにならないように一度深呼吸をしてから静かに炎を見つめて水をイメージしてみると、さほど時間はかからずにバッシャーンと音がした。
思っていたよりもずっと大きい音が‥‥‥。
(げほ、ごほ‥‥‥はっげほげほっ)
どこからか現れて降ってきた水は想定していたよりもすごい量だった。ぶわっと火を消してくれたのはいいけど、溺れるかと思うくらいの水が一瞬で降ってきた。そして、辺り一面水浸しです、はい‥‥‥。
どうやって説明しよう、この状況‥‥‥。
私は見るも無惨な姿になったテーブルやベッドに目をやると、いつもの倍くらい深いため息を着くのだった。
【ごめんなさい‥‥‥。】
***
その後、10分ほどでケイン様が帰ってきた。
「な、何ですか、これは!?」
「う、えぇぇぇ~!?」
「は‥‥‥」
一緒に入ってきた、トレーシー様と久しぶりに見たアリッツ様もそれぞれがこの有り様を見て何があった!?と言うように見回している。
「俺、言いましたよね?魔法、使おうとしないで下さいって。」
【ごめんなさい‥‥‥。】
肩を落としてしょんぼりと項垂れた。でもでもっ、使ってみたいって思ったけど、出来るなんて思ってなかったし。
不可抗力ってやつデスヨ?
ケイン様は眉間に手を当てて異物を見るような目で睨んだ。
「いや、魔語を知っている好奇心旺盛、魔力豊富な子供を放って置いた俺が馬鹿でした。」
子供!?ひ、酷い。いろいろ酷い!
もう少しで大人だよ!!
それに、魔語を知ってたわけじゃないし。
不満を顔いっぱいに表して見ると、ケイン様は呆れ顔でそれが子供だって言うんですと言った。
そして、
「ヒート・ド・ファール」
と、何かの魔法を唱えて部屋を片付けて乾かしてくれた。
アリッツ様は苦い顔で後退りしていた。
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「本当はこんな大きな魔法、初心者は使えないんだぞ。」
と、言われたけど、全く分かりません。
でも、すみませんでした‥‥‥。
反省します。
やっぱりこの惨状はまずかったですよね。
「あのじゃあ、これ要りませんか?」
話がついたあたりで、だいぶ下がったアリッツ様が手に持っていた箱を少し上げた。
「それはいるだろう。カモフラージュとして必要不可欠だ。」
カモフラージュ?
「これですよ。」
そう言って取り出したのは魔石‥‥‥にしては少しごつごつしてるし、虹色だし、光ってるし?
魔石もどきみたいな?
「これは天然(ナチュラル)魔石だ。」
天然、魔石でしたね。
もどきじゃなかった。
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