笑顔で異世界救います!?

綺羅姫

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騎士団編

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「ん‥‥‥ふぁあ~‥‥‥よく寝たぁ。」

ものすごくスッキリした目覚めだ。体も怠くないし、逆に滅茶苦茶軽い!
大きく欠伸をして、思いっきり伸びたところで、おかしいことが2つ。

‥‥‥これ、何?

まず、私が寝ていたのはベッドじゃなかった。
私が、3人すっぽり入っちゃう位のお風呂の様なものに、少しとろみのある水が5cmくらい入ってる。服は真っ白で何の飾りもないワンピース。
しかも、当然そのワンピースも髪もびしょびしょだった。

で、もうひとつ‥‥‥。

なんでこの人が!?
いや、最初は幻覚かと思ったよ?
だって、隣にカエサル様が寝てるんだよ?
時間にして約10秒あまりに驚き過ぎて、軽く現実逃避と言う名の顔を背けるという行為をしてた。

でもでも!!現実なんだよ!
そうとう深く眠っているみたいで、頬をつねっても叩いても起きない。
私は、しばらくその顔を眺めてた。
こうして見ると、整った顔だなぁって改めて思うよ。まぁ、ちょっと不機嫌そうに眉間にシワがよっているけどね。

「う‥‥‥あ?」

くふっ‥‥‥はは。
寝ぼけてる。正直目を開けてパチパチしてるのかわいいとか思った。

【おはようございます!】

「あぁ?」

まだ、眠いようで目を擦りながら腕を枕にして私に背を向けた。
聞きたいことがたくさんあるのに。
肩をゆすると、一瞬だけ後ろに顔を向けて、

「お前、変だな。」

と、言われた。
カエサル様はまた、静に寝始める。

‥‥‥はぁ?
‥‥‥今、なんて言いました?この人。寝起きで一番初めに話したのがそれ?

私が、唖然としていると、別の声が聞こえた。

「確かにお前は、規格外だな。」

どういうことですか!!
ムッとした顔で横を向くと、トレーシー様が腕を組んで椅子に座ってた。

「カエサルは言葉足らずなだけだ。アメリア、お前は変だな。」

ひ、酷い!!

「お前が浸かっているそれは聖水だ。1Lで1リルもする高額な物だ。その様子だと、聖水も知らないだろ?」

【リルはお金?】

つい、思ったことから聞こうとしてしまった。
ヤバい声にもなってるし。
トレーシー様は私の質問を聞くと、目を見開いて

「すまない。俺が舐めてた。」

と、謝られた。
小声でお前の世間知らずを、とその後に続いた気がしたけど、気のせいじゃないよね。

「お前の言う通りリルは金だ。
金の単位だ。1000クレルが1フェリル。1000フェリルが1リル。お前、これ覚えないと生きてけないぞ?」

うぅ、その呆れ顔でこっちを見ないで。しょぼんと肩を落として、ちょっぴり落ち込んだ。
お金のことを聞いたはいいけど、物も、物価も分からない。
聖水は1リルだって言ってたけど、ピンとこないんだよね。

「今度町へ行ってみるか。」

【はい!】

街とか何年ぶりだろ。楽しみにしとこっと!!

「だが、あくまでも今度だ。お前は、ロードクラウンを受けるまで何もできん。お前の魔力は間違いなく世界最多だろう。」

【えぇ!?】
そんな?そんなにだったの?実感0ですが‥‥‥。

「あの魔石は70、80の賢者と呼ばれるじいさんでも逆流することはない石だぞ。これから魔力が増えるなかで今、それだけの魔力があると他国に狙われるかもしれない。」

そ、それはそれは‥‥‥。

「ことの次第を理解したか。」

はい、なんとなく。

「しかし、まずはクロウルだけでも覚えなくては、外にでられない。ケインに教えてもらうといい。」

私は、眉をひそめた。だって、ケイン様とはギクシャクしたままだから。

「心配しなくとも、あいつは大丈夫だ。苦手なことは克服してこそだからな。」

黄色を背にしているけれど、私は不安が拭えない。

「大丈夫だ。それよりもほら、カエサルが起きそうだぞ。」

カエサル様は身じろぎをしながら、欠伸をしていた。

さて、と立ち上がったトレーシー様は「見てやってほしい。」とよく分からないことを言いながら、テントの入り口に向かっている。

何を見るんだろ?
この時私は、全く意味が分からなかった。

そして、テントから出たトレーシー様が、

「お前なら助けられるかもしれないな‥‥‥。」

と、言ったことももちろん聞こえていなかった。
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