笑顔で異世界救います!?

綺羅姫

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騎士団編

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「どうか、私達をお救いください。」

滑らかな所作で膝をつき神戸を垂れるトレーシー様。
そんなことされても困るだけ!!

「どうか、どうか、国のために!!」

本当に無理なの!
両手をぶんぶんして否定の意思を全力で伝えようとしてるのに、全く折れてくれる気配はない。

はぁ~~~。
もうこれはいつもの溜め息をどころじゃないスーパーな溜め息だ。
でも、。出来なくてもちょっと試すくらいならしょうがない。本当にお父様に魔物がついているなら助けなければいけないし、一回だけならいいよね?と、自分に言い訳をしながら小さくこくんと頷いた。

「本当ですか!?」

えっ、トレーシー様が言い出したになにその驚きよう。

「よかったじゃねーか。そんなでも救世主なんだろ?」

「本当に良かったですよ。あんなに頼んで断られるなんて想定外でした。」

何回頼んだんだろ?

私はお父様の様子を見るためにも、笑顔の練習をするためにも、とりあえず自室帰りたい。

「そうと決まればアメリア様、騎士団の駐屯地に行きましょう。お父様から魔物を取るための作戦も必要です。」

ぅえっ!?お家帰りは?
チャチャッとお父様のところへ行こうよ。
不満を込めてジーっと睨み付けるが、これはあまり伝わらないみたい。
もう!!と目の前にあったトレーシー様の膝をぎゅっとつねってやった。
「何してるんですか。」
これも効果なし、か。
はぁ~。

「行きましょう。」

嫌です。
本来私はお家一筋に生きるんです。
あ、もちろん、家系とかって意味じゃなくて、建物のこと!!
まず、私はお父様どうこう以前に引きこもりラブ!!
家の中で読書、勉強、裁縫なんてドンとこいの家好きの外嫌いだから。
今はお家に帰るため以外に一歩たりとも動く気はない!

「行きますよ。」

嫌です。
行きたくありません。
必殺上目遣いを使ってみた。

「ちっ、めんどくせーな。連れてけばいいだろ!」

ぐいっと手を引っ張られて倒れると思う前に私はカエサル様に担がれていた。
荷物担ぎとまではいかないけど、完璧に雑な扱いモードで歩く度に私の頭はガクガク揺れた。

背中をポカポカ叩いても鎧のため効果なしなのは分かるから無駄なことはしない。

だから、ちょっとだけ‥‥‥。
首筋に手を伸ばして肩凝りをほぐすときのように押してみた。
「お前、なにするんだ!?」

体にはいいはずなんですよ!
べ~。
舌を出して私は喧嘩を売った、恐いけど!

あっ、今恐いなら売らなきゃいいのにって思ったでしょ?

やだよ。
私この人結構嫌いだからね。
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