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騎士団編
3、お父様の命令は引きこもり
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三人と別れた後、アメリアは部屋に戻らず南棟にある執務室へ向かうことにした。
父様が仕事をしているところだ。
あっ!でも、折角行くんだから紅茶でも持っていって、休んでいただこうかな?
うん!いい考え!!
じゃあ、先に厨房に行こう!
くるっと回転、180度!
ふんふ~んと明るくお気に入りの歌を口ずさみながら、私は厨房のある北棟へあるきだす。
この屋敷は広いし、いり組んでるから北棟までは5分くらい。
ちなみにここはちょっと南よりの回廊だよ。
そんで~普段私が生活しているのが、東棟。
お父様がいるのが南棟で、メイドさん達使用人が北棟。
西棟は物置になってるの。
るんる~ん♪
はっ。つい、駆け足ぎみになってる。
でも、楽しいって思わなくっちゃね‥‥‥。
そうこうしているうちに厨房へとーちゃく!
紅茶はどこかな~?
「こ、困ります、お嬢様!ここはお嬢様がおいでになる場所ではございません!」
「大丈夫です!それより、お父様に紅茶をお持ちしたいの。どこかしら?」
きょろきょろと辺りを見回してもあるのは、キッチン用品と大きな作業台や食材をを洗ったり、焼いたりするための魔法陣だけだ。
紅茶がありそうなところはこれといってない。
「お嬢様、私どもがお届けいたしますから。」
「私がお父様に届けたいのです!」
コックさん、ごめんね。
こんな大人気ない我が儘娘で……ごめんね。
「お嬢様、旦那様の部屋に行くなどいけません!最近の旦那様は「マーサ!」
私は軽く笑って答えるけど、マーサ(お婆ちゃん持女さん)は暗い顔をした。
「最近会ってないから、ね?行かないと怒られちゃうよ、あなた達が。」
「お嬢様‥‥‥」
そう、お父様は少しだけ情緒不安定だ。
あの日から過保護だったけれど、いつにもまして私を人目に触れさせないようにしているような‥‥‥。
お父様と話さないと分からないよね!うん!!
「ほら、紅茶、くださいな!」
「……少しお待ちください」
それから、コックさんは数分で紅茶を準備して持ってきた。
どうやら、茶葉は隣の部屋にあったらしい。
道理で見つからないわけだ。
ふんわりと漂う最高品でろう紅茶の匂いはとてもよい香り。
ポットとティーカップ2つをカートにのせてもらいお礼を言って歩き出す。
大丈夫。
私は大丈夫だからね。
コンコンと強めにノックをしたのは執務室。
「お父様、私です。紅茶をお持ちしました。」
「入れ」
中から低くて威厳のある声がする。
ドアをそっと開けて、カートを押しながら入った。
父様の机には書類が山のようになっている。
目の下に隈ができていて、あまり寝ていないように見えた。
「お父様、少し休憩をしませんか?」
カートを部屋の隅に止めた後、駆け寄って手をとる。
視線は私なのに、どこか遠くを見つめている気がする。
「お父様?」
「……マーガレット」
ぽつりと呟かれたその名前に私ははっとする。
それは、今は亡き母様の名前だ。
お父様はお母様を溺愛していた。
だから、お母様が亡くなったその日から、行き場を失ったそれは少しずつ壊れていった。
私はこの屋敷から一歩も外に出ることを許されなくなったし、使用人達とも必要以上の会話は禁止された。
他愛ない会話をしていると、その者はクビになった。
これが、今から10年前、私が七歳の時だった。
まぁ、前世が引きこもりの私にはそれなりに過ごしていたと思う。
退屈だったけど、意識は17歳だから冷静でいられた。
でも……騎士団が来ても、私には告げられず、結果神様の願いは達成されてない。
普通だったら、私が神様にお願いしたい!
「……お前は、いなくなるな」
「はい……私はここにいます」
そして、私はあの事をまだ話していない。
話さなきゃとは思っているけど、話したら嫌われる、絶対。
話したい!……話せない。
「ねぇ、お父様。今日騎士団の方がいらっしゃいましたよ。」
「話したのか!?」
「少し……」
お父様の顔が怒りに染まっていく。
「なぜ話した。」
「それは……。」
「私を置いて行くのか?」
「違います!私はお父様が大切です」
お父様、最近は不安定だわ。
何も話さない私に痺れを切らしたのか、次に口を開いたお父様はこう言った。
「お前は一生部屋から出るな!」
「何故です!?」
「分かってくれ、これはお前を守るためなのだ」
「でも、そんな‥‥‥。せめて、今までと同じように屋敷の中だけでも。」
「ならぬ!!!17の誕生日までだ。外に出ればこの屋敷の使用人は全員解雇してやる!!!」
私はこれ以上どうすればいいんだろう?
「お父様!!どうかお考え直し下さいませ!」
「アリシアは乱心している!部屋に閉じ込めておけ!!」
手元にあったベルを鳴らすと、執事のヤードが侍女さん達とともに入ってきた。
「お父様!!お父様!!」
侍女さんに囲まれ、私は部屋に入れられた。
外側から鍵を掛けられたので出られない。
はぁ~。
どうしよう?
父様が仕事をしているところだ。
あっ!でも、折角行くんだから紅茶でも持っていって、休んでいただこうかな?
うん!いい考え!!
じゃあ、先に厨房に行こう!
くるっと回転、180度!
ふんふ~んと明るくお気に入りの歌を口ずさみながら、私は厨房のある北棟へあるきだす。
この屋敷は広いし、いり組んでるから北棟までは5分くらい。
ちなみにここはちょっと南よりの回廊だよ。
そんで~普段私が生活しているのが、東棟。
お父様がいるのが南棟で、メイドさん達使用人が北棟。
西棟は物置になってるの。
るんる~ん♪
はっ。つい、駆け足ぎみになってる。
でも、楽しいって思わなくっちゃね‥‥‥。
そうこうしているうちに厨房へとーちゃく!
紅茶はどこかな~?
「こ、困ります、お嬢様!ここはお嬢様がおいでになる場所ではございません!」
「大丈夫です!それより、お父様に紅茶をお持ちしたいの。どこかしら?」
きょろきょろと辺りを見回してもあるのは、キッチン用品と大きな作業台や食材をを洗ったり、焼いたりするための魔法陣だけだ。
紅茶がありそうなところはこれといってない。
「お嬢様、私どもがお届けいたしますから。」
「私がお父様に届けたいのです!」
コックさん、ごめんね。
こんな大人気ない我が儘娘で……ごめんね。
「お嬢様、旦那様の部屋に行くなどいけません!最近の旦那様は「マーサ!」
私は軽く笑って答えるけど、マーサ(お婆ちゃん持女さん)は暗い顔をした。
「最近会ってないから、ね?行かないと怒られちゃうよ、あなた達が。」
「お嬢様‥‥‥」
そう、お父様は少しだけ情緒不安定だ。
あの日から過保護だったけれど、いつにもまして私を人目に触れさせないようにしているような‥‥‥。
お父様と話さないと分からないよね!うん!!
「ほら、紅茶、くださいな!」
「……少しお待ちください」
それから、コックさんは数分で紅茶を準備して持ってきた。
どうやら、茶葉は隣の部屋にあったらしい。
道理で見つからないわけだ。
ふんわりと漂う最高品でろう紅茶の匂いはとてもよい香り。
ポットとティーカップ2つをカートにのせてもらいお礼を言って歩き出す。
大丈夫。
私は大丈夫だからね。
コンコンと強めにノックをしたのは執務室。
「お父様、私です。紅茶をお持ちしました。」
「入れ」
中から低くて威厳のある声がする。
ドアをそっと開けて、カートを押しながら入った。
父様の机には書類が山のようになっている。
目の下に隈ができていて、あまり寝ていないように見えた。
「お父様、少し休憩をしませんか?」
カートを部屋の隅に止めた後、駆け寄って手をとる。
視線は私なのに、どこか遠くを見つめている気がする。
「お父様?」
「……マーガレット」
ぽつりと呟かれたその名前に私ははっとする。
それは、今は亡き母様の名前だ。
お父様はお母様を溺愛していた。
だから、お母様が亡くなったその日から、行き場を失ったそれは少しずつ壊れていった。
私はこの屋敷から一歩も外に出ることを許されなくなったし、使用人達とも必要以上の会話は禁止された。
他愛ない会話をしていると、その者はクビになった。
これが、今から10年前、私が七歳の時だった。
まぁ、前世が引きこもりの私にはそれなりに過ごしていたと思う。
退屈だったけど、意識は17歳だから冷静でいられた。
でも……騎士団が来ても、私には告げられず、結果神様の願いは達成されてない。
普通だったら、私が神様にお願いしたい!
「……お前は、いなくなるな」
「はい……私はここにいます」
そして、私はあの事をまだ話していない。
話さなきゃとは思っているけど、話したら嫌われる、絶対。
話したい!……話せない。
「ねぇ、お父様。今日騎士団の方がいらっしゃいましたよ。」
「話したのか!?」
「少し……」
お父様の顔が怒りに染まっていく。
「なぜ話した。」
「それは……。」
「私を置いて行くのか?」
「違います!私はお父様が大切です」
お父様、最近は不安定だわ。
何も話さない私に痺れを切らしたのか、次に口を開いたお父様はこう言った。
「お前は一生部屋から出るな!」
「何故です!?」
「分かってくれ、これはお前を守るためなのだ」
「でも、そんな‥‥‥。せめて、今までと同じように屋敷の中だけでも。」
「ならぬ!!!17の誕生日までだ。外に出ればこの屋敷の使用人は全員解雇してやる!!!」
私はこれ以上どうすればいいんだろう?
「お父様!!どうかお考え直し下さいませ!」
「アリシアは乱心している!部屋に閉じ込めておけ!!」
手元にあったベルを鳴らすと、執事のヤードが侍女さん達とともに入ってきた。
「お父様!!お父様!!」
侍女さんに囲まれ、私は部屋に入れられた。
外側から鍵を掛けられたので出られない。
はぁ~。
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