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騎士団編
29(後日談)
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「う‥‥‥ん‥‥‥‥‥‥‥」
ここは‥‥‥?
屋敷‥‥‥じゃない、テントよね?
まだぼんやりとした意識の隅でそんなことを考える。まだ、薄暗いので朝かな?と思いながら身体を起こした。
「お目覚めですか、アメリア様」
「‥‥‥ん‥‥‥マーサ!?」
「お身体の調子はいかがですか?私は、アメリア様にを治してくださったので前よりも元気になったくらいですよ」
「私も大丈夫‥‥‥」
ベッドの横でマーサが椅子に座っていた。確かに顔色がよくて元気そうだけど、少し心配だ。
でも、黄色オーラがふわふわと溢れている。
大丈夫、なのかな?
「アメリア様、今は翌日の夜にございます。」
「夜?」
「はい。」
そっか、だからこんなに薄暗いんだ。納得、うん。
「他の皆やお父様はどうしてるの?」
「使用人には暇をとらせました。屋敷は半壊ですし、回復したようなので起きたものから支度を整え少しばかりの費用を渡して‥‥‥その分は私の給金からお引きくださいね。」
「引かないわ!あのままの屋敷じゃ人は住めないし、帰してくれて良かった。ありがとう、」
マーサから溢れている黄色のオーラが濃くなった。
「お役にたてて良かったです‥‥‥。ご主人様は、先程一度目を覚ましたそうですが今一度お眠りになられました。隣のテントにいらっしゃいますよ。」
「そう‥‥‥よかった。ありがとう、マーサ。あなたも今日はゆっくり休んでちょうだい。」
「はい‥‥‥」
一礼してテントを出ていくマーサを見送って私は、ぼふんと音をたててベッドに倒れ込む。皆が無事で良かったけど‥‥‥さっき見た夢‥‥‥笑顔じゃないなら何が必要なんだろ?
それに、ここ1ヶ月くらいで色々なことがありすぎだよ。
考えることも、多いしやらなくてはいけないこともある。私は、傷つく人がいなくなるように魔物を浄化ことを決めた。でも、さすがに一人旅で魔物退治の旅!とかは無理があるし‥‥‥。
ふいに枕元から衣擦れの音がした。
「‥‥‥ジュリ?」
「ぷはっ!!はぁ~い私ですよ。」
「身体は大丈夫?けっこう無理したと思うけれど‥‥‥」
「アメリアの無茶のせいで筋肉痛になりそうです~」
少し剥れたような顔で枕の横から出てきたジュリ。もう身なりはきちんと整っている。
「ふふ‥‥‥ジュリも筋肉痛になるのかしら?」
「な、なっちゃいますよーたぶん」
私は、ジュリの頬をふにふにと摘まんで遊ぶ。とても柔らかい本物の肌と何ら変わりないように感じる。自分で見たのにジュリが魔石なら生まれたなんて今も信じられない。
それに、だいぶ砕けた口調で話してくれるようになったのもとても嬉しい。
‥‥‥そういえば、私お風呂入ってない。
唐突に思い出したのはけっこうどうでもいいことなのかもしれないけれど私には死活問題だ。マーサが着替えさせてくれたのだろう、私が持っていた別のワンピースらしきものを身に付けていたけれど、戦ったまま1日寝入ってしまっていたようなので汗でベトヘするのが気持ち悪い。
まぁ、ここにお風呂はないが、魔法でお湯を被るだけでスッキリするだろう。
「アメリアはお風呂ですか?」
「うん。」
気づかない内に意思を送ってしまったみたいだ。
「じゃあ私は、テント前で誰かが入ってこないように見てますね~」
ふわふわと飛び始めるジュリ。
「一緒に入る?」
「私は大丈夫です~、どうぞゆっくり~」
テントの中にいればいいのに、ジュリは外まで飛んでいってしまった。私は、さっそく準備に取りかかった。と言っても魔法のだけど。服を脱ぎ風、火、水の魔法を使う。火で温めた水を風のシールドで作った器にためて地面が濡れないようにする。これでとりあえずお風呂のようなものが完成だ。シールドには触れる感覚があるため直接座っても大丈夫。
そっと風のシールドに手をかけてお風呂の中に入る。
「ふぁ~‥‥‥」
温かい‥‥‥やっぱりお風呂は幸せだなぁ。
恍惚としたひょうじょうを浮かべお湯にどっぷりと浸かる。
ジュリも入れば良かったのに‥‥‥。あぁ、温かい‥‥‥。手足を伸ばして力を抜きゆっくりと頭から沈んでみる。
ものすごく幸せ~。
しばらく温かいお湯の温もりを楽しんだ後、服を着替えて髪をタオルでふき始める。これも魔法でやってしまおうと風と火で温風を吹かせ乾かす。
これも気持ち~。私、もう魔法なしじゃ生きてけないかもな~なんて考えを持ちつつベッドに腰を掛ける。
ジュリ遅いな‥‥‥。
「よしっ‥‥‥」
ジュリを探しに行こうとベッドから立ち上がりテントの外に向かおうと入口の布に手をかけると、外から話し声が聞こえた。
誰の声かはすぐに分かった。あれは‥‥‥カエサル様とトレーシー様、それにジュリだ。
話しているのは知っている人なんだし出ていっても怒られることなんてないと思うけど、私はその内容を聞いて固まってしまった。
_____________________
だいぶ遅くなってしまい申し訳ありませんでしたm(__)m
ここは‥‥‥?
屋敷‥‥‥じゃない、テントよね?
まだぼんやりとした意識の隅でそんなことを考える。まだ、薄暗いので朝かな?と思いながら身体を起こした。
「お目覚めですか、アメリア様」
「‥‥‥ん‥‥‥マーサ!?」
「お身体の調子はいかがですか?私は、アメリア様にを治してくださったので前よりも元気になったくらいですよ」
「私も大丈夫‥‥‥」
ベッドの横でマーサが椅子に座っていた。確かに顔色がよくて元気そうだけど、少し心配だ。
でも、黄色オーラがふわふわと溢れている。
大丈夫、なのかな?
「アメリア様、今は翌日の夜にございます。」
「夜?」
「はい。」
そっか、だからこんなに薄暗いんだ。納得、うん。
「他の皆やお父様はどうしてるの?」
「使用人には暇をとらせました。屋敷は半壊ですし、回復したようなので起きたものから支度を整え少しばかりの費用を渡して‥‥‥その分は私の給金からお引きくださいね。」
「引かないわ!あのままの屋敷じゃ人は住めないし、帰してくれて良かった。ありがとう、」
マーサから溢れている黄色のオーラが濃くなった。
「お役にたてて良かったです‥‥‥。ご主人様は、先程一度目を覚ましたそうですが今一度お眠りになられました。隣のテントにいらっしゃいますよ。」
「そう‥‥‥よかった。ありがとう、マーサ。あなたも今日はゆっくり休んでちょうだい。」
「はい‥‥‥」
一礼してテントを出ていくマーサを見送って私は、ぼふんと音をたててベッドに倒れ込む。皆が無事で良かったけど‥‥‥さっき見た夢‥‥‥笑顔じゃないなら何が必要なんだろ?
それに、ここ1ヶ月くらいで色々なことがありすぎだよ。
考えることも、多いしやらなくてはいけないこともある。私は、傷つく人がいなくなるように魔物を浄化ことを決めた。でも、さすがに一人旅で魔物退治の旅!とかは無理があるし‥‥‥。
ふいに枕元から衣擦れの音がした。
「‥‥‥ジュリ?」
「ぷはっ!!はぁ~い私ですよ。」
「身体は大丈夫?けっこう無理したと思うけれど‥‥‥」
「アメリアの無茶のせいで筋肉痛になりそうです~」
少し剥れたような顔で枕の横から出てきたジュリ。もう身なりはきちんと整っている。
「ふふ‥‥‥ジュリも筋肉痛になるのかしら?」
「な、なっちゃいますよーたぶん」
私は、ジュリの頬をふにふにと摘まんで遊ぶ。とても柔らかい本物の肌と何ら変わりないように感じる。自分で見たのにジュリが魔石なら生まれたなんて今も信じられない。
それに、だいぶ砕けた口調で話してくれるようになったのもとても嬉しい。
‥‥‥そういえば、私お風呂入ってない。
唐突に思い出したのはけっこうどうでもいいことなのかもしれないけれど私には死活問題だ。マーサが着替えさせてくれたのだろう、私が持っていた別のワンピースらしきものを身に付けていたけれど、戦ったまま1日寝入ってしまっていたようなので汗でベトヘするのが気持ち悪い。
まぁ、ここにお風呂はないが、魔法でお湯を被るだけでスッキリするだろう。
「アメリアはお風呂ですか?」
「うん。」
気づかない内に意思を送ってしまったみたいだ。
「じゃあ私は、テント前で誰かが入ってこないように見てますね~」
ふわふわと飛び始めるジュリ。
「一緒に入る?」
「私は大丈夫です~、どうぞゆっくり~」
テントの中にいればいいのに、ジュリは外まで飛んでいってしまった。私は、さっそく準備に取りかかった。と言っても魔法のだけど。服を脱ぎ風、火、水の魔法を使う。火で温めた水を風のシールドで作った器にためて地面が濡れないようにする。これでとりあえずお風呂のようなものが完成だ。シールドには触れる感覚があるため直接座っても大丈夫。
そっと風のシールドに手をかけてお風呂の中に入る。
「ふぁ~‥‥‥」
温かい‥‥‥やっぱりお風呂は幸せだなぁ。
恍惚としたひょうじょうを浮かべお湯にどっぷりと浸かる。
ジュリも入れば良かったのに‥‥‥。あぁ、温かい‥‥‥。手足を伸ばして力を抜きゆっくりと頭から沈んでみる。
ものすごく幸せ~。
しばらく温かいお湯の温もりを楽しんだ後、服を着替えて髪をタオルでふき始める。これも魔法でやってしまおうと風と火で温風を吹かせ乾かす。
これも気持ち~。私、もう魔法なしじゃ生きてけないかもな~なんて考えを持ちつつベッドに腰を掛ける。
ジュリ遅いな‥‥‥。
「よしっ‥‥‥」
ジュリを探しに行こうとベッドから立ち上がりテントの外に向かおうと入口の布に手をかけると、外から話し声が聞こえた。
誰の声かはすぐに分かった。あれは‥‥‥カエサル様とトレーシー様、それにジュリだ。
話しているのは知っている人なんだし出ていっても怒られることなんてないと思うけど、私はその内容を聞いて固まってしまった。
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だいぶ遅くなってしまい申し訳ありませんでしたm(__)m
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