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2章
広場の事件
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雪像のあった会場から出る頃には、2の鐘が音を響かせ、お腹がなるような時間だった。
「そろそろ、昼食にしようか。街の中心ではスープとパンを配っているそうだしね」
「うん、お昼時だから少し混んでいるかもしれないけれど、私もお腹が空いてきたもの!」
「そうだね……知ってた?今回の、と言うか、祭りで配るパンはメーラのところのパン屋で作ってるんだ。」
「メーラのパン屋さん?!彼処のパンはとっても美味しいのよね!楽しみだわ!」
クラストさんに聞いていた話だが、それは知らなかった。
メーラのパン屋さんで食べたパンはとっても美味しい。
焼きたてだからと言うのもあるだろうし、この寒い中で食べるには温かいので、パンそのもののふわふわでサクサクな食感がより美味しくなるだろう。
シーナはそれを聞いて、にこにこと笑っているその横で、シフも微笑んでいた。
「広場で配っているらしいから、ここのすぐ裏手だ。行こう!」
シフは街の地理に詳しいようで、私を案内しながら迷うことなく進んでいく。
行く途中の道には、今回の祭りのために除雪した雪が固めてあり、しかも、人通りが多いので道幅はいつもより狭まっていた。
皆手にスープやパンを持ちながら、寒いのに、たのしそうに外で談笑している。
広場に近付くほどに人が多くなっているので、もし私一人だったとしても迷うことはなさそうだった。
二人は、ずんずんと広場へ近付いていった。
「パンはこっちでーす!2列で並んでください!」
手伝いの娘さんだろうか。
大きな声で、案内をしてくれている。
「スープはここですよー!数に余裕はあるので、押さないでー!!」
人がぎゅうぎゅうに詰まって並んでいるので、大分暑い。
冬の寒さなんか吹き飛ばしてしまいそうだ。
シフとシーナは何とか、少しの隙間へ抜け出ると、
「大丈夫?すごい人だね」
「えぇ、押し潰されてしまいそう……」
少し、息をつく。
まるで、人が箱詰めされているかのように、それはみっちりと多くの人で埋め尽くされた広場は、もう誰が話しているのか分からないほどに多くの声がした。
ざわざわと、騒がしい人の波を掻い潜るのは難しいだろう。
パンの列もスープの列も最後尾はここからまだ離れている。
どうやってそこまで行こう?と考えていると、
「……シーナは少しここで待っていて?僕が、並んでくるから。」
「でも……」
「いいんだ。こんなに人が多いんだから、はぐれると困る。それなら、ここで待っていてくれた方が安心だよ。」
そう言いきったシフは、じゃあ、行ってくるね、と人の中へ紛れて行ってしまった。
引き留める間もないほどだった。
大丈夫だろうか。
少し心配だけれど、私はシフの言う通りにここで大人しく待っていることにしよう。
そうして、シーナはその場で立って、シフが並んでいるだろう列を見続けていた。
しばらく、立っていたら広場の熱気が伝わってきたのか、暑くなって来たので、シーナはフードを取る。
そして、また、広場をぼんやりと見ながら立っていたのだが、
「おい!お前!…………お前だよ!」
「痛っ!」
背後から急に肩を捕まれた。
野太い男の声だ。
ぐいっと乱暴に肩を引かれ、シーナは声をあげた。
何が起きているのか分からない。
シーナは怯えながら、男を見た。
「へぇ~珍しいなぁ、おい!精霊眼なんて、めったに拝めるもんじゃねぇぞ!」
「売れば金になりますかねぇ……ひひひっ」
男は、二人いた。
一人、シーナの肩をつかんでいるが体のいい男が下卑た笑いを浮かべ、シーナは震える。
もう一人のひょろりとした男が、私の片腕を引き、連れていこうとする。
さっきまでは、シフが包んでくれていた手を。
二人とも暗い影に隠れるような、闇色の服を着ている。
彼らは、私を売るつもりなのだろうか。
逃げなくてはいけないと思うのに、足が動かない。
さぁ、と血の気が引いていく。
どうしよう……どうしたらいいのだろう……。
「来い!ほら、」
「……いや!いや、こっちに来ないで!」
シーナは二人の手を振り払い無我夢中に走り出す、人が多い方向へ。
広場に出て、たくさんいる人を押し退けながら、走って走って、逃げ続けた。
「待て!!こら!」
後ろにいた男も、追いかけてくる。
周りの視線がその男に注がれるも、男が私を追いかける足は止まらない。
シーナは、時おり振り返りながら懸命に走った。
恐い、恐い。
逃げなくてはいけない。
「シーナ!!」
走っている途中、シフの声が聞こえた。
そして、一瞬。
ほんの一瞬立ち止まったシーナは、シフと目があった。
こんなに大勢の人の中から、シフだけを見つけられた。
シフだけの声が、耳に届いて、シフだけの姿がその目に映った。
「シフ!」
シフが、私の方へ来てくれる。
必死な顔で、私に向かって来てくれる。
強張っていた身体にほんの少し感覚が、戻ってくる。
恐さはまだ、消え去ったわけではないけれど、その顔を見ただけで、不思議と心の中に少しの安心がもたらされた。
シフが、来てくれるから大丈夫。
根拠のないそんな気持ちが、私を支えてくれる。
「シーナ……!!」
私はシフに向けて思いきり両手を伸ばした。
力強く抱き締めてくれるシフに、私は心のそこからほっと息を吐く。ここが街の往来の多い広場だと言うことを暫し忘れて、シーナはシフに抱き付いた。
「一人にしてごめん……怖かっただろう。」
「うん……ぅ……ひっ、」
シフは優しい手つきで髪を撫でる。
そして、安心させるように、
「もう、大丈夫だ。あいつらは、街の人が抑えた。もう、追って来ないよ。」
落ち着いた声音で、シフはそう言う。
シーナは、声を殺して少しの間涙を溢した。
実際に逃げているときは泣くことなんて考え付きもしないほど切羽つまっていたのに、シフの体温を間近に感じると、何故だか涙が止まらない。
シフは、ごめん、と謝り続けている。
きっと悲しい顔をしているだろう。
違うよ、シフのせいじゃない。
そう、言いたいのに、喉に詰まったかのように出てくるのは嗚咽ばかりで、言葉なんて一欠片も出てきはしなかった。
また、シフに迷惑をかけてしまった私の方こそ謝らなくてはいけないのに……。
シフの前では、泣いてばかりいる。
本当は困らせたくなんてないのに……そう思いながらもシーナはしばらく泣き続けた。
そのせいか、シーナは気付かなかった。
シフの凍るような鋭い視線に、そして、シーナを追っていた二人がまるで、魂が抜けたかのように広場に倒れていたことに……。
「そろそろ、昼食にしようか。街の中心ではスープとパンを配っているそうだしね」
「うん、お昼時だから少し混んでいるかもしれないけれど、私もお腹が空いてきたもの!」
「そうだね……知ってた?今回の、と言うか、祭りで配るパンはメーラのところのパン屋で作ってるんだ。」
「メーラのパン屋さん?!彼処のパンはとっても美味しいのよね!楽しみだわ!」
クラストさんに聞いていた話だが、それは知らなかった。
メーラのパン屋さんで食べたパンはとっても美味しい。
焼きたてだからと言うのもあるだろうし、この寒い中で食べるには温かいので、パンそのもののふわふわでサクサクな食感がより美味しくなるだろう。
シーナはそれを聞いて、にこにこと笑っているその横で、シフも微笑んでいた。
「広場で配っているらしいから、ここのすぐ裏手だ。行こう!」
シフは街の地理に詳しいようで、私を案内しながら迷うことなく進んでいく。
行く途中の道には、今回の祭りのために除雪した雪が固めてあり、しかも、人通りが多いので道幅はいつもより狭まっていた。
皆手にスープやパンを持ちながら、寒いのに、たのしそうに外で談笑している。
広場に近付くほどに人が多くなっているので、もし私一人だったとしても迷うことはなさそうだった。
二人は、ずんずんと広場へ近付いていった。
「パンはこっちでーす!2列で並んでください!」
手伝いの娘さんだろうか。
大きな声で、案内をしてくれている。
「スープはここですよー!数に余裕はあるので、押さないでー!!」
人がぎゅうぎゅうに詰まって並んでいるので、大分暑い。
冬の寒さなんか吹き飛ばしてしまいそうだ。
シフとシーナは何とか、少しの隙間へ抜け出ると、
「大丈夫?すごい人だね」
「えぇ、押し潰されてしまいそう……」
少し、息をつく。
まるで、人が箱詰めされているかのように、それはみっちりと多くの人で埋め尽くされた広場は、もう誰が話しているのか分からないほどに多くの声がした。
ざわざわと、騒がしい人の波を掻い潜るのは難しいだろう。
パンの列もスープの列も最後尾はここからまだ離れている。
どうやってそこまで行こう?と考えていると、
「……シーナは少しここで待っていて?僕が、並んでくるから。」
「でも……」
「いいんだ。こんなに人が多いんだから、はぐれると困る。それなら、ここで待っていてくれた方が安心だよ。」
そう言いきったシフは、じゃあ、行ってくるね、と人の中へ紛れて行ってしまった。
引き留める間もないほどだった。
大丈夫だろうか。
少し心配だけれど、私はシフの言う通りにここで大人しく待っていることにしよう。
そうして、シーナはその場で立って、シフが並んでいるだろう列を見続けていた。
しばらく、立っていたら広場の熱気が伝わってきたのか、暑くなって来たので、シーナはフードを取る。
そして、また、広場をぼんやりと見ながら立っていたのだが、
「おい!お前!…………お前だよ!」
「痛っ!」
背後から急に肩を捕まれた。
野太い男の声だ。
ぐいっと乱暴に肩を引かれ、シーナは声をあげた。
何が起きているのか分からない。
シーナは怯えながら、男を見た。
「へぇ~珍しいなぁ、おい!精霊眼なんて、めったに拝めるもんじゃねぇぞ!」
「売れば金になりますかねぇ……ひひひっ」
男は、二人いた。
一人、シーナの肩をつかんでいるが体のいい男が下卑た笑いを浮かべ、シーナは震える。
もう一人のひょろりとした男が、私の片腕を引き、連れていこうとする。
さっきまでは、シフが包んでくれていた手を。
二人とも暗い影に隠れるような、闇色の服を着ている。
彼らは、私を売るつもりなのだろうか。
逃げなくてはいけないと思うのに、足が動かない。
さぁ、と血の気が引いていく。
どうしよう……どうしたらいいのだろう……。
「来い!ほら、」
「……いや!いや、こっちに来ないで!」
シーナは二人の手を振り払い無我夢中に走り出す、人が多い方向へ。
広場に出て、たくさんいる人を押し退けながら、走って走って、逃げ続けた。
「待て!!こら!」
後ろにいた男も、追いかけてくる。
周りの視線がその男に注がれるも、男が私を追いかける足は止まらない。
シーナは、時おり振り返りながら懸命に走った。
恐い、恐い。
逃げなくてはいけない。
「シーナ!!」
走っている途中、シフの声が聞こえた。
そして、一瞬。
ほんの一瞬立ち止まったシーナは、シフと目があった。
こんなに大勢の人の中から、シフだけを見つけられた。
シフだけの声が、耳に届いて、シフだけの姿がその目に映った。
「シフ!」
シフが、私の方へ来てくれる。
必死な顔で、私に向かって来てくれる。
強張っていた身体にほんの少し感覚が、戻ってくる。
恐さはまだ、消え去ったわけではないけれど、その顔を見ただけで、不思議と心の中に少しの安心がもたらされた。
シフが、来てくれるから大丈夫。
根拠のないそんな気持ちが、私を支えてくれる。
「シーナ……!!」
私はシフに向けて思いきり両手を伸ばした。
力強く抱き締めてくれるシフに、私は心のそこからほっと息を吐く。ここが街の往来の多い広場だと言うことを暫し忘れて、シーナはシフに抱き付いた。
「一人にしてごめん……怖かっただろう。」
「うん……ぅ……ひっ、」
シフは優しい手つきで髪を撫でる。
そして、安心させるように、
「もう、大丈夫だ。あいつらは、街の人が抑えた。もう、追って来ないよ。」
落ち着いた声音で、シフはそう言う。
シーナは、声を殺して少しの間涙を溢した。
実際に逃げているときは泣くことなんて考え付きもしないほど切羽つまっていたのに、シフの体温を間近に感じると、何故だか涙が止まらない。
シフは、ごめん、と謝り続けている。
きっと悲しい顔をしているだろう。
違うよ、シフのせいじゃない。
そう、言いたいのに、喉に詰まったかのように出てくるのは嗚咽ばかりで、言葉なんて一欠片も出てきはしなかった。
また、シフに迷惑をかけてしまった私の方こそ謝らなくてはいけないのに……。
シフの前では、泣いてばかりいる。
本当は困らせたくなんてないのに……そう思いながらもシーナはしばらく泣き続けた。
そのせいか、シーナは気付かなかった。
シフの凍るような鋭い視線に、そして、シーナを追っていた二人がまるで、魂が抜けたかのように広場に倒れていたことに……。
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