上 下
4 / 21

第4話:収益でダンジョンを強化しよう

しおりを挟む
 配信を終えた翌日。
 僕は所持DPを眺めてニヤニヤとしていた。

 すでにもらったお金インセンティブはDPへと変換していた。
 その結果、今まで見たこともない三桁ものDPが溜まっていたのだ。



―――――――――――――――――――――
如月奏きさらぎかなた
レベル:1 性別:男 職業:ダンジョンマスター(ランク:F)
HP:10/10 MP:20/20
筋力:1 耐久:1 魔力:3 精神:2 速度:2
スキル:【ダンジョンステータス(レベル:1)】【ダンジョン創造(レベル:1)】【ダンジョン把握(レベル:1)】【初級魔法(レベル:1)】
所持金:501円 所持DP:125
―――――――――――――――――――――



「これだけあったら、色々と出来るよね? まずはダンジョンを広げようかな? それとも強い魔物を置こうかな?」



 まずは上位の魔物ページを開いて眺めていた。
 大体、魔物ランクでその平均消費DPが決まっていた。

 上から
 Sランク:5000DP~
 Aランク:1000DP~
 Bランク:500DP~
 Cランク:100DP~
 Dランク:50DP~
 Eランク:10DP~
 Fランク~10DP

 といった感じに決まっている。

 中には大量に経験値を持ってるDランク級の魔物が1000DPかかったり……と、多少の上下はあったが。



「とりあえず買えるうちに、マスタールームを守ってくれるボスが欲しいね」



 一応冒険者組合の規則で、『マスタールームへの攻撃を禁ずる』というものがあるのだが、荒っぽい冒険者の中には平気でその規約を破ってくる人間もいる。

 だからこそ、いざという時に守ってくれる魔物は必要不可欠だった。



「今買える最強の魔物は……、Cランクのオークか。確かに見た目はインパクトあるけど、僕のダンジョンだと満足に動けないよね?」



―――――――――――――――――――――
レベル:30 種族:オーク(ランク:C)
HP:1000/1000 MP:0/0
筋力:125 耐久:30 魔力:1 精神:1 速度:10
スキル:【怪力(LV:1)】
経験値:2000 お金:500円
―――――――――――――――――――――



 豚面をした巨体の魔物で、その力で全てを壊していくタイプだった。
 鈍い動きも狭いダンジョン内では有効的だった。
 狭すぎると逆に動けなくなるので、そこはダンジョンを広げる必要があったけど。



「でも、100DPか……。弱い魔物を大量に出した方が、今のダンジョンランクだといい気もするけど……」



 どちらにしても強い魔物は生み出しておく必要がある。
 わざわざ遠くから、冒険者に来てもらわないといけないのだから、それなりにダンジョンの体裁を保っておきたい。



「ダンジョンランクを上げて、たくさんの人に認知してもらうのも手なんだけどね」



 冒険者組合が掲げるダンジョン攻略の基準。ダンジョンランク。
 それが高くなればなるほど、高位の冒険者が来てくれるようになる。

 今の僕のダンジョンは最低ランクのF。
 攻略推奨レベルは1。
 レベル5以上だと、行く必要すらないと言われるレベルだった。



「でも、ダンジョンランクを上げる規定がなぁ……」



 Eランクダンジョンへ上がる条件は複数ある。
●ランクE以上の魔物を10体以上配置する。
●魔物の数が100体以上
●冒険者が来た数が1000人以上
●倒した冒険者の数が10人以上
●ダンジョンが5階層以上
●ダンジョンの広さが100㎡以上
●ダンジョンマスターのレベルが10以上



 この中で三つ以上満たした上で、ダンジョン昇格試験に合格すると晴れてEランクダンジョンとして認めて貰える。

 冒険者のランク帯はDランクが一番多いダイヤモンド型になっている。
 FランクとSランクはかなり少なかった。

 僕がこの規定をクリアしようとしたら、冒険者絡みの数字が絶望的なので、魔物の配置数やダンジョンの広さで満たしていくしかない。



 そう考えると多数の魔物配置が必須となってくる。
 でも、弱い魔物を配置したところで、そのあとのダンジョン昇格試験をクリアできないことは目に見えていた。

 昇格試験は実際にFランク冒険者パーティが派遣され、倒しきることができるかを見られるものである。

 Fランクで簡単に攻略できるのなら、それは一つ上のランクとはいえない。



「一つ下のランクで良い魔物はいないのかな……。あっ?」



―――――――――――――――――――――
レベル:20 種族:スラ妖精(ランク:D)
HP:3/3 MP:1000/1000
筋力:5 耐久:2550 魔力:100 精神:100 速度:5110
スキル:【逃げ足(LV:10)】【経験値増(LV:1)】【中級魔法(LV:1)】
経験値:5000 お金:50円
―――――――――――――――――――――



 冒険者たちの中で噂になっている、経験値を運んでくる妖精を見つける。
 羽が生え、小柄な体をした光り輝くスライム。
 もし、倒すことが出来たなら、かなりの経験値を得ることが出来るから……、と乱獲の対象になっている。

 ダンジョンにこの魔物が配置されていると知られたら、冒険者が詰め寄せてくること、間違いなしだった。

 ただ、そのランクに見合わず、召喚DPは100。
 Cランククラス相当のDPが必要になってくる。

 でも、それに見合うだけの冒険者を呼び込んでくれる……と考えると、得をすることが多い魔物でもあった。

 あと、映像的にもオークよりは見栄えが良いはず。



「よし、この魔物にしよう。それなら、ダンジョンの拡張はいつも通りに行えるし、宣伝の効果もしっかりと出るから」



 そう結論づけた僕はスラ妖精を召喚していた。
 ただ、その大きさは本当にビー玉サイズで、目にも留まらぬ速度でダンジョンの中を徘徊しているので、ライブ中に見つけられるか不安に思えてくる。



「と、とりあえず、残りはダンジョンの拡張とスライムの追加かな?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結】平凡な容姿の召喚聖女はそろそろ貴方達を捨てさせてもらいます

ユユ
ファンタジー
“美少女だね” “可愛いね” “天使みたい” 知ってる。そう言われ続けてきたから。 だけど… “なんだコレは。 こんなモノを私は妻にしなければならないのか” 召喚(誘拐)された世界では平凡だった。 私は言われた言葉を忘れたりはしない。 * さらっとファンタジー系程度 * 完結保証付き * 暇つぶしにどうぞ

【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」  何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?  後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!  負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。  やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*) 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2022/06/22……完結 2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位 2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位 2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位

もういらないと言われたので隣国で聖女やります。

ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。 しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。 しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。

私の物を奪っていく妹がダメになる話

七辻ゆゆ
ファンタジー
私は将来の公爵夫人として厳しく躾けられ、妹はひたすら甘やかされて育った。 立派な公爵夫人になるために、妹には優しくして、なんでも譲ってあげなさい。その結果、私は着るものがないし、妹はそのヤバさがクラスに知れ渡っている。

処理中です...