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我が君の最後は決まっています
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我が君に背中を撫でられて、いい加減くすぐったいですしやめて欲しい。もう十分見たでしょう?
「いい加減やめてください」
「もうちょっと」
「…もういいでしょうに」
「ん、いや、だってお前これ、見せてくれないじゃないか」
「これ、あんたに向けられた害意ですよ。なんで見たがるんですか」
「お前が退けた数でもあるし、俺の罪でもある。だから見たい」
罪、ね。確かにそうですね。私はルーヴェリア様の代わりにその害意を祓っているようなモノですから。
「…手間ですし」
「んー…髪色もあの時だけだしな。今はもう全部染まったか」
髪色ね。守っただけ、ルーヴェリア様の目の色に染まる髪色は、私の誇りでもあるのですが。ただ、それを大っぴらに見せてしまうと誰を守っているか院に知られてしまうので染めていますが…もう院にはバレているので良い様な気もします。ああ、顔変えればまだ何とかいけますかね。
「当然といいますか…すべて染まって、髪切りましたからね」
「え、じゃあ…あの後すぐ…あ、あの襲撃か」
「そうそう、あの襲撃。あの後からヌルくてつまらなかったんですけれど、この間久しぶりに楽しめました」
襲撃者の人数も、魔術が使える王都外という事もあって、楽しめましたね。天気も良かったので、ルーヴェリア様の色の空色を氷に移しこむと本当に美しくてイイですし、なにより久しぶりに結構な数、殺しましたし。
「それでコレとか…多かったとは言ってたが、そんなに?」
「100位じゃないですかね。もっと頻繁に王都出てみましょうかね」
「お前な…それでお前が死んだら俺、どうするんだよ」
「やだなぁ、貴方を残して、俺が死ぬわけないじゃないですか。あんたは寿命で死ぬのが決まってるんです」
そう。俺が、私が、わたくしが。我が君を守ると誓った後に決めた事。自身に誓った、それ。
「断言されるとか。お前が先に寿命で死んだらどうすんだ」
「あんた殺してから逝くんじゃないですかね」
「うわぁ…」
「あんたが寿命で死ぬならいいですが…誰かの手で殺されるなんて、プライドが許せませんしね。当然じゃないですか」
いくら、自分が死んだ後とはいえ…それで誰かに我が君の命を取られるのは、ね。
「それでお前に殺されるとか…」
「大丈夫、恐怖も痛みもない様にしてさしあげますから」
「その心配はしてないし、心配する所、そこじゃないからな」
「では何が心配なんですか」
「お、ま、え」
私?どこに心配する要素があるのでしょう。
「その心がもつのか」
「どうせその後すぐ死ぬのに?」
心、ね。まあ、確かに狂う可能性はありますが、私の心臓を捧げて死ぬのに、狂う訳がないじゃないですか。
「あ、そうだった」
「アホですね」
「うるさい。あ。お前、髪切ったやつ、取ってあるんだろ?あるよな?」
「ありますけれど、それが何か?」
「俺にくれ。少しでいいから」
「構いませんけれど…呪いの品にするとか言わないですよね」
「言わないが、似たような物か?」
「?」
「遺髪として持っておこうかと」
「あんたより先に死なないって言ってるでしょうに」
「分からんだろうが。どうせお前の遺体は見られないだろうし」
やられるつもりはありませんが、まあ細切れか炭化させられますしね。王族には見せられない死体になるので、その通りではありますが…
「まあ綺麗に首飛んでるならまだましでしょうけれど。分かりました。あとでお持ちしますね。で、いいかげんいいですか」
「えー…もっと見ていたい」
「…さっきから何気に数数えてませんか」
「あ、ばれたか」
「ちなみに一人一つじゃないですよ」
「そうなの!?」
「危険度とかそう言いう物も関係しているようですね。この間の襲撃は、貴方を直接狙った訳ではないので、三分の一位じゃないですかね」
「本当に面白いな…もういいぞ。ん?あれ。ネルア嬢、意識あるか?」
「え?ネルア嬢、大丈夫ですか?」
ルーヴェリア様の言葉にネルア嬢を見れば、遠い目をしてますが…一体どうしたというのでしょうか。
「いい加減やめてください」
「もうちょっと」
「…もういいでしょうに」
「ん、いや、だってお前これ、見せてくれないじゃないか」
「これ、あんたに向けられた害意ですよ。なんで見たがるんですか」
「お前が退けた数でもあるし、俺の罪でもある。だから見たい」
罪、ね。確かにそうですね。私はルーヴェリア様の代わりにその害意を祓っているようなモノですから。
「…手間ですし」
「んー…髪色もあの時だけだしな。今はもう全部染まったか」
髪色ね。守っただけ、ルーヴェリア様の目の色に染まる髪色は、私の誇りでもあるのですが。ただ、それを大っぴらに見せてしまうと誰を守っているか院に知られてしまうので染めていますが…もう院にはバレているので良い様な気もします。ああ、顔変えればまだ何とかいけますかね。
「当然といいますか…すべて染まって、髪切りましたからね」
「え、じゃあ…あの後すぐ…あ、あの襲撃か」
「そうそう、あの襲撃。あの後からヌルくてつまらなかったんですけれど、この間久しぶりに楽しめました」
襲撃者の人数も、魔術が使える王都外という事もあって、楽しめましたね。天気も良かったので、ルーヴェリア様の色の空色を氷に移しこむと本当に美しくてイイですし、なにより久しぶりに結構な数、殺しましたし。
「それでコレとか…多かったとは言ってたが、そんなに?」
「100位じゃないですかね。もっと頻繁に王都出てみましょうかね」
「お前な…それでお前が死んだら俺、どうするんだよ」
「やだなぁ、貴方を残して、俺が死ぬわけないじゃないですか。あんたは寿命で死ぬのが決まってるんです」
そう。俺が、私が、わたくしが。我が君を守ると誓った後に決めた事。自身に誓った、それ。
「断言されるとか。お前が先に寿命で死んだらどうすんだ」
「あんた殺してから逝くんじゃないですかね」
「うわぁ…」
「あんたが寿命で死ぬならいいですが…誰かの手で殺されるなんて、プライドが許せませんしね。当然じゃないですか」
いくら、自分が死んだ後とはいえ…それで誰かに我が君の命を取られるのは、ね。
「それでお前に殺されるとか…」
「大丈夫、恐怖も痛みもない様にしてさしあげますから」
「その心配はしてないし、心配する所、そこじゃないからな」
「では何が心配なんですか」
「お、ま、え」
私?どこに心配する要素があるのでしょう。
「その心がもつのか」
「どうせその後すぐ死ぬのに?」
心、ね。まあ、確かに狂う可能性はありますが、私の心臓を捧げて死ぬのに、狂う訳がないじゃないですか。
「あ、そうだった」
「アホですね」
「うるさい。あ。お前、髪切ったやつ、取ってあるんだろ?あるよな?」
「ありますけれど、それが何か?」
「俺にくれ。少しでいいから」
「構いませんけれど…呪いの品にするとか言わないですよね」
「言わないが、似たような物か?」
「?」
「遺髪として持っておこうかと」
「あんたより先に死なないって言ってるでしょうに」
「分からんだろうが。どうせお前の遺体は見られないだろうし」
やられるつもりはありませんが、まあ細切れか炭化させられますしね。王族には見せられない死体になるので、その通りではありますが…
「まあ綺麗に首飛んでるならまだましでしょうけれど。分かりました。あとでお持ちしますね。で、いいかげんいいですか」
「えー…もっと見ていたい」
「…さっきから何気に数数えてませんか」
「あ、ばれたか」
「ちなみに一人一つじゃないですよ」
「そうなの!?」
「危険度とかそう言いう物も関係しているようですね。この間の襲撃は、貴方を直接狙った訳ではないので、三分の一位じゃないですかね」
「本当に面白いな…もういいぞ。ん?あれ。ネルア嬢、意識あるか?」
「え?ネルア嬢、大丈夫ですか?」
ルーヴェリア様の言葉にネルア嬢を見れば、遠い目をしてますが…一体どうしたというのでしょうか。
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