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王都に戻ってやること其の1

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 馬車へ乗り込み、王都へ動き出しますが、王都へ戻ってからやることいっぱいですね。
 ただまあ…まずはルーヴェリア様のお顔を見たいです。書類処理、ちゃんとできているのか見ませんと。
 ネルア嬢が住む場所ですが…確かにジョセフィーヌ嬢の話し相手もというのであれば、皇后様の宮もいいんですが、男子禁制なのでメイドに扮せば行けますが、それはそれでばれたら問題ありそうですし…後は貴族の子女がメイドとなった場合の部屋、というものもありますが…

「メイドの部屋ってどんな感じですか?わかります?」

 斜向かい側に座っている執事に聞けば、ふむ。と少し考えこんでいる。

「位や役職にもよりますね。ただ、当主の婚約者ともなれば、良い部屋は頂けるでしょうが…男子禁制ですよ。まあ、忍び込めますが」
「そこもですか。まあ、そうでしょうねぇ…ただ、いくら何でも忍び込むのはちょっと。それならまだ客室の方が融通ききますかね」
「その点ではそうですが…結婚したらどうなさるおつもりで?子を考えたらずっとはいられませんでしょう?」

 子。ネルア嬢の子にうちの技術を教えるかどうかはまた後で考えるとして。ルーヴェリア様の子が一気に産まれたら5人ですから、苗床に産ませるにしろ、兄達の子を貰うにしろ、大人数になりますよねぇ。乳母やメイド兼護衛を用意するだけで人数増えますし。

「そう、ですよねぇ。父の邸宅は使い勝手がいいんですが流石にどうかと思いますし、近くにいい場所あれば良いんですが…」
「探させましょうか?ご希望お伺いします」
「ネルア嬢の希望も聞きたい所ですし、しばらくは王宮の客室でいいでしょう。ルーヴェリア様のお部屋から近い所で、荷物が多いようでしたら二部屋ですかね」

 私の希望としては、私の部屋からの秘密の小部屋があると良いんですが。ネルア嬢には毒とかうっかりでも触れて欲しくはないので、そういったものを保管する場所ですよ。装備に持ってるやつとかね。
 それを伝えたら、何故か呆れた顔をされました。

「ベッドルームの内装とか風呂でもしやすいようにとかそういうのないんですか」
「適当では困りますが、まあ一般的な物でいいですよ」
「一般的に、でよろしいので?」
「逆にナニを期待されているのか分かりませんが」
「…鞭とか」
「求められればしますが…ネルア嬢の趣味がわかりませんので」
「当主が嗜虐趣味を出さないなんて…」
「だから趣味ではありませんって」

 女の襲撃者なんかの場合、吐かせる為にそういう事をしていると、苦痛から逃れる為なのか、別の世界への扉を開きやすくなるらしく、叩いたり焼きゴテで焼いたりするうちに、気持ちよくなるやつがいるんですよ。それならそれで、方向転換して吐かせるだけなんですが…こっちも時々興に乗ってしまう時がある位ですよ。

「何人も抱えていらっしゃるのに?」
「苗床候補ですよ。そっちの具合もいいので。欲しいならあげますよ」

 そう尋ねれば、ものすごくげんなりした顔で、いりませんと拒否されました。あいつとか、あいつとか…欲しがる奴、意外といるんですが、こいつはそうでもなかったようですね。
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