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逃がしませんよ(ヒロイン62と連動)
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あと、何というか…婚約者が出来たり…一般的な女性もそうですが、相手が出来ると女性は服やアクセサリーで着飾ったり、男性にねだったり、なんて事が普通…らしいんですが、そういうのもないんですよね。パーティー用のドレスだって、やっと了承していただいたようなものですし。…遠慮でもしてるんでしょうか。
「女性って…婚約が調うと、急にドレスやアクセサリーを新調したり、式はどうしたい、とかそういう話をするものらしいと聞いて居たのですが…一切、ございませんよね」
「そ、それは…まだ、いまいち実感がわかないもので」
「こんなに分かりやすく求愛をしているのに?」
と、そう言って、そう言えばと思う。態度とかは示してましたが…言葉にはしてませんでしたね。回りくどい言い回しはしていたようには思いますが。
「そういえば…態度では表していたんですが、言った事、ございませんでしたね。愛していますよ。心臓を差し上げたいくらいに」
「えと、心臓、は…流石に」
「それ位、愛しているという事ですよ。実感、していただけました?」
私共は…心から敬愛する主に…名を預けると同時に、心臓を預けたようなものなんです。なので…ネルア嬢にも。ただ、私の心臓といいますか、命は一つしかありませんし…優先順位というか、先に捧げてしまったので…本当の、心臓は…我が君にしか捧げられないのですが。
でもまあ…心は、二心を許していただけますしね。それで許していただきたい所です。
「ですのでね…逃げられると嫌なので、逃げないでくださいね」
逃げられたらどうなるんでしょうね。我が君はいらっしゃるので…本当に連れ去って、逃げられない様に檻にでも閉じ込めるのでしょうか。ちょっとそうなった時の自分の反応が分からないですね。
「…逃げられないというお話では」
「そうですね。すみません、使える物は最大限使わせていただく主義でして。仕事柄、お傍にいる時間が少なくなってしまいますが、そこはご理解いただきたい所ではあります」
そう。使える物は使いますよ。ついでに…結婚後の話もしてしまいます。ただ…一緒に住む邸宅、どうしましょうねぇ。本当に、部屋を王宮にいただいてしまいましょうか。
「一先ず私の傍付になっていただきますが、今ルーヴェリア様の婚約者であるジョセフィーヌ嬢が皇后様の宮に滞在しておりますので…お話相手というのも考えています」
皇后様の宮にお部屋…は、私が入れないですね。いや、メイドに扮せばいけますか。少々手間ではありますが…
「話相手だなんて…その、私、あまり貴族との付き合いがなくて…」
「問題ありませんよ。あの方、そもそもの出会いがあり得ませんので」
そう言って、その出会いを教えてさしあげれば、まあ。と言って驚いている様子。普通の貴族であれば、あり得ない出会い方してますからねぇ。
「未練たらしく眺めていた事と、噂の事がありましたので教えてさしあげましたら、まあ面白い様に転がってくれましたねぇ」
結婚の打診がある事は知ってましたが、我が君も王族なので、そのうち言い出すだろうと放っておいたら、こんな事になるとは私もおもいませんでしたが。出されたスープを温かいうちにと口にしましたが…これは何でしょうか。余り口にしたことがないスープですね。ダシが違う…?ちょっと気になるので、レシピを聞いてくるように頼みます。
「王都の街のショコラティエで働いていたそうなので、その近辺のカフェにデートしにいく約束をしたそうですし…一緒に行きましょうね」
「…え?一緒に?」
「どうせ同席しますので、メイドを連れて行くより、貴女を連れていきたいじゃないですか」
「同席、するのですか?」
「普通のお店で、いくら警護のためとはいえ、テーブルの傍に立っているのも邪魔ですし。こういう個室であれば別ですけれど」
どうせ我が君は、美味しい物を食べると食べさせてきますし。あれは一体なんなんでしょうね。同じものを作れという事なんでしょうか。まあ、気に入ったものは大抵つくってさしあげてますが。
ネルア嬢の顔が、同席…と、呟いては暗い顔をしますが…王族と一緒、というのが嫌なんでしょうか。ただ…我が君は基本的に王威出さないので、普通の服着ると、本当に分からないんですよね。
「ルーヴェリア様、やるときはやる子なんですが、基本的にはそこらへんにいる気のいい人なので、余り気にしなくていいですよ」
「…気のいい人、ですか」
「悪く言えば、馬鹿でアホです」
うん、本当にそうなんですよね。時々発揮する王威とか、勘とかを考えなければ、ですが。
「女性って…婚約が調うと、急にドレスやアクセサリーを新調したり、式はどうしたい、とかそういう話をするものらしいと聞いて居たのですが…一切、ございませんよね」
「そ、それは…まだ、いまいち実感がわかないもので」
「こんなに分かりやすく求愛をしているのに?」
と、そう言って、そう言えばと思う。態度とかは示してましたが…言葉にはしてませんでしたね。回りくどい言い回しはしていたようには思いますが。
「そういえば…態度では表していたんですが、言った事、ございませんでしたね。愛していますよ。心臓を差し上げたいくらいに」
「えと、心臓、は…流石に」
「それ位、愛しているという事ですよ。実感、していただけました?」
私共は…心から敬愛する主に…名を預けると同時に、心臓を預けたようなものなんです。なので…ネルア嬢にも。ただ、私の心臓といいますか、命は一つしかありませんし…優先順位というか、先に捧げてしまったので…本当の、心臓は…我が君にしか捧げられないのですが。
でもまあ…心は、二心を許していただけますしね。それで許していただきたい所です。
「ですのでね…逃げられると嫌なので、逃げないでくださいね」
逃げられたらどうなるんでしょうね。我が君はいらっしゃるので…本当に連れ去って、逃げられない様に檻にでも閉じ込めるのでしょうか。ちょっとそうなった時の自分の反応が分からないですね。
「…逃げられないというお話では」
「そうですね。すみません、使える物は最大限使わせていただく主義でして。仕事柄、お傍にいる時間が少なくなってしまいますが、そこはご理解いただきたい所ではあります」
そう。使える物は使いますよ。ついでに…結婚後の話もしてしまいます。ただ…一緒に住む邸宅、どうしましょうねぇ。本当に、部屋を王宮にいただいてしまいましょうか。
「一先ず私の傍付になっていただきますが、今ルーヴェリア様の婚約者であるジョセフィーヌ嬢が皇后様の宮に滞在しておりますので…お話相手というのも考えています」
皇后様の宮にお部屋…は、私が入れないですね。いや、メイドに扮せばいけますか。少々手間ではありますが…
「話相手だなんて…その、私、あまり貴族との付き合いがなくて…」
「問題ありませんよ。あの方、そもそもの出会いがあり得ませんので」
そう言って、その出会いを教えてさしあげれば、まあ。と言って驚いている様子。普通の貴族であれば、あり得ない出会い方してますからねぇ。
「未練たらしく眺めていた事と、噂の事がありましたので教えてさしあげましたら、まあ面白い様に転がってくれましたねぇ」
結婚の打診がある事は知ってましたが、我が君も王族なので、そのうち言い出すだろうと放っておいたら、こんな事になるとは私もおもいませんでしたが。出されたスープを温かいうちにと口にしましたが…これは何でしょうか。余り口にしたことがないスープですね。ダシが違う…?ちょっと気になるので、レシピを聞いてくるように頼みます。
「王都の街のショコラティエで働いていたそうなので、その近辺のカフェにデートしにいく約束をしたそうですし…一緒に行きましょうね」
「…え?一緒に?」
「どうせ同席しますので、メイドを連れて行くより、貴女を連れていきたいじゃないですか」
「同席、するのですか?」
「普通のお店で、いくら警護のためとはいえ、テーブルの傍に立っているのも邪魔ですし。こういう個室であれば別ですけれど」
どうせ我が君は、美味しい物を食べると食べさせてきますし。あれは一体なんなんでしょうね。同じものを作れという事なんでしょうか。まあ、気に入ったものは大抵つくってさしあげてますが。
ネルア嬢の顔が、同席…と、呟いては暗い顔をしますが…王族と一緒、というのが嫌なんでしょうか。ただ…我が君は基本的に王威出さないので、普通の服着ると、本当に分からないんですよね。
「ルーヴェリア様、やるときはやる子なんですが、基本的にはそこらへんにいる気のいい人なので、余り気にしなくていいですよ」
「…気のいい人、ですか」
「悪く言えば、馬鹿でアホです」
うん、本当にそうなんですよね。時々発揮する王威とか、勘とかを考えなければ、ですが。
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