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高魔力持ちですよ(ヒロイン50と連動)
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準備を整えて馬車留めで待っていると、ネルア嬢が来た。けれど、私の腰…というか、剣を見ては、ことりと首をかしげている。ああ、我が君もそうしますね。というか…ルーヴェリア様は認識できないのが嫌なようで、分からない様に持っている時は何故か何度も確認して来ますし。ここ最近は、そういう物だという認識になったのか、しなくなりましたけれど。あ。街の警邏中は、普通に分かる様に持ってますよ。街の人もいますのでね。
「ふふ…私、よく侍従に間違われるんですよね。剣持っているのに」
「えっ…あ、失礼しました。ですが、その服に剣というのも」
「そうなんですが…これ、私が生きている証なので、これだけは持っていないと、ルーヴェリア様がうるさいんです」
確かにこの服に剣というのもどうかとは思いますけれど、護身用に持っている人もいますし、デートに騎士服というのもちょっと。ですが、騎士服も似たようなものですのにね。多少、詰襟であることとか、そういった違いはありますが。タイは、詰襟の上を外して開くようにすることで、見えるようにしますよ。
まあ、まずは馬車へ乗りましょうね。向かいながら話してもいいですし。きちんとエスコートして馬車へと乗り込む。執事とレイが膝の上にバスケットを抱えている事に気が付いたのか、目を向けているけれど。
「結構な量、ありそうですわね」
ぽつりとそう言うので量から人数で割って、一人分を想定しますが…確かにすこし摘まむような分量ではありませんね。ですが、まあ…少し日持ちしますし、そこら辺は修道院の大人に任せればいいでしょう。
「修道院で昼食があるならば、昼食が食べられなくなるからほどほどにするように言わないといけませんね」
「そう、ですわね」
と、そんな事を離している間も、剣に目が行く様子で。言い難そうに、口を開いたのは、先ほど私が言った事。
「あの…生きている証、というのは…」
「ああ、こいつ、特殊な剣でして。持ち主が死ぬと、勝手に城に戻るのですよ」
「え…」
「そう簡単にはやられませんし、安心してください」
まあ、女性に言う事ではありませんし、そもそも結婚するかもしれない女性になら、もっという事ではありませんけれど。だって、私が死んだら未亡人じゃないですか。
「不安にさせてしまいましたね」
「…無理は、なさらないでください」
「ふふ…ありがとうございます」
私が死ねば、ルーヴェリア様の命さえ危うくなるので、それは駄目です。ですので、まあ…本当に、やられるつもりはありません。万が一、億が一でもそんな事がない様に、注意しなければいけません。そう、心を新たに…していると、聞いてもいいかと言われ、答えれば。
「魔力は…魔術は、使えますの?」
そう言われて、思わず、ああ…と、零してしまう。まあ、別に魔力がないとは言ってませんし、隠しているわけでもないですが…これは言った事ないんですよね。ただ、安心材料の一つになればいいんですが…
「おまえ、言っていいと思います?」
「秘密にして貰えればいいのでは」
「ではそうします。一応、公表はしてませんし、王都から出る事もなかったので…使えないと思われているんですが」
まあ、例え王太子様と同等の魔力があっても、それを使いこなせないと意味がないので、高魔力持ちだと知られたとしても問題はないんですけれどね。
「私、王太子様に、王都で魔術を放てるのではと疑われる程の魔力持ちですよ」
「しかも王太子様直々に、魔術教えられていますしね」
使いこなしますよ。もちろんじゃないですか。
「ふふ…私、よく侍従に間違われるんですよね。剣持っているのに」
「えっ…あ、失礼しました。ですが、その服に剣というのも」
「そうなんですが…これ、私が生きている証なので、これだけは持っていないと、ルーヴェリア様がうるさいんです」
確かにこの服に剣というのもどうかとは思いますけれど、護身用に持っている人もいますし、デートに騎士服というのもちょっと。ですが、騎士服も似たようなものですのにね。多少、詰襟であることとか、そういった違いはありますが。タイは、詰襟の上を外して開くようにすることで、見えるようにしますよ。
まあ、まずは馬車へ乗りましょうね。向かいながら話してもいいですし。きちんとエスコートして馬車へと乗り込む。執事とレイが膝の上にバスケットを抱えている事に気が付いたのか、目を向けているけれど。
「結構な量、ありそうですわね」
ぽつりとそう言うので量から人数で割って、一人分を想定しますが…確かにすこし摘まむような分量ではありませんね。ですが、まあ…少し日持ちしますし、そこら辺は修道院の大人に任せればいいでしょう。
「修道院で昼食があるならば、昼食が食べられなくなるからほどほどにするように言わないといけませんね」
「そう、ですわね」
と、そんな事を離している間も、剣に目が行く様子で。言い難そうに、口を開いたのは、先ほど私が言った事。
「あの…生きている証、というのは…」
「ああ、こいつ、特殊な剣でして。持ち主が死ぬと、勝手に城に戻るのですよ」
「え…」
「そう簡単にはやられませんし、安心してください」
まあ、女性に言う事ではありませんし、そもそも結婚するかもしれない女性になら、もっという事ではありませんけれど。だって、私が死んだら未亡人じゃないですか。
「不安にさせてしまいましたね」
「…無理は、なさらないでください」
「ふふ…ありがとうございます」
私が死ねば、ルーヴェリア様の命さえ危うくなるので、それは駄目です。ですので、まあ…本当に、やられるつもりはありません。万が一、億が一でもそんな事がない様に、注意しなければいけません。そう、心を新たに…していると、聞いてもいいかと言われ、答えれば。
「魔力は…魔術は、使えますの?」
そう言われて、思わず、ああ…と、零してしまう。まあ、別に魔力がないとは言ってませんし、隠しているわけでもないですが…これは言った事ないんですよね。ただ、安心材料の一つになればいいんですが…
「おまえ、言っていいと思います?」
「秘密にして貰えればいいのでは」
「ではそうします。一応、公表はしてませんし、王都から出る事もなかったので…使えないと思われているんですが」
まあ、例え王太子様と同等の魔力があっても、それを使いこなせないと意味がないので、高魔力持ちだと知られたとしても問題はないんですけれどね。
「私、王太子様に、王都で魔術を放てるのではと疑われる程の魔力持ちですよ」
「しかも王太子様直々に、魔術教えられていますしね」
使いこなしますよ。もちろんじゃないですか。
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