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ダーツで絵でも描きますか?(ヒロイン47と連動)

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 食事も終盤に差し掛かる頃、ワインからアイスティーに変えられた。もっと飲みたかったんですが仕方ないですね。
 食後のデザートは、さっぱりとしたムースでした。意外と果物を上手く使う調理人らしいですね。料理にもちょいちょい使われていましたし。

「それにしても今まで接点がなかったので分かりませんでしたが…ネルアに贈られた髪留めと、本当にそっくりな目の色をしてますな」

 と、デザートを楽しんでいるとそう言われますが、当然でしょう。

「それはそうでしょうね。我が君が私の眼の色にそっくりだと言って、私に下さった物を使って誂ましたので」
「ほう」
「そんな大切な物…」
「私…我が君と貴女、どちらも喪えないモノですので。大丈夫…きちんと御守りします。我が君に誓って」

 ネルア嬢が琥珀の出どころを知って不安になったのでしょう。そう言われますが…もう喪えないので仕方ないですよね。逃げられたら嫌なので。
 なので…もう一手。

「そうだ。少々、食後に公爵様と、時期公爵様に許可を頂きたい事がございまして。お時間いただけますか?」
「それは構わんが…今でもいいが」
「ネルア嬢には、許可を頂いてからの方がいいかと思いましたので」
「ふむ…では、ダーツ室でも」

 あー…ダーツは、駄目ですね。妹分も執事も顔、ひきつってますよ。分かるのは私くらいでしょうが。

「勝負事でないのであれば喜んで」


 ということで、ダーツ室へと来ました。ワインも用意されてますが、まあ…ほどほどにします。

「して、話とは?」
「…インナーブルですか、流石ですねぇ…先にお邪魔してますメイド以外に、ネルア嬢へのお話相手として一人と…人形を2体、置いて行こうと思いまして」
「話し相手はいいですが…人形など、貴族のプレゼントとしてよくありますので、何も断りをいれずとも」
「ああ、失礼しました。人形の様なので、呼称が人形になっている双子がおりまして」

 こら執事、鼻で笑ったの聞こえましたよ。本当に人形なんですけどね。まあ、本当に人に見えますし、こういう言い訳が妥当です。

「その…人形、という双子はメイドではないのですか」
「次期公爵様も良い腕をお持ちで。メイドではなく女性騎士ですよ。見習いではありますが…ただ仕える主がいないだけですので」

 主など、創造主のあいつ以外に侍りませんけれどね。まあその創造主がルーヴェリア様の騎士、というかうちの者ですので…私が主になるんですかねぇ?

「騎士ですか。妹の護衛にということですか?」
「しっかりした兵もいらっしゃいますし、こんな事を言ってしまうとあれなんですが…人となりとか能力が分かりませんので」
「ふぅむ…ちなみに君は、ダーツはやらんのかね。先ほど勝負事でなければと言っていたが」
「私の場合どこにでも刺せますので勝負にならないんです。よく飛んできた弓矢を投げ返しては風穴開けてましたしね」
「は?」
「襲撃者ですよ。ですので…王都、は真ん中ですよねぇ、やっぱり。で、ここがグランシュネル公爵領の邸宅、で、ここが本日の…襲撃場所。そしてテーヴァ伯爵の首都がここら辺ですかね。キンバリー家がやらかした首都がこっち、と。こんな所ですか」
「おお…お見事。すごいですね。こんな人が義弟になるだなんて。私こういう事、てんでだめで」

 言いながらダーツを投げれば、と、と、と…と軽い音を立てて、ボードにダーツが刺さっていく。王都は中央のインナーブル以外にあり得ないですし、下が開いてしまうので、丁度いいからとキンバリー家がやらかした首都も入れておく。すると、最初から苦手だからと見ているだけだった次兄がそうやって褒めてきますが…

「出来る事を伸ばすのも、良い事だと思いますよ。我が君も、そこらへんは褒めてくださいますし」
「褒めてくださるんですか?王子様が?」
「ご褒美もくださいますよ。そこら辺の使い分けがうまいから慕われるんでしょうねぇ」

 と、我が君を褒めていると、執事がぼそりと言う。

「ルーヴェリア様は、その上を行く筆頭に言われたくないでしょうよ」

 その上、と言いましてもね。そもそもの根底が違いますので仕方ないと思いませんか。ルーヴェリア様は、直に命令する事もありませんし、接する機会も…傍付でないならばないですからね。当主、というのは命令するものですし、報告からの褒美、というのも当然でしょうに。なんで呆れたような顔するんでしょうねぇ。
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