キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

5章：2つの結婚式

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　愚痴や不安を吐き出して幾分すっきりすると、スーザンさんがそういえば。と言う。

「タカナシさんはギルドに納品したりパン屋と道具の収入があるとして、キルギスさんと結婚したら仕事どうするつもりなのかしらね」
「どうするつもりとは？」
「今は貴女のサポートとして就いているからいいとして…やっぱりそのうちまた同じようにいろんな所に行くことになる…はずなのよね」

　そうすると、家で待つパターンか、一緒に行動というか機関に所属してグループで、という事も可能らしいけど。

「家で待つパターンって…大丈夫だとおもいます？」
「駄目だと思います」
「私も駄目かと」

　二人にダメ出しされた…でも、その任務の間は日本にいるとか、機関にいるとか…あとは領主館にいさせてもらうか？うーん。領主館だと何をしていればいいのか迷うしなぁ。

「私とか松田さんが付いていてもいいんでしょうけど、タカナシさんの、えーと、ニホン？にいた時のあの怖さを知ってるから、ちょっと」
「シュウからも聞いてますけど、そんなにですか？」

　ルシーさんに聞かれて、うんうん。と頷くスーザンさん。まあ、ね。私もあのやつれた顔見てるし分かる。あれでぶつぶつ言ってたら怖いよね。

「そこら辺も相談した方がいいわね。私から所長にも言っておくわ」
「ありがとうございます。でも、落ち人が機関に所属って、いいんですか？」
「機関に所属した人はいないけど、駄目ではないわよ。それに今回は特例になるかも」

　特例ってなんで？と思ったんだけど、キルギスさんが怖いかららしい。いや、え、そんなに？魔王になる可能性は、松田さんにしか伝えてないんだけど、雰囲気でわかるものなのかな？

「それだけで特例になるとは思えないんですが…」
「…特例にするわ！あの状態のキルギスさんに落ち人が出会ったら恐怖しかないもの！」

　あー…それはありうる。機関のいろんな人が声を上げれば大丈夫！と、スーザンさんが言ってくれたので心強いけど。でも出会った時の事を思い出してうーん。と悩む。

「でも機関の…キルギスさんのお仕事についていくのも…見回りは私には難しいでしょうし、どうなるんでしょうか」
「今やってる採集と同じよ。拠点作って結界張って、見回りはキルギスさんだけでするとかね」
「なるほど」

　言われてみれば同じ事か。ふむふむ。と納得していると、松田さんが時々キルギスさんから依頼を受けて魔獣の退治に繰り出される事があるのだといって笑う。

「そうなんですか？」
「ええ。余り奥地だと移動するのも大変だし、転移できるからって。多少ならいいらしいのですが、増えすぎていると危険だとかで、間引く為と言ってましたね」

　間引く…そういう事もハンターの仕事らしいけど、マジックバックがあるとはいえ、移動する事を考えると確かに大変か。距離が遠すぎると別途料金がかかるそうで、便利に使われているらしい。

「それっていいんですか？」
「本人が良いって言ってるので、いいのではないでしょうか。素材丸々頂いているらしく、稼げたと言って喜んでますし」

　本人がいいならいいのかな？と思っていたら、ルシーさんと松田さんで他の街に仕入れに行くことも極まれにあるらしく、そのルート近くの場合よらせてもらうから、ポイントを毎回松田さんに連絡するようにと言われる。

「大変じゃないですか？それ」
「いいんです。キルギス様から聞くキャンプ料理、私も気になるので」

　いや、気になるなら庭とかでやりますよ？え、キャンプでやる方がいいの？もしや道中の料理改善とか、そっち目当てなのかな？