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5章:2つの結婚式
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家の家具や内装なんかも、キルギスさんと一緒に街で見て回ったり、ドレスのデザインが決まって仮縫いまでできたからと試着してみたり。だから採集はちょっとお休みだけど、インベントリに入ってる物があるからギルドに行って在庫があるものを卸したり。そんな日々を過ごして、あっという間に結婚式前日になった。
「今更だけど、本当に私でいいんでしょうか」
と、スーザンさんとルシーさんにこぼしてしまう。今日は女子会という事で、機関の私の部屋に集まってくれたのよ。お茶はスーザンさんが用意してくれて、お菓子は日本産のクッキーやチョコなんかを持ち込んで。
「本人がいいっていうんだからいいんじゃないですか?あのキルギスさんを見たのなんて、初めてでしたしね」
スーザンさんがいう”あの”というのは、闇落ちキルギスさんよね。確かに落ち人が心配なら毎回なってるはずだし。
「心配する事はないんじゃないでしょうか。こっちにいる時はほぼべったり状態でも特に不満が出ていないなら問題ないでしょうし」
確かにルシーさんの言う通りかもしれない。ちょーっと束縛というか心配性が強いけど、言えばちゃんと聞いてくれるしね。
「まあでもその不安はわかります。機関に所属してるとはいえ、貴族家ですからね」
「それもありますね…お義母様もお義父様も良くしていただけるんですが、規模がちょっと」
「所長まで出て来て説得してましたもんね。でもそちらの国も結構裕福な国だと伺ってますが」
「そうは言っても一般庶民よ。あんなに本物の宝石いっぱいつけたドレスなんて、皇室…王様とか、上流階級の人とかじゃないと無理よ。貸衣裳とかなら手が伸ばせるかもしれないけど…」
うーん、もっとまじめに見ておけばよかったかな。松田さんとは偽装結婚だったからこれがいいなっていうやつで決めちゃったし、そもそも神前式だからドレスじゃなかったしね。
「貸衣装とかあるんですね。私達庶民はそもそも式という式もないんですよ」
「え?じゃあどうしてるんですか?」
「教会で届け出だして終わりです。でも、シュウが結婚式をしないのかと聞かれたんですけど…そちらでは普通なのでしょうか?」
「そうねぇ…普通かって言われると家庭の事情とかもあるからなんともいえないけど、まぁまぁ普通、ね」
うん、結婚式しないつもりだったけど両親に押し切られたものね。
「こちらの結婚式はある意味お披露目っていう意味合いもあるので、逆に庶民はしないんです。貴族とか、大きい商会とか…なので、私達が式をするのは逆に変というか…」
「そうなのよね。財力をここぞとばかりに見せつけるとか、そういうものになるから…領主様達が豪華にしたがるのもわかるんですけどね」
「それじゃあ、一応機関に所属していて、ある意味一般庶民なのに…小さいとはいえ式をするのはいいんですか?」
「一応機関の…余り接してないだろうけれど、キルギスさんと同じ部署の人とか事務方の人とかも参加するので、顔見せっていう意味では問題ないわよ。落ち人を守らないといけない訳だしね。ただ…キルギスさんのガードが強固すぎて…」
スーザンさんがそう言って困った様に笑う。キルギスさん、どんだけ心配性なんだか。
「だから、何かあったとしても逐一キルギスさんに言った方がいいわ。言わないで深刻な状態になったら、なにするか分からないもの」
うん、何するかっていうより魔王降臨しますもんね。大丈夫分かってる。
「今更だけど、本当に私でいいんでしょうか」
と、スーザンさんとルシーさんにこぼしてしまう。今日は女子会という事で、機関の私の部屋に集まってくれたのよ。お茶はスーザンさんが用意してくれて、お菓子は日本産のクッキーやチョコなんかを持ち込んで。
「本人がいいっていうんだからいいんじゃないですか?あのキルギスさんを見たのなんて、初めてでしたしね」
スーザンさんがいう”あの”というのは、闇落ちキルギスさんよね。確かに落ち人が心配なら毎回なってるはずだし。
「心配する事はないんじゃないでしょうか。こっちにいる時はほぼべったり状態でも特に不満が出ていないなら問題ないでしょうし」
確かにルシーさんの言う通りかもしれない。ちょーっと束縛というか心配性が強いけど、言えばちゃんと聞いてくれるしね。
「まあでもその不安はわかります。機関に所属してるとはいえ、貴族家ですからね」
「それもありますね…お義母様もお義父様も良くしていただけるんですが、規模がちょっと」
「所長まで出て来て説得してましたもんね。でもそちらの国も結構裕福な国だと伺ってますが」
「そうは言っても一般庶民よ。あんなに本物の宝石いっぱいつけたドレスなんて、皇室…王様とか、上流階級の人とかじゃないと無理よ。貸衣裳とかなら手が伸ばせるかもしれないけど…」
うーん、もっとまじめに見ておけばよかったかな。松田さんとは偽装結婚だったからこれがいいなっていうやつで決めちゃったし、そもそも神前式だからドレスじゃなかったしね。
「貸衣装とかあるんですね。私達庶民はそもそも式という式もないんですよ」
「え?じゃあどうしてるんですか?」
「教会で届け出だして終わりです。でも、シュウが結婚式をしないのかと聞かれたんですけど…そちらでは普通なのでしょうか?」
「そうねぇ…普通かって言われると家庭の事情とかもあるからなんともいえないけど、まぁまぁ普通、ね」
うん、結婚式しないつもりだったけど両親に押し切られたものね。
「こちらの結婚式はある意味お披露目っていう意味合いもあるので、逆に庶民はしないんです。貴族とか、大きい商会とか…なので、私達が式をするのは逆に変というか…」
「そうなのよね。財力をここぞとばかりに見せつけるとか、そういうものになるから…領主様達が豪華にしたがるのもわかるんですけどね」
「それじゃあ、一応機関に所属していて、ある意味一般庶民なのに…小さいとはいえ式をするのはいいんですか?」
「一応機関の…余り接してないだろうけれど、キルギスさんと同じ部署の人とか事務方の人とかも参加するので、顔見せっていう意味では問題ないわよ。落ち人を守らないといけない訳だしね。ただ…キルギスさんのガードが強固すぎて…」
スーザンさんがそう言って困った様に笑う。キルギスさん、どんだけ心配性なんだか。
「だから、何かあったとしても逐一キルギスさんに言った方がいいわ。言わないで深刻な状態になったら、なにするか分からないもの」
うん、何するかっていうより魔王降臨しますもんね。大丈夫分かってる。
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