97 / 108
5章:2つの結婚式
97
しおりを挟む
紆余曲折あったものの…日本では松田さんとの偽装結婚を済ませた。これだけは、という私の両親の願いで、北海道で両家両親のみでの結婚式をした。とはいえ、キスしたくないので神前式にしました。
相手が松田さんなので、あくまで役者、演じなきゃという気持ちだけで乗り切ったので疲れ果ててしまったけど…両親がとても喜んでくれたので、よかったと思うと同時に…向こうの世界の結婚式は呼べないんだよなぁと寂しくもあった。写真は持ち込めるからとれるだろうけど…相手の男は誰だ!ってなるしね。会わせろと言われても無理だしね…これはもうしょうがない。
そうして、リュリュクスに週5、日本に週2というサイクルで活動するようになった。…んだけれど。
「ユカ、ガスールという魔獣を狩って来た。これはモモ肉だが、臭みがあるからスモークがいいと思う」
「わかったわ、ありがとうございます。お湯は沸いてるからお茶淹れてもらってもいい?ちょっと準備しちゃうから」
うん、なんかもうキルギスさんと採集&キャンプが常よ…しかも食材というか、お肉は現地調達が主。というか、そもそもここは松田さんが教えてくれた採集ポイントで、固定した結界の外に出ると危険な生物が一杯っていう恐怖の採集ポイントよ…!
キルギスさんから渡されたお肉の塊を一度インベントリに入れてから、燻製にする道具を薪の近くに設置する。この燻製用の道具はキルギスさんにそういう道具はないのかと聞いたらないと言うので、ルシーさんに伝えて作ってもらったのよ。
作るのはまた別の所に依頼したらしいけれど、発案ということでちょっとだけ売上からお金がもらえるから助かる。
それはともかくとして。燻製機の下に、この世界の燃やすといい香りがする木辺を入れておく。そうして、燻製機の切り込みに大きい網をセットしてからお肉を大き目のサイコロに切ってから、軽く塩コショウを振って網の上にのせてふたをする。
それから魔法で火をつけて、後は出来上がるのを待つ…けど、様子を見たり、火の調節はキルギスさんがいつもしてくれるのよ。私がやけどしないようにって。やけどしない様に皮の手袋も用意してるんだけど、ほんと過保護よねぇ。
「キルギスさん、後おねがいします」
「ああ。ユカの分もお茶淹れてあるから少し休むと良い」
差し出されたコップを受け取って、私が燻製機を出した辺りでキルギスさんが場所を移動してくれた椅子代わりの丸太に座ってお茶を飲む。
なんだかんだで採集に集中してたから、喉が渇いていたらしい。おかわりも入れてくれてちょっと恥ずかしかった。
「俺が居ない間に結構収穫出来たみたいだが、それでもまだかなりあるな。どうする?まだここで続けるか?」
「そう…ですね。そろそろお昼から過ぎてますし…夕ご飯の準備します。お肉は燻製でいいとして、野菜のスープ位は」
「分かった、燻製はまだ大丈夫だろうから鍋の準備だけしておく」
「はい。ありがとうございます」
と、まあ…こんな感じで…狩りも出来るし料理手伝ってくれるしで、出来る男感がすごい。でもキャンプ飯は私が作る方法が変わってて、でもおいしいと好評なので、私が作ってるけどね。キルギスさんは燻製にハマってしまったらしく、それに合う食材とか薪なんかも探してるみたいで時々これは?って言われて一緒になって楽しんでるからいいんだけどね。
こういう、二人で楽しめるのはいいなぁ。イケメンだから目の保養になるしね…
相手が松田さんなので、あくまで役者、演じなきゃという気持ちだけで乗り切ったので疲れ果ててしまったけど…両親がとても喜んでくれたので、よかったと思うと同時に…向こうの世界の結婚式は呼べないんだよなぁと寂しくもあった。写真は持ち込めるからとれるだろうけど…相手の男は誰だ!ってなるしね。会わせろと言われても無理だしね…これはもうしょうがない。
そうして、リュリュクスに週5、日本に週2というサイクルで活動するようになった。…んだけれど。
「ユカ、ガスールという魔獣を狩って来た。これはモモ肉だが、臭みがあるからスモークがいいと思う」
「わかったわ、ありがとうございます。お湯は沸いてるからお茶淹れてもらってもいい?ちょっと準備しちゃうから」
うん、なんかもうキルギスさんと採集&キャンプが常よ…しかも食材というか、お肉は現地調達が主。というか、そもそもここは松田さんが教えてくれた採集ポイントで、固定した結界の外に出ると危険な生物が一杯っていう恐怖の採集ポイントよ…!
キルギスさんから渡されたお肉の塊を一度インベントリに入れてから、燻製にする道具を薪の近くに設置する。この燻製用の道具はキルギスさんにそういう道具はないのかと聞いたらないと言うので、ルシーさんに伝えて作ってもらったのよ。
作るのはまた別の所に依頼したらしいけれど、発案ということでちょっとだけ売上からお金がもらえるから助かる。
それはともかくとして。燻製機の下に、この世界の燃やすといい香りがする木辺を入れておく。そうして、燻製機の切り込みに大きい網をセットしてからお肉を大き目のサイコロに切ってから、軽く塩コショウを振って網の上にのせてふたをする。
それから魔法で火をつけて、後は出来上がるのを待つ…けど、様子を見たり、火の調節はキルギスさんがいつもしてくれるのよ。私がやけどしないようにって。やけどしない様に皮の手袋も用意してるんだけど、ほんと過保護よねぇ。
「キルギスさん、後おねがいします」
「ああ。ユカの分もお茶淹れてあるから少し休むと良い」
差し出されたコップを受け取って、私が燻製機を出した辺りでキルギスさんが場所を移動してくれた椅子代わりの丸太に座ってお茶を飲む。
なんだかんだで採集に集中してたから、喉が渇いていたらしい。おかわりも入れてくれてちょっと恥ずかしかった。
「俺が居ない間に結構収穫出来たみたいだが、それでもまだかなりあるな。どうする?まだここで続けるか?」
「そう…ですね。そろそろお昼から過ぎてますし…夕ご飯の準備します。お肉は燻製でいいとして、野菜のスープ位は」
「分かった、燻製はまだ大丈夫だろうから鍋の準備だけしておく」
「はい。ありがとうございます」
と、まあ…こんな感じで…狩りも出来るし料理手伝ってくれるしで、出来る男感がすごい。でもキャンプ飯は私が作る方法が変わってて、でもおいしいと好評なので、私が作ってるけどね。キルギスさんは燻製にハマってしまったらしく、それに合う食材とか薪なんかも探してるみたいで時々これは?って言われて一緒になって楽しんでるからいいんだけどね。
こういう、二人で楽しめるのはいいなぁ。イケメンだから目の保養になるしね…
108
お気に入りに追加
534
あなたにおすすめの小説

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。

【完結】ペンギンの着ぐるみ姿で召喚されたら、可愛いもの好きな氷の王子様に溺愛されてます。
櫻野くるみ
恋愛
笠原由美は、総務部で働くごく普通の会社員だった。
ある日、会社のゆるキャラ、ペンギンのペンタンの着ぐるみが納品され、たまたま小柄な由美が試着したタイミングで棚が倒れ、下敷きになってしまう。
気付けば豪華な広間。
着飾る人々の中、ペンタンの着ぐるみ姿の由美。
どうやら、ペンギンの着ぐるみを着たまま、異世界に召喚されてしまったらしい。
え?この状況って、シュール過ぎない?
戸惑う由美だが、更に自分が王子の結婚相手として召喚されたことを知る。
現れた王子はイケメンだったが、冷たい雰囲気で、氷の王子様と呼ばれているらしい。
そんな怖そうな人の相手なんて無理!と思う由美だったが、王子はペンタンを着ている由美を見るなりメロメロになり!?
実は可愛いものに目がない王子様に溺愛されてしまうお話です。
完結しました。

【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました
成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。
天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。
学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。

【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない
櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。
手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。
大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。
成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで?
歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった!
出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。
騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる?
5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。
ハッピーエンドです。
完結しています。
小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。

【完結】夜会で借り物競争をしたら、イケメン王子に借りられました。
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のセラフィーナには生まれつき前世の記憶があったが、覚えているのはくだらないことばかり。
そのどうでもいい知識が一番重宝されるのが、余興好きの国王が主催する夜会だった。
毎年余興の企画を頼まれるセラフィーナが今回提案したのは、なんと「借り物競争」。
もちろん生まれて初めての借り物競争に参加をする貴族たちだったが、夜会は大いに盛り上がり……。
気付けばセラフィーナはイケメン王太子、アレクシスに借りられて、共にゴールにたどり着いていた。
果たしてアレクシスの引いたカードに書かれていた内容とは?
意味もなく異世界転生したセラフィーナが、特に使命や運命に翻弄されることもなく、王太子と結ばれるお話。
とにかくツッコミどころ満載のゆるい、ハッピーエンドの短編なので、気軽に読んでいただければ嬉しいです。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
小説家になろう様への投稿時から、タイトルを『借り物(人)競争』からただの『借り物競争』へ変更いたしました。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。

【コミカライズ発売中】無敵のシスコン三兄弟は、断罪を力技で回避する。
櫻野くるみ
恋愛
地味な侯爵令嬢のエミリーには、「麗しのシスコン三兄弟」と呼ばれる兄たちと弟がいる。
才能溢れる彼らがエミリーを溺愛していることは有名なのにも関わらず、エミリーのポンコツ婚約者は夜会で婚約破棄と断罪を目論む……。
敵にもならないポンコツな婚約者相手に、力技であっという間に断罪を回避した上、断罪返しまで行い、重すぎる溺愛を見せつける三兄弟のお話。
新たな婚約者候補も…。
ざまぁは少しだけです。
短編
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
一迅社様より、アンソロジーコミック「婚約破棄されましたが、幸せに暮らしておりますわ!」第8巻が2/28に発売されました。
かしい葵先生にコミカライズしていただきましたので、よろしくお願いいたします。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる