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4章:偽装結婚を提案されました

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 日本に戻り、松田さんにラインで相談したい事があると履歴を残し…

「うーん、写真ねぇ。確かにいい案だけど、印刷の技術もあっちにはないし、かといってスマホの画面を確認しながらの採集っていうのも、誰かに見られる可能性あるし…うーん」

 現物を持っている松田さんに植物を借りてこっちで写真を撮ったら、採集がしやすいのではないかと提案したのだけれど、松田さんはうんうん唸り始めてしまった。

「じゃあ、そういうスキルっていうのはどうかしら」
「あー鑑定スキルみたいなものって事?野草・薬草専用の。でもちょっと劣化版になっちゃうね」
「確かに。画像だけだから、劣化版になるかしら。でも、鑑定スキルまでのつなぎにするにはまぁまぁいいんじゃない?」

 スキルとか能力とかに差はあるみたいだし、どうかな。と思って聞けば、それもありだけど…と言葉を濁す。

「わざわざスマホ使わなくても、どうせ高梨さんのインベントリは時間停止なんだから、俺が持ってる草に、名前の札でもつけておけば良くない?現物で確認っていうか」
「あ」

 言われてみれば。思わずそう零すと、松田さんが呆れた顔をしてる。しかたないでしょう、あっちの世界の常識というかインベントリの使い方も慣れてないんだから。

「ただ、そうだね…女性が異世界転移するとよくあるのが、化粧品を作って大儲けとか、そういうのがあるけど…あっちの世界ってそこら辺まだ不足してるから、化学薬品は難しいけど、手作り化粧品っていうの?そういうのを調べておくといいかもね。鑑定スキルそ取得してからになるけど、向こうと同じものがあれば作れるだろうし」
「言われてみればそうね。まだ余り気にしてなくて」
「…結構化粧品とか気にしないかんじ?」
「外出する時とかは気にしますけど…買い物位だと特に気にせず日焼け止めだけで後はすっぴんとか…ありますね」
「…なるほど?」

 なんだろう、ちょっと呆れてませんか?女として終わってると思われてます?ほっとけ。

「まあ、それは置いておくとして…採集系なら、良い座標教えておくね。キルギスさん置き去りになっちゃうけど、近くで合流すればいいだろうし」
「え、いいんですか?そういうのって自分だけのポイントにするんじゃないんですか?」
「俺はほら、害獣とか魔物でも稼げるしね。あったら取っとく位だから構わないよ」

 野草や薬草採集だけだと、よっぽどレアじゃないと稼げないから、らしい。助かるからいいけど、最初からそんなにサクサク集められるのも疑われないかと聞けば。

「鑑定スキルある人だと最初からごっそり取っちゃって、値崩れするとかたまーにあるよ。市場の動向とか、そういうの気づかない人は気づかないし」

 ああ、過剰供給で値崩れか。野菜なんかだと、たくさん収穫できた時に大儲けできるかって言うとまた別で、売っても赤字だからと肥料にしてしまうとかいう話を聞いた事がある。逆に天候に恵まれなくて不作な時に、たまたま天候が良かった所で取れた野菜が高騰して御殿が建つとかも聞いた事がある…
 色々と難しいわねぇ…
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